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Sun, 22 December 2024

英国の
愛しきギャップを
求めて

英国に暮らして20年。いまだに日々のあらゆる場面で「へー」とか「ほー」とか「えー」とか言い続けている気がします。住んでみて初めて英国の文化と人々が、かくも奥深いものと知りました。この連載では、英国での日常におけるびっくりやドッキリ、愛すべき英国人たちの姿をご紹介したいと思います。


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クリスマス・ジャンパーとは?

クリスマス・ジャンパー

この国に暮らして、日本で英語だと思っていた言葉が英国では通じなかったり、別の言葉だったりすることを知った、という経験はありませんか。私は何度もあります。その一つがこの時期に欠かせない「セーター」。夫と付き合いだしてまもないころ、「そのセーター、ラブリーね」と、当時のボーイフレンドだった夫に言ったのですが、通じませんでした。発音が悪いのかと、「スゥエィター」とでまかせに発音を変えてみてもやはり通じません。がっかりしたところに、夫が「ああ、ジャンパーのことね!」と気付いてくれて、英国ではセーターのことはジャンパーというのを、このとき初めて知りました。

さて、英国では、そのジャンパーがとりわけ注目を浴びるのがこの季節。なぜなら、いたるところにクリスマス・ジャンパーを着た人があふれるからです。

クリスマス・ジャンパーというのは、クリスマス・ツリーやサンタクロース、雪だるまなどの絵柄が編み込まれた、赤や緑など派手な色使いをしたセーターのこと。最近では色、柄、デザインもかなりバリエーションが豊富になっていますが、おしゃれなイメージからはかけ離れた、どちらかといえばダサい雰囲気のものが王道とされています。

昔はおばあちゃんやお母さんが手編みのセーターをクリスマス・プレゼントとして贈ってくれたもの。一説によれば、そんな今ひとつ垢抜けないセーターを1980年代にテレビの司会者たちがクリスマス時期にジョークとして着るようになったあたりから人々の目に止まり、2001年に公開された映画「ブリジットジョーンズの日記」でマーク・ダーシー役のコリン・ファースが着ていたことで、人気が決定的になったともいわれます。その後、12年にはセーブ・ザ・チルドレンというチャリティー団体がクリスマス・ジャンパーを着て、支援を必要とする子どもたちのために募金をする、というイベント「クリスマス・ジャンパー・デー」を企画。近頃では、職場や学校などでも、この日にクリスマス・ジャンパーを着るというのが定番となっています。


今年のクリスマス・ジャンパー・デーは12月12日ということで、このコラムが掲載されたときには、すでに終わってしまっています。でも、クリスマス・シーズンはまだ続いていますので、あなたもぜひ、今年はちょっとアグリー(?)で、見た人が笑顔にならずにはいられないクリスマス・ジャンパーを着てみてはいかがでしょうか?実は、わが家でクリスマス・ジャンパーを持っているのは娘だけ。夫と息子と私はセーターの代わりにTシャツを着ますが、絵柄はそのスピリットに通じているので、お互い着ている姿を見るたびに笑顔になれるのがうれしいです。

 
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マクギネス真美マクギネス真美
英国在住のライフコーチ/編集者/ライター。2003年渡英。英国の食、文化、人物、生活などについて多媒体に寄稿。音声メディアVoicyパーソナリティー。英国人の義母に習い英国料理の研究もしている。
mamimcguinness.com
過去のコラム:英国の口福を探して
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