Quantum Of Solace
007 慰めの報酬(2008 / 英・米)
007シリーズ第22作目にして、前作「カジノ・ロワイヤル」の続編。最愛の人ヴェスパーを目の前で亡くしたボンドは、彼女を操っていたミスター・ホワイトの背後に潜む組織を探ろうとするが……。
監督 | Marc Forster |
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出演 | Daniel Craig, Olga Kurylenko, Mathieu Amalric ほか |
ロケ地 | Frobisher Crescent (The Barbican) |
アクセス | 地下鉄Barbican / Moorgate駅から徒歩 |
- 配給元MGMの財政難が原因で頓挫していた「007」の次回作「スカイフォール」の製作がついに始動ということで、先月ロンドンで製作発表が行われました。公開は来年の11月だそうですね。
- ダニエル・クレイグのボンド、かっこいいですよね! 駆け出しの若い諜報員という設定だけに、荒削りで強気なところが何ともセクシーです。アクションの切れ味もこれまでのボンドとは違っていて、どこか格闘家のようではないですか。
- むぅ、ジローよ、すっかり惚れちまったようだな。まあ、6代目のボンド、ダニエル・クレイグはこの映画のためにハンパなく鍛えてるらしいからな。特に2作目となるこの「慰めの報酬」では凄まじいトレーニングが行われていたらしい。
- しかも彼は、あのトム・フォードを007のお抱えデザイナーにしていたらしいですよ。諜報員ってセレブですよね。
- ダニエル・クレイグが初の金髪ボンドとして華々しく登場したのが第21作目「カジノ・ロワイヤル」で、本作はその続編に当たるんですよね。シリーズで初めて前・後編の形式をとったという点でも話題を呼びました。またクレイグのボンドは1968年生まれ、ハイテク・マシンを駆使するモダン・ワールドの諜報員です。95年の「ゴールデンアイ」以来、6作目の出演となるジュディ・デンチ扮する「M」も登場しますが、2人とも今までとは別の、言ってみればパラレル・ワールドに存在する007であり、Mであると考えた方が良いようです。
- 余談ですが、主題歌がザ・ホワイト・ストライプスのJ・ホワイトと歌姫アリシア・キーズの共演というデュエット形式なのも初だそうで。また続編と言っても監督は前作とは変わり「ネバーランド」のマーク・フォスターです。ダニエル・クレイグが彼の作品のファンで、推薦したんだとか。
- ところで本作の舞台はイタリアの古都シエナに始まり、オーストリアのブレゲンツ、ボリビアのラパス、ロシアのカザンなど、相変わらず世界各地に及んでいるわけだが、英国でもロケは行われているんだよな?
- もちろんです。まず英国諜報機関に8年、Mのパーソナル・ボディガードを5年も務めながら完全に裏切り者だったミッシェルのフラットを、Mやボンドが家宅捜索するシーンは、Marble Arch駅とEdgware Road駅の中間辺りに位置するBurwood Placeに立つフラット「Watergardens」の6階で撮られています。また、ハイチへ飛んだボンドに、Mが部下に命じて電話するシーンがありますが、こちらは……。
- 「The Barbican」だろ。あの曲線の建物、どっかで見たことあるよなあと思ってたんだよね。
- その通り。「The Barbican」敷地内の一角にある「Frobisher Crescent」と呼ばれる建物です。
- 英国内のロケ地はまだまだあります。ボンドの度を超えた行動を咎められ、Mが外務相から呼び出しを食らうシーンは、PallMallにある由緒正しき紳士クラブ「TheReform Club」です。またボンドがオーストリアの空港でボリビア行きのチケットを買おうとするものの、Mにクレジット・カードを差し止めされてしまう場面がありますが、この空港は実はハンプシャー州の「Farnborough Airport」、さらにロシアのカザンでのラスト・シーンも、同空港近くにある兵舎「Bruneval Barracks」で撮られていたんですね。
身長178センチのクレイグがボンドに抜擢された当初は、平均身長186.4センチの歴代ボンドに比べて背が低いとか、イメージが違うとかいろいろ言われたが、本作ですっかり認められたよね。撮影中、顔に数針縫うケガを負って美容整形したりと、まさに命懸けアクションに挑んだだけあって見応えたっぷりだしな。次回作は新たなストーリーらしいから、楽しみに待とう。
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