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Mon, 25 November 2024

アフリカにフランス移民が流入!? from France

2033年の不法滞在者はフランス人−。そんな衝撃の見出しが高級紙「リベラシオン」を飾った。しかも、記事についているのは、なにやら行列をなしている白人の写真と「セネガル大使館の前で行列するフランス人」とのキャプション。これは一体!?と思って読んでみたら、現在公開中の映画「Africa Paradis」(アフリカ・パラダイス)の話だった。日本の某スポーツ新聞のごとくタイトルにだまされて読んでしまった負け惜しみではないが、「な〜んだ、作り話か。ハハハ」と一笑出来ないような内容なのだ。

作品の舞台は2033年のフランス。米国に追いつけとばかりに発案された欧州共同体は崩壊し、失業率は年々悪化するばかり。その間、なんとアフリカは米国並みの発展を遂げ、就職難に辟易したフランス人は連日、職を求めビザを申請しにアフリカ各国の大使館前に行列を作るのだった…。

産業革命以降は、ところかまわず工場を建設し、売れや造れやで一大発展した欧州だが、今や経済的には中国にも追い抜かれそうな始末。各国とも年々上昇するインフレに悩んでおり、企業も重くのしかかる人件費のせいで、少しでもコストの安い東欧に移転が進んでいる。フランスでも政府は失業率を減らすために、フランス人の雇用を促進するものの、企業は安い賃金でも働いてくれる移民を採用するため、職にあぶれたフランス人が至るところにあふれかえっているのはご存知の通り。フランスにいても未来はないと考え、新天地を目指す人も実は徐々に増えていたりするのだ。

ここ数年羽振りの良い企業は全てIT関連企業。少ない出費で大きな金を生み出す、まさに魔法の事業で、インドなどは今や世界一のIT関連事業国家にのしあがった。広大な土地と安い人件費に安い法人税のアフリカ諸国がその内インドに次ぐIT国家となったとき、この映画のようにフランス人は職を求めてアフリカに旅発つことだろう。そして、密入国した挙句に、アフリカから強制送還されるフランス人労働者のニュースが連日報道されるのも決して絵空ごとではなくなる日が来るのかもしれない。

「リベラシオン」紙ほか
En 2033: Les sans papiers sont les français



 

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