カンピーノ

19 Dezember 2014 Nr.992
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カンピーノ"Campino
1962年6月22日デュッセルドルフ生まれ。
本名Andreas Frege。
ロック・バンドDie Toten Hosenのボーカル、ソングライター。
©Gero Breloer/AP/Press Association Images

エチオピアの飢餓救済を支援するため、1984年に結成されたチャリティー・プロジェクト「バンド・エイド(Band Aid)」から30年目の今年。エボラ出血熱の対策支援にと英国で再結成された「バンド・エイド30」の発起人ボブ・ゲルドフから懇願され、ドイツで活動する歌手たちによる『Do They Know It’s Christmas?』を11月21日にリリース。1週目にして、シングル1位に躍り出た。

作詩&ボーカルを担当するディ・トーテン・ホーゼン(Die Toten Hosen)は、ドイツで最も成功したパンク・ロック・バンドだ。社会風刺を寄席的に歌う特徴を持ち、例えば10人が次々にアルコールやドラッグで死んでいく『Zehn kleine Jägermeister』は96年に大ヒットした。

「このような日々に終わりなきことを」と歌った『Tage wie diese』は、昨年の総選挙に勝利したキリスト教民主同盟(CDU)の祝賀セレモニーで歌われ、反体制たるパンクロッカーとして寝覚めが悪かったが、後日、同党を率いるメルケル首相から直々に謝罪の電話をもらって驚き、「党歌にはしないから安心して」と言われて親しみを感じたことを、11月16日に刊行した自伝で明らかにしている。

今回、ボブ・ゲルドフから話を持ち掛けられたときは正直参った。大真面目なイベントは自分たちのスタイルではない。非常に苦労して歌詞を作り、2週間で仲間を集めて一緒に歌った。参加者が自身のキャリアのために利用したとの批判には、皆が歌手としてできることをしただけだと反論。後悔はない。