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Mon, 25 November 2024

ユニセフが創設60周年 from Germany

本誌1076号(12月21日発行) 国連連合児童基金ユニセフ(Unicef)の活動といえば、何を思い浮かべるだろう。アフリカ諸国などで深刻になっているエイズ(HIV)問題への取り組み、津波被害のあった東南アジアの国々への支援、人権問題……。しかし、今月11日に創設60周年を迎えたユニセフが、本来は第二次大戦で被災した子どもたちの救済を目的としていたことをご存知だろうか。ユニセフは戦後間もない1946年、前年45年に成立した国際連合の第1回総会で「国連国際児童緊急基金」として誕生した。その名が示すとおり、当時、がれきと化していた欧州の国々の子どもたちへの支援は急務となっていたのだ。

戦後の状況を物語るこんなエピソードがある。ユニセフ設立に伴い、国連総会で一つの問題が持ち上がった。災禍をもたらした加害国である(ナチス)ドイツの子どもたちにも、救援の手を差し伸べるべきだろうか、と。総会ではその後、この問題について激しい討論が何度も交わされたという。しかし、ドイツの子どもたちの悲惨な状況を毎日のように伝えるニュースを耳にし、総会の答えは一つに決まった。「子どもたちに非はない。すべての子どもたちに平等に援助を」ドイツに最初に送られた支援物資は、516トンの肝油だった。その後、粉ミルクや衣料などの配給も始まる。また、子どもたちの足を再び学校に向けさせようと、学校給食用にミルクやビスケットなども届けられるようになったという。

ユニセフは現在、世界156の国と地域で、各国政府やNGO、コミュニティーと協力しながら活動を展開する。欧州諸国への戦後支援は1950年代をピークに一段落、その後は前述のように、活動の重点を開発途上国に移しながら今日にいたっている。創設当時からこれまで、世界中で援助を必要とする子どもの数は増える一方という現実を前に、ユニセフに課せられた使命は大きい。

もうあと2日でクリスマス・イブ。ユニセフは毎年、クリスマス・カードを販売し、支援事業への寄付を募っている。今年も国境を越え、世界のあちらからこちらへ、ユニセフの心温まるクリスマス・メッセージが届けられる。

「Focus」誌 "60 Jahre Unicef - Hilfe für die Wehrlosesten"



 

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