第43回 目的に応じて自由な発想で
~「トリミング」や構図の違いを利用する~
建物などが美しく見える撮影スポットを見つけても、被写体から撮影位置までの距離が遠過ぎたり、周りに余計な物が写り込んでしまったりなど、撮影の条件がいつも万全だとは限りません。
今回、写真1を撮影したポイントは、被写体から幾分離れた場所だったので50ミリの標準レンズを使用しました。被写体の全体像はカメラに収まっていますが、左右の建物まで写り込んでいますので、少し閉塞感を覚えます。そこで、中望遠レンズ(65ミリ程度のズーム・レンズ)に変え、前回(本コラム第42回)と同じように、左右の余計な写り込みをなくす目的でカメラを縦に構えました(写真2)。
適したレンズが手元になかったり、レンズの交換が難しかったりする場合は、トリミング(不要な部分をカットして画像を整えること)することを前提に撮影するといいでしょう。写真1をトリミングして、画像を整えたものが写真3です。「トリミング」や「切り抜き」という名前で、カメラ付属のソフトなどにあるツールで、コンピューターのモニター上で画像を好きなように切り取ることができます。
そして同じ位置から、今度は200ミリの望遠レンズで撮影したのが写真4です。レンズが違えば、たとえ同じアングルから撮影した写真でも、写真1と4のように目的に応じた異なるイメージで撮影ができます。
(写真1)
50ミリの標準レンズで撮影。両側の建物やライトが写り込んで
いるため、閉塞感を覚える
(写真2)
中望遠レンズに交換して、左右の建物を
カットするため縦のアングルにした
(写真3)
写真1をトリミングして、周りの建物などを取り除いた。結果、
被写体に焦点が絞られた
(写真4)
写真1と同じ撮影位置から、200ミリの望遠レンズで撮影した
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