第33回 明るくなるプレート
〜反射光を利用する(2)
前回に引き続き、もう少し料理の撮影に焦点を合わせていきましょう。今回は、「サイド光」と呼ばれる片側からの光を利用して撮影を行っています。窓側での撮影時など、被写体の片側より光が当たっている状態がこれに相当しますが、この光の利点は、被写体がより立体的に見える点です。しかしその半面、光の届かない側面は暗く落ち込み、光が強ければ強い程、影が強く出る傾向があります。
本コラム第26回の人物撮影でも取り上げましたが、白い紙やボード(レフ板)を使って光を反射させることで、影になっている部分を明るくすることができます。今回の料理撮影では、これを応用してみました。
写真1ではレフ板を使わず、料理の片側(向かって右側)から差す光のみで撮影。左側のブロッコリーの色は暗く沈み込んでいます。一方、向かって左側(皿近く)に白い画用紙を置き、全く同じアングルで撮影したものが写真2です。暗くなっていた箇所が他の部分と同じように明るくなりました。
直射日光の入らない室内の窓際などで撮影するときは、どうしてもシャッター・スピードが遅くなりがちです。せっかくレフ板を使っても、手ブレ(シャッター・スピードが遅いためにカメラを支える撮影者の手が動き、画面がブレてしまうこと)で肝心の写真がきれいに写らないようなことがあっては、努力が報われません。なるべく三脚を使って撮影に臨むことをお勧めします。
(写真1)
画面右側から光が差している状態。レフ版は使用していない。
光源の逆側にある部分は影が強くなり、色が沈んで見える
(写真2)
写真1と同じ角度から撮影しているが、皿の横(向かって左側)に
白い画用紙を置き、右側から差す光を白い紙に反射させて
影の部分を明るくした
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