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Mon, 25 November 2024

リニューアル・オープンした「身ごもったカキ」 from Germany

リニューアル・オープンした「身ごもったカキ」
9月で50歳になるHKW  www.hkw.de
Foto: Sabine Wenzel
優雅に、そして大きく湾曲して垂れ下がった屋根が、ベルリン市内、ティーアガルテンの緑の中にぽっかり浮かぶ。その一 風変わった外観から「身ごもったカキ」の名 で知られる多目的施設「世界文化の家(Haus der Kulturen der Welt、以下HKW)」が、900万ユーロ(約14億円)をかけて行われた1年間の全面改修工事を経てこのたび、よみがえった。

HKWの歴史は1957年にさかのぼる。同年、ベルリンで開催された国際建築博覧会に際して、米国の建築家ヒュー・スタビンスが考案したこの建造物は、展覧会の後に米政府から旧西ベルリンに寄与された「プレゼント」で、もとは会議場だった。冷戦時代にあった当時、このベルリン会議場は米国と旧西ドイツの友好のシンボルであったと同時に、いわゆる「陸の孤島」だった旧西ベルリンから、旧東ドイツ、ひいては旧社会主義圏全体に向かって「自由の光を放つ灯台」としての役割を担っていた。またその頃、旧東ベルリンに建設された東のシンボル、スターリン通りに対抗したものでもあったという。

しかし80年に大事故が会議場を襲う。5月のある日、老朽化した屋根の一部が倒壊し、建物の中にいたジャーナリスト1人が犠牲となったのだ。その後、修復を経て87年に再び日の目を見た会議場は、2年後に「ベルリンの壁」が崩壊して以降今日まで、HKWという名の下に会議場としてはもちろん、展覧会や劇場などの文化施設としても幅広く利用されている。

誕生から50年目にして、新たな門出を迎えたHKW。キュレーターにシャヒーン・メラリ氏を起用して開催されている記念すべき最初の展覧会のタイトルは、米人気歌手ビリー・ジョエルのヒット曲の名を頂戴し、ずばり「New York-States of Mind」。ハンス・ハーケら26人のアーティストが、2001年の米国同時多発テロや03年のイラク戦争をテーマに取り組んだ作品などが展示されている。なかには、あの国民的アイドル、白くまのクヌートの額から赤い血が流れている(?)かのようなショッキングなコラージュ作品もあるから見逃せない。

「Die Welt」紙ほか “Schwangere Auster wird wiedereröffnet”



 

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