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Mon, 25 November 2024

フランスで流行するアニメの秘密とは? from France

CGで合成されたCanal+の映像
CGで合成されたCanal+の映像
5月に開催された今年のカンヌ国際映画祭で中学校を舞台にしたドキュメンタリー・タッチの作品「Entre Les Murs(The Class)」が最高賞のパルム・ドールを受賞して以来、教育に関する話題がフランス国民の関心を呼んでいる。この映画を観たグザビエ・ダルコス教育相も、「(財政的に)厳しい状況の中で、それでも教育に取り組むフランスの教師たちの姿勢に敬意を表した作品だ」と温かなコメントを寄せた。

「Tétes é claques」とはフランス語で「あまりにも馬鹿らしくて叩きたくなるような面」というような意味。確かに、登場人物は見かけからしておちゃらけている。アニメと言っても、動くのは顔の大部分を占める異様に大きな目と唇が中心。しかも、そのよく動く目と唇だけが実写になっているため、グロテスクなことこの上ない。番組の内容は、登場人物の日常生活のひとコマを扱った非常にくだらないギャクのオン・パレードなのだが、あまりの馬鹿さ加減につい笑ってしまうものが多い。

ところで、フランス人が夢中になって観るこの番組には、フランス語放送であるにも関わらず、なぜかフランス語の字幕が付いている。というのも、この番組は実はカナダのケベック産。ケベック州は一応フランス語圏とはいえ、周囲を英語圏に囲まれているために、フランス語の会話にいきなり「Why?」「Unbelievable!」と英語が混ざったり、フランスでは使われていない言い回しが登場したりする。さらにはこれに独特のケベック訛りが加わるため、どうやらケベックで話されているフランス語は、フランス人にとっても理解をするのが容易ではないという事情があるようだ。

この番組の生みの親であるケベック出身のミシェル・ボデーさんは、自ら声優を務め、独特のケベック訛りをありったけ強調することに尽力している。これがベルギー訛り、スイス訛り、アフリカ訛りなどを笑いの対象にすることが多いフランス人の心をつかんだのであろう。訛りでさえも商売道具にしてしまうミシェルさんのたくましさに、外国に在住する私たち日本人も見習う部分があるのかも知れない。

「Libération」紙 "L'ecéurante saga des Tétes é claques"



 

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