Indiana Jones Last Crusades
インディ・ジョーンズ 最後の聖戦(1989 / 米)
傑作冒険活劇シリーズ第3作目。キリストの聖杯の在処を探っていた調査隊の隊長が行方不明に。大富豪ドノバンから再調査の依頼を受けたインディは、その隊長が自分の父であったことを知る。
監督 | Steven Spielberg |
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出演 | Harrison Ford, Sean Connery, Alison Doody ほか |
ロケ地 | The Royal Horticultural Halls & Conference Centre |
アクセス | St. James's Park / Pimlico 駅から徒歩 |
- 今週は、もはや説明不要の大人気冒険活劇、インディ・ジョーンズ・シリーズ第3作目の「最後の聖戦」です。
- すいません告白します。僕このシリーズ観たことがなかったんです。
- なにぃー? そんな人おったんか!
- 正確には「ちゃんと」観たことがなかったってことですが。テレビでちらほら観たことは、何度もありましたよ。
- 私の友人で「スター・ウォーズ」を観たことがないという奴がいるが、それと同じだな。で、今回観てどうだったんだ?
- 面白かったですが、インディ不死身すぎじゃないですか。超人もいいところで。
- なんだその冷めた意見は。その「あり得なさ」こそが持ち味なんじゃないか!
- 80年代に製作された3作の中では、僕は本作が一番好きですね。故リバー・フェニックス演じるインディのボーイ・スカウト時代の描写と、同じく考古学者であるお父さんとの絡みがたまりません。そうそう、スティーブン・スピルバーグ自身もボーイ・スカウトに入っていたそうですよ。
- そういえば冒頭、若きインディが盗掘団とサーカス列車で乱闘するシーンで、ライオンに向かって鞭を打とうとして自分のあごを負傷する場面がありますよね。これはハリソン・フォードのあごに、彼が20代のころに事故で負った傷が残っていることから編み出されたシーンなんだとか。
- ちなみにジョージ・ルーカスは当初、幽霊屋敷を舞台にしたストーリーを考えていたらしいんですが、スピルバーグは「ポルターガイスト」を手掛けて間もなかったために、異なる路線を希望したんですね。そしてルーカスは「幻の聖杯」のアイデアを思い付いた。そこにスピルバーグが「父と子の物語」を加えたってわけです。
- スピルバーグは常に「007」映画を撮りたいと思っていて「インディ・ジョーンズのお父さんはジェームズ・ボンドだ」っていう内輪ネタまであったらしいね。だからお父さん役にはショーン・コネリーが選ばれたし、エルザ役のアリソン・ドゥーディ、ドノバン役のジュリアン・グローバーなど、ボンド映画に登場している俳優たちが数多く出演してるんだな。
- ショーン・コネリーが英国人だからってわけでもありませんが、インディのお父さん、ヘンリー・ジョーンズの自宅には、ロンドン北部のバーネット、Wills Grove 3番地に立つ家が使われていますね。
- 意外に英国内のロケ地がちょこちょこ使われてるよな。
- はい、第1作目の「レイダース / 失われたアーク」にも登場する、インディが教鞭を振るうニューヨーク大学は、実はハートフォードシャー州はRickmansworthにある私立校「Royal Masonic School for Girls」で撮影されています。それと、イタリアはベニスでのボートチェイスのシーンは、エセックス州の「Tilbury Docks」ですね。
- ナチスの決起集会にインディが潜り込んでヒトラーにサインをもらうシーンがありますが、こちらはバッキンガムシャー州のカントリー・ハウス「Stowe House」です。またベルリン空港のシーンは、ロンドンのウェストミンスターにあるカンファレンス・ホール「The Royal Horticultural Halls」の「Lawrence Hall」が使われていますね。
- ちなみにラスト・シーンは世界遺産にも指定されているヨルダンの遺跡、ペトラの宝物殿「エル・カズネ」でロケが行われているだけあって、迫力が違いますなあ。
スピルバーグ自身、シリーズの中で最も気に入っているのがこの作品らしいね。私もあえて言うなら本作かな。父と息子のやりとりは何度観ても微笑ましく、ときに可笑しく、また感動的ですらあるもんなあ。でも第1作は傑作だし、監督本人が「駄作」と言い放つ第2作も、チープで派手なB級映画の香りがして結構好きだぞ。ともあれ、この3作で完結しちゃって良かったのになあ。
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