Hanacell

予想以上の見応えにびっくり!ハンブルク歴史博物館

どの街にも大小さまざまな博物館がありますが、案外地元の博物館には足を運ばないものです。最近ハンブルク歴史博物館に行く機会があり、予想以上に見応えがありましたので、今回ご紹介したいと思います。プランテン・ウン・ブローメン公園の一角にある、レンガ造りの立派な建物は、もともとバロックスタイルの城砦として17世紀に建てられたものでした。その一部が1922年に歴史博物館として公開されることになり、現在に至っています。

ハンブルク港の歴史の模型ハンブルク港の歴史の模型

同博物館のメインの展示物はその名が示す通り、ハンブルクという街の起源から20世紀に至るまでの歴史です。人々がハンブルクに住み始めた初期の頃から、街の規模が少しずつ拡大していく様子が年代ごとに模型によって展示されています。細かく再現された模型により、当時の人々の生活の様子がとてもよく分かります。ハンブルクは言わずと知れた港町。港の様子や船の構造も時代とともに発展してきていて、興味深かったです。

街の歴史だけでなく、服飾、楽器、造船技術などの歴史も、それぞれにコーナーが設けられて展示されています。服飾のコーナーに展示されているドレスを見ると、18世紀ごろのドイツ人は、小柄でスレンダーだったのだなと思いました。下着にもレースがふんだんに使われていて、とてもおしゃれでした。なかでも興味深かったのは、ハンブルクに住むユダヤ人に関する展示です。彼らは16世紀にポルトガルから商人として移住し、ブラジルとのスパイス貿易で大いに栄えたようです。最初は歓迎されていたものの、17世紀半ばを過ぎる頃には600人のコロニーになり、経済的競争相手として、しばしば敵視されるようになっていきました。折に触れて迫害の波を受けながらも彼らは街に根を下ろし、第二次世界大戦勃発前には1万7000人のユダヤ人がハンブルクに住んでいたそうです。彼らの信仰とコミュニティーに欠かせないのがユダヤ教の会堂であるシナゴーグ。同博物館には、第二次世界大戦前にハンブルクに建っていたシナゴーグの模型とともに、シナゴーグ内部が移築されて再現されています。ナチスによるホロコーストでは、ハンブルク在住だった8000人のユダヤ人が強制収容所などに移送され、命を落としています。

シナゴーグ内部。祭壇には律法の書が安置されているシナゴーグ内部。祭壇には律法の書が安置されている

博物館職員の方のおすすめは、多岐に渡る展示物のうち、最上階にある精巧に作られた鉄道模型でした。中庭にあるカフェもガラス張りの天井で、とても良い雰囲気です。ハンブルク在住の人も、観光で来られた人も、ぜひ一度足を運んでみてください。

井野 葉由美(いの はゆみ)
ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師。イエス・キリスト命。ほかに好きなものはオペラ、ダンス、少女漫画。ギャップが激しいかしら?
www.nd-jcf.de
www.facebook.com/ndjcf

 
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