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旅ールのすすめ - ビールに会いに旅に出よう

山片 重嘉コウゴ アヤコ 1978年東京生まれ。杏林大学保健学部卒業。ビール好きが高じて2008年から1年半、ミュンヘンで暮らす。旅とビールを組み合わせた“旅ール(タビール)をライフワークに世界各国の醸造所や酒場を旅する。ビアジャーナリストとして『ビール王国』(ワイン王国)、『ビールの図鑑』(マイナビ)、『Coralway』(日本トランスオーシャン機内誌)など、さまざまなメディアで執筆。 www.jbja.jp/archives/author/kogo

学生と自転車の街で健康的なビール生活

ノルトライン=ヴェストファーレン州の州都デュッセルドルフから北西110キロメートルに位置する、ミュンスター。人口31万人に対し5万人を超える学生が暮らす、「学生の街」だ。街の西側にあるヴェストファーレン・ヴィルヘルム大学はドイツで最も大きな総合大学の1つで、かつてドイツ皇帝ヴィルヘルム2世が生活していたミュンスター城をキャンパスにしている。

ミュンスター市民のお気に入りの交通手段は自転車。この街では、人口よりも自転車の方が多いそうだ。レンタルできるので、市民になりきって自転車を走らせたい。おすすめのコースは、街をほぼ円形状に囲む4.5キロほどのプロムナード。かつて旧市街を囲っていた堀と土塁の跡地で、今は緑豊かな遊歩道と自転車専用道路が整備されている。水路で毛繕いをする水鳥や、不意に目の前に飛び出してくるウサギなどの小動物に足を止めつつ、秋の穏やかな時間を過ごせる。

観光をするなら街の中心部へ。三十年戦争の講和条約であるヴェストファーレン条約が結ばれた旧市庁舎や、切妻造りの建築が並ぶプリンツィパルマルクト、大聖堂にある天文時計など、歴史的な建造物も多い。

学生が多いということもあり、街は自由闊達な雰囲気。多種多様な味わいのクラフトビールに対しても理解が広い。街の北側にあるクラフトビール醸造所「Münsteraner Finne」では、EU域内の有機農産物の認証ロゴ「ユーロリーフ」を取得した原材料を使用。伝統的なビールから創造的なクラフトビールまで、丁寧に醸造している。有機食材を使った併設レストランや、ビールとヨガを組み合わせたビールヨガ教室などを企画する健康的かつ未来志向の醸造所だ。

「IPA」は柑橘類のようなホップの香りと、麦芽のふくよかな旨味が口いっぱいに広がる。秋のすがすがしい空の下、ゆっくりと味わいたいビールだ。

vol.34
FINNE Bio IPA

FINNE Bio IPA

 
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