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Mon, 25 November 2024

国民の11%が貧困層? from France

本誌1074号(12月7日発行) 686 万人が貧困者といわれてあなたはどこの国を想像されるだろう? アフリカ、アジアのどこかの国かしらんと思った人は大間違い。これは先日、「リベラシオン」紙が報道した、フランスの貧困者層の話なのである。

統計会社Eurostatの規定では、フランス国民の半数から中間層の平均収入(1314ユーロ(約20万円))を割り出し、その60%以下にあたる788ユーロ(約12万円)以下の所得者層が貧困層にあたる。フランスの総人口がおよそ6200万人なので、実に人口の11%が生活難を強いられていることになる計算だ。

フランスの慈善団体エマウス(Emmaüs)代表のマルタン・ヒルシュ氏によれば、貧困者層の3分の1がパートタイム、3分の1が失業者および求職者、残りはフルタイムで働いているものの政府公認の最低賃金が支払われず、しかも扶養家族が多く生活難で苦しんでいる。

数字だけを見れば、1996年には13.5%あった788ユーロ以下の所得層は、2004年には1.8ポイント減の11.7%になっており、確かに減少傾向にある。

しかし、96年と04年の経済状況ではインフレ率に大きな差があり、英国のような急激な失業者の増加はないものの、99年~01年間は、70年代以降最も高い失業率の上昇を記録しているのだ。

さらに最低限所得保障制度(RMI)の対象者は年々増加する一方で、2005年には120万人に達している。元々フランス人は社会制度や労働待遇に関しては、左寄りの意見を支持する人が多い。もっとも、これはフランス人独特の「適度に仕事をし、しっかりと給料をもらい、優雅に遊ぶ」という気質をうまく象徴しているが、そんな悠長な考えは許されない、厳しい格差社会の波がこの国にも到来している。

あと数カ月後に迫った大統領選。社会党からはセゴレン女史が正式出馬するほか、他党からも次々に候補が名乗りをあげている。もはや貧困層だけではなく、中流層にも打撃を与え始めている経済問題の解決に向け、国民は誰に1票を投じるのだろうか。

「Libération」紙 "6.8 millions de pauvre"



 

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