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Fri, 20 December 2024

知って楽しい建築ウンチク
藍谷鋼一郎

スタッフのつぶやき 7 June 2018 vol.1508

7 June 2018 vol.1508

“凛”

トレーシー・エミン 先日、ユーロスターの発着駅セント・パンクラスを通る機会があり、構内に設置された、英国を代表する現代アーティスト、トレーシー・エミンのネオン・サインの作品を見てきました。駅の重厚感のある空間に掲げられた、ショッキング・ピンクの巨大文字「I Want My Time With You」。アーティーでロマンティックな雰囲気が漂っていました。(凛)

“徒”

夜の9時ごろ、けたたましい音でフラットの火災報知機が鳴り出しました。普段はお互いにあまり話したこともないフラットの住人たちが自然と玄関に集まり、どうやって報知機を止めるかを相談。今思えば、フラットの中を点検することなく、どうせ本当の火事ではないと、全員が決めてかかっていたのだから随分と危険な話です。しかも警報音があまりに大きいため、「えっ?」と互いに聞き返すばかりで30分が経過。結局、インターネットで止め方を検索して一件落着したのですが、長時間にわたる騒音で、翌朝起きたら耳鳴りがしていました。聴覚の鋭い近隣のペットたちには、大変気の毒な事件だったと思います。(徒)

眠

いつも質の高い展覧会を提供している「ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ」が、その1768年の創設から今年で250周年だそう。現在ウエストエンドに、カラフルなお祝いの旗が飾られているのをご覧になった方も多いと思います。ピカデリー側にある建物とサビル・ロウ側の建物が繋がれ、無料で鑑賞できるスペースも増えました。「オフィーリア」の絵画で有名なミレイの写真やスケッチ、ロイヤル・アカデミー会員の集会の様子を描いた1795年の絵画、多くの生徒のモデルになったであろう古い大理石の像、また廊下の端にアートスタジオが見えたりと、以前より美術教育機関としての存在がより強く感じられる気がします。(眠)

紅

湖水地方先日、ずっと行きたかった湖水地方を訪れました。そこには絵本から飛び出してきたような、想像以上に美しい自然が広がっていました。私が特に感動したのは、湖の周りの個性あふれるドライブ・ウェイ。小道には春の花々が咲き乱れ、新緑のアーチを何度もくぐり抜けました。別の道では雄大な岩山の渓谷を滑走し、青い芝生の広原には、羊や馬の赤ちゃんがお母さんと仲良く追いかけっこしている平和な風景が。英国の真の美しさを見た気がしました。(紅)

 

藍谷鋼一郎:九州大学大学院特任准教授、建築家。1968年徳島県生まれ。九州大学卒、バージニア工科大学大学院修了。ボストンのTDG, Skidmore, Owings & Merrill, LLP(SOM)のサンフランシスコ事務所及びロンドン事務所で勤務後、13年ぶりに日本に帰国。写真撮影を趣味とし、世界中の街や建築物を記録し、新聞・雑誌に寄稿している。
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