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Mon, 25 November 2024

建築家一家の夢のマイホームは… from Germany

本誌1081号(2月1日発行) バルト海沿岸の美しい港町、キール。世界中から集まる観光客でいつも活気あふれるこの町にこのたび、新たな「観光名所」が誕生しそうだ。それは、同市在住の建築家ビエルン・ジームゼンさん(35)が、家族5人で仲良く暮らそうと自ら設計を手掛けたマイホーム。でもこれがただ者ではない。何と、欧州で最も幅のせま〜い小屋、失礼、家なのだ。

まずは想像してほしい。家の正面側の幅は4.5メートル。まあこれはいい。でもひとたび玄関から中に足を踏み入れたらさあ大変。奥に進むにつれてだんだん両側の壁が近づいてきて…、たどり着いたそこは、幅がわずか80センチしかないのだ。

数年前から、2軒の家に挟まれた空地の前を通るたび、建築家魂がメラメラ燃えたというジームゼンさん。敷地面積29平方メートルというこのささやかな三角地帯を破格の値段で購入し、夢のマイホーム作りをスタートさせた。

最短幅が80センチという家は、もちろんギネスもの。現在ドイツにおける「最も幅が狭い家」は、幅2.05メートルというアイゼナハにある築200年の木組みの家。他国の強豪はというと、ロンドンに幅1.52メートルの5階建ての住宅が、またアムステルダムには幅2.02メートルの切妻造りの家があり、互いに「うちの方が狭いんだよ!」と自慢にもならない自慢をしているらしい。でも君たちのトップ争いもここまで。何たってジームゼンさんとこは、もう一度言うけど、たったの80センチなんだもん!

さてここで、この家の間取り図を紹介しよう。土地が狭いのだから、当然その分上に高くなる、というわけで家は6階建て、見晴らしバッチリの屋上テラス付きだ。1階にはゴルフ車が1台ちょこんと収まるガレージ、2階から4階は寝室、5階はキッチンで最上階がリビングだ。バスルームは部屋の最も狭い部分に配置されている。各階はかなり急な階段でつながっているが、「いい運動になるよ」とポジティブなファミリーだ。

現在は工事の真っ最中、6月頃に完成するという。着々とその全貌を露にするこの風変わりな建築物に、道行く人々も興味津々。今度キールを訪れたら、あなたも立ち寄ってみる?

「Die Welt」紙
Veruecktes Gebaude- Ein Kieler Architekt baut das wohl schmalste Haus Europas



 

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