第15回 光を操って撮る印象的な写真
~逆光を利用する
「うまく撮れない」というイメージがつきまとうため、避けることが多い「逆光」。今回はあえて、その逆光を生かした撮影にチャレンジしてみましょう。
逆光の場合、太陽がレンズの対角線上に位置するため、カメラは「光が多すぎる」と認識します。このような場合、カメラは光の量を適正に戻そうとして取り入れる光の量を制限するため、結果として、撮影した画像は暗くなります。そのため、逆光時には露出のダイアルをプラス方向に1〜3まで補正すると、肉眼で見た感じに近いイメージが再現されるでしょう。
これは、以前ご説明した「露出の補正」の応用になります(本コラム第1、2回を参照)。この際、露出違いの写真を見比べることで、どの値が自分のイメージに近いかを確認することができるので、露出を変えて数枚撮影することをお勧めします。またそうして露出を操作することは、ダイヤルの目盛りに応じてどの程度の補正が行われるかといった手持ちのカメラの癖を知ることにもなり、今後の撮影に役立ちます。
木々の葉や花は光を透過させるため、写真1のように逆光を利用することで、順光(カメラと同じ方向から射す光)で撮った場合よりも光が強調された、より印象的な写真を撮影することができます。
写真2は、逆光時の撮影が一般的に避けられる理由であるハレーション(強い光源がレンズに当たった時に生じる光の像)の発生や、被写体の色が忠実に再現されにくいといった現象を逆に生かして撮影した例です。
(写真1)
グリーン・パークにて。透けた木々の葉が、
初夏のまぶしい日差しを強調している
(写真2)
海辺での朝焼け時に撮影。
光が強いため丘は完全に影になっているが、
それゆえに太陽と海のグラデーションに視線が向く
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