第30回 ときに温かく、ときにひんやりと
〜色温度を利用する
光源の質(日なた、日陰、蛍光灯、白熱灯など)が違えば、色温度(本コラム第29回を参照)もそれぞれに異なるため、写真上に再現される色は変わってきます。これは、一般的なフィルムやデジタル・カメラの撮像素子(フィルムに相当する部分)が、「太陽光」の下での撮影を基準にして色が忠実に再現されるように製造されているためです。しかし、デジタル・カメラのメニューの一つである「ホワイト・バランス」上で、「AWB(オート・ホワイト・バランス)」を選択しておけば、カメラが自動で撮影状況の光を察知・補正してくれるので、撮影の度に撮影者が補正する必要がありません。
前回は、「ホワイト・バランス」を調整して夜景を撮影しましたが、今回は「AWB」を使用せずに、状況により手動でモードを使い分けています。色温度によって変わる写真上の色を表現の一つとして取り入れると、印象を強めるのに役立つかもしれません
(写真1) 「太陽光」モードで撮影すると、
蛍光灯は緑がかった色に再現される
(写真2) 街灯に明かりがともる頃を「日陰」モードで撮影。
通常このモードは、アンバー系色を足すことで日陰が
青みがかって写るのを防ぐのに用いるが、今回は街灯の
温かい色を強めるのに利用した
(写真3) 日が昇る前の早朝や日陰などは、基本的に
色温度が高く、青みがかった色に再現される。
ここでは霜が降りた朝のひんやりとした雰囲気を出すため、
「太陽光」モードのまま補正をせずに撮影した
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