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Tue, 19 November 2024

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第25回 太陽のように照らす
~ストロボ機能を操作する(3)

ストロボは、カメラのシャッターを押すと瞬時に大容量の光を放つため、暗所などの撮影にとても重宝します。被写体の色を精密に再現し、動いている物の瞬間を捉えることも可能です。

カメラと切り離せるタイプのストロボは、通常カメラの上部に設置し、被写体へ向けて発光させますが、この場合、光が正面から当たるため、色は忠実に再現出来ても、背後にくっきりと影が出たり、自然な陰影が消失し被写体が平面的になったりしがちです(写真1)。撮影場所の雰囲気を重視したい方に、あまりストロボが好まれないのにはこのような理由があるかもしれません。

自然な雰囲気を壊さずに撮影したいという場合は、ストロボを使用せずに撮影することも可能ですが(写真2)、撮影場所が暗いとどうしてもシャッター・スピードが遅くなり、撮影者側の手ブレや、被写体側のブレ(まばたきなどで起こる画像の乱れ)が生じやすくなります。また、写真2のように日陰で撮影した場合は、光の温度(色温度といいます)が低いために、全体的に青っぽく写る傾向にあります。

写真3はストロボを天井へ向けて発光し、撮影したものです。写真4が通常のストロボの位置ですが、写真5のように発光部分が真上を向くように設置することで、天井に反射した光で被写体を照らすことができます。太陽のように被写体を上部から照らすことが出来るので、被写体の陰影や背後の壁の色は、写真2に比べて、より自然に写っています。


(写真1)
ストロボの光を正面から被写体に当てた。 人物の影が背後にくっきりと出ている
(写真2)
ストロボなし。雰囲気は1に比べ自然だが、日陰のために全体の色が青味を帯びている


(写真3)
ストロボの光を天井に向け、反射光を利用。背後の影が消え、全体の色も忠実に再現されている


(写真4)
ストロボを被写体に向けて構えた図
(写真5)
ストロボの角度を変え、天井に向けた図


 

前川 紀子: 滋賀県出身、1998年よりフリーランスに。以後フード専門カメラマンとして食の専門誌やレシピ本を中心に仕事をする。2007年に渡英、08年よりロンドン在住。
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