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Fri, 27 December 2024

知って楽しい建築ウンチク
藍谷鋼一郎

ソチ冬季五輪とロシア

The Times
「タイムズ」紙 2月7日

ロシアの矛盾をさらけ出した

五輪の運営関係者たちは、今後、ソチのような紛争地域を五輪開催地とすることの是非をきちんと吟味する必要がある。プーチン大統領はコーカサス地方北部の発展と観光誘致に役立つと主張しているが、ソチを開催地にするとの決定は、1980年のモスクワ五輪以来、ロシアが抱えてきた多くの矛盾をさらけ出しただけのようにも見える。五輪の舞台をビジネス誘致のためのセルフサービス式パーティーへと変えてしまったその様子は、決して良い兆候ではない。


The Daily Telegraph
「デーリー・テレグラフ」紙 2月7日

ソチに一体何が残るのか

プーチン大統領は、国家予算の均衡を保つために石油価格を釣り上げている。ロシアの国民には、ソチという雪の降らない亜熱帯地域で冬季五輪を開催するために、国家予算の12%に匹敵する費用を捻出することにどんな正当性があるのかを問う権利がある。大会終了後、ソチには一体何が残るのだろうか。ロシアの伝説として伝えられている、政治上の都合のためだけに見事な外観を用意した「ポチョムキン村」としてソチが人々の記憶に残ることのないよう祈るだけだ。


The Guardian
「ガーディアン」紙 2月6日

大会が良き思い出となるように

510億ドル(約5兆2000円)というソチ冬季五輪の予算は、2012年のロンドン五輪の予算の倍額であり、そして史上最高額である。その中の莫大な資金が、自由競争を経ずに業務を受託した企業と、億万長者であるその企業の経営者たちの手に渡るのだ。ロンドン五輪は、幸運に恵まれれば、様々な人が勇気をもらえる経験となることを証明した。ソチがそうした素晴らしい大会にならないはずであると説明することはいくらでもできるが、ともかく良き思い出になることを願う。


 

藍谷鋼一郎:九州大学大学院特任准教授、建築家。1968年徳島県生まれ。九州大学卒、バージニア工科大学大学院修了。ボストンのTDG, Skidmore, Owings & Merrill, LLP(SOM)のサンフランシスコ事務所及びロンドン事務所で勤務後、13年ぶりに日本に帰国。写真撮影を趣味とし、世界中の街や建築物を記録し、新聞・雑誌に寄稿している。
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