第13回 コットブス(Cottbus)

Freitag, 11 November 2011 09:00

コットブス (Cottbus)

コットブス (Cottbus)

ベルリンとドレスデンを結ぶ直線の中心から東へ、ポーランドとの国境まで約25kmの地点に、人口約10万人の街コットブスがあります。この街が文献に初めて登場するのは1156年ですが、3000年前の住居跡があり、3、4世紀頃にはドイツ人が定住したと言われています。8世紀頃にソルブ系の人々が住み始め、その後、政治状況が変化してもドイツ人とソルブ人は共存し続け、今日に至ります。そのため、街中の標識はすべて2カ国語表示です。
www.cottbus.de

地図

トラムを降りたら、市街へと延びるベルリーナー通り(Berliner Straße)へ。右手に見えるモダンな市庁舎を通り過ぎると、アルトマルクト広場に出ます。この日は暖かな秋の日曜日だったので、広場に隣接するカフェやレストランの席が出て賑わっていました。中世の街に典型的な、広場にそびえる旧市庁舎は見当たりません。おそらく現在は薬局となっている西側の間口の広い建物がある位置に、昔は市庁舎が建っていたのでしょう。

Map 1
カフェ・アルトマルクト
Altmarkt 10
www.cafe-altmarkt.de

広場に面した建物は、いずれも入口が狭くて奥に細長く、人口密度の高い古代のローマや京都に見られる典型的な細長い町屋タイプです。広々とした開放感に誘われ、築1767年の建物に入っている「カフェ・アルトマルクト」で昼食をとりました。広場の真ん中で周囲を見回しながら食事をするのは心地良いものですが、寒い季節にはカフェご自慢の古い地下室内で食事が楽しめます。

シュロスキルヒェ
Map 2
通りのランドマーク的存在、シュロスキルヒェ

この広場の南から延びるシュプレンベルガー通り(Spremberger Straße)は、ショッピング・ストリート。その中ほどに、白壁が目立つ教会、シュロスキルヒェ(Schlosskirche)があります。中世の教会は1600年の街の火災で焼失し、弾圧を逃れてコットブスに定住していたフランスのユグノーたちが許可を得て、1714年に現在の教会を建てました。少し道を戻り、ミューレン通り(Mühlenstraße)を行くと、1994年にオープンした、ソルブ人たちの全貌が分かるソルブ博物館(Wendisches Museum)がお目見え。さらに通りを進むと、14世紀に造られたレンガ造りの市壁の一部が残るスポットに出ます。周囲には旧工場がいくつか残っており、レンガ造りの大きな建物が目を引きます。

ソルブ博物館
Map 3
ソルブ人のすべてが分かる「ソルブ博物館」
Mühlenstraße 12
www.wendisches-museum.de
市壁の一部
Map 4
力強いレンガの肌を見せる市壁の一部

そこからゲリッヒツプラッツ(Gerichtsplatz)を越えると現れるのが、オーバーキルヒェ・ザンクト・ニコライ(Oberkirche St. Nikolai)という大きな教会。バルト海周辺の北ドイツに特有のバックシュタイン・ゴシック様式(Backstein Gothik)の建築で、レンガ造りであること、そして切妻に取り付けられた何本もの垂直な装飾が特徴です。この教会は、コンサートや企画展開催などの活動に注力しており、街のコミュニティセンターのような雰囲気が漂っています。そして、ザンドーヴァー通り(Sandower Straße)を西に向かうと、アルトマルクト広場に戻って来ます。あっという間の一回りでしたが、見どころがぎゅっと詰まった中心街でした。

オーバーキルヒェ・ザンクト・ニコライ
Map 5
地震国ではお目にかかれない大規模レンガ造りのオーバーキルヒェ・ザンクト・ニコライ

近郊には、ランドスケープ・ガーデン・デザイナーとして名高いプックラー公が手掛けたプックラー公園(Fürst-Pückler-Park)があります。また、緑と水が織り成す自然が美しいシュプレー森(Spreewald)など、ほかにも見どころが満載です。

目的地までの行き方
Dresden Hbf 8:52発→ Cottbus 10:40着
片道21.40ユーロ
コットブス中央駅からトラム1番(Schmellwitz, Anger方面)か5番(Sandow 方面)に乗り、Stadthalle 駅下車。

最終更新 Freitag, 24 Mai 2019 15:02