第26回 明るくなる表情
~反射光を利用する
テレビや映画などに出てくる写真撮影シーンなどで、撮影助手がモデルの横で白い板状のものを持っている光景を見かけたことはないでしょうか。この板は「レフ板」と呼ばれるもので、被写体の陰影が強すぎるときなどに使用する反射板です。白い平面状のものを被写体に近付け、反対側から注ぐ光を反射させることにより、被写体をより明るく照らすために用います。前回ご紹介したように、ストロボを使うことによって足りない光を補う方法もありますが、白い板(または紙)を使うことででも、光を補充することが出来るのです。
写真1では、モデルは窓際に立っていますが、外からの光を受けていない方の顔半分が暗くなっています。ここでレフ板を使用したものが写真2です。顔全体の明るさが写真1に比べて均一になり、かなり明るくなっていないでしょうか。
特に、よく晴れた日は日なたと日陰の明るさが大きく違うため、影になった部分は真っ暗に写りかねません。こういった場合、写真3のように被写体の横で白い板を持ち、窓から入ってくる光を反射させて顔を照らします。ストロボを使用するとどうしても人工的な光が生まれますが、反射光を使うことにより、自然な光で柔らかく照らすことが可能になるのです。
証明写真を撮影する際にも、これを応用することが出来ます。白いシャツを身に着けていれば服からの反射で顔全体が明るくなり、逆に黒い服を着ていればあごのラインに出る影が強調され小顔に見えるなど、服の色によって印象が変わってきます。
(写真1) レフ板がない状態。
顔半分が影になり、暗く落ち込んでしまう
(写真2) レフ板で反射光を顔に当てた状態。
顔全体の色が写真1に比べ均一になり、表情が明るくなる
(写真3)
レフ板を使用している様子。窓から入る光を
白い板に当て、影になっている部分に光を補う。
レフ版の角度で光に強弱を付けることも出来る
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