114
食料品は「週1 まとめ買い」がお約束
「マミ、週末買い物に行くけど一緒に来る?」
渡英してまだそれほど日が経っていないころ、下宿先のランドレディーが声を掛けてくれました。それまではいつも利用しているバス停の前にあるコンビニを少し大きくしたくらいのスーパーで食料品を買っていた私。英国の本格的な(?)スーパー見たさに、間髪いれずに「イエス、プリーズ!」と答えました。
日曜日に出掛けたのは、下宿先から車で10分ほど行ったところにあったセインズベリーズの大型店でした。
まず驚いたのは、ショッピング・カートの大きさ。大人1人が座って乗ることができそうなくらい大きなカートに、みんなどんどん品物を積み込んでいくのです。日本のスーパーにあるような買い物カゴももちろんあり、私はそれを持ってスーパーを巡ったのですが、お互いに買い物を終えて、レジの後で待ち合わせしたランドレディーのカートには、食料品はもちろんのこと、洗剤やトイレット・ペーパーなども合わせてカートから品物があふれそうになっていました。
そのとき初めて知ったのですが、英国では1週間に一度、こうやってまとめて次の週の食料品や日用品を買うのです。
日本では一人暮らしが長かったこと、帰宅時間が遅く、たいていの夕飯は外食かコンビニで食品を買うことがほとんどだった私には、家族全員分の1週間分の食料を一度にまとめて買うというのは全くなかった発想でした。でも初めてこれを知ったとき、日本人の感覚としては、肉、魚、野菜などの生鮮食品はできるだけ新鮮なものを食べたいから、1週間に1回の買い物では難しいような気がしたのも事実です。
ランドレディーによると、週の途中で野菜などを買い足すこともあるようですが、肉や魚などはフリーザーに入れて保存するので、鮮度については気にしなくて良いとのこと。確かに英国家庭の冷蔵庫は大きなフリーザー付きなので、まとめ買いに都合が良いのでしょう。
また、この国ではスーパーのオンライン・ショッピングも一般的です。店内にあるものなら大半のものがオンライン上で注文でき、指定の時間にデリバリーをしてくれるサービスはパンデミック以前からありました。最初は生鮮品をオンラインで買うのに躊躇しましたが、鮮度に満足できない場合には返品ができるので、私は15年以上前から大いに活用しています。
日本に住んでいたら、やはりお刺身や生魚などを自分の目で確かめて購入したいと思うのですが、ここは英国。郷に入っては郷に従えがモットーの私は今やすっかり英国流ショッピングに慣れてしまいました。