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Mon, 23 December 2024

「The Financial Times」紙って、
一体どんな新聞なの? - 小林恭子

プレミアム・サービスなどの利用について

今回は、滞在許可の延長を英国内で申請する際などに利用できる「プレミアム・サービス」と「法定代理人によるセイム・デー・サービス」について解説します。

● プレミアム・サービス

永住権の取得時やいわゆる学生ビザの延長時など、英国内に留まりながら新たな滞在許可を申請する際には、郵便やクーリエを使ってホーム・オフィスに必要書類を提出するという方法が最も一般的です。この方法であれば申請費が最も安く、また書類を提出するためにわざわざ会社や学校の休みを取らなくてもよいなどの利点があります。一方で、郵便やクーリエを利用して申請を行うと、ホーム・オフィスが滞在許可に関する決定を下すまでに申請者は最低でも数週間から数カ月間の待機を余儀なくされてしまうというのが難点です。

そこで、自身の滞在許可に関する決定が下されるまで不安な気持ちを抱えながら長期間を過ごすことは避けたいという人や、英国外への出張に頻繁に出掛けるために申請作業をできるだけ早く済ませたいという人にとって便利なのが、「プレミアム・サービス」と呼ばれる申請方法。割高の申請費の支払いと引き換えに、ホーム・オフィスを直接訪問して必要書類を提出することで、基本的には提出日当日に滞在許可に関する決定が下されます。

● 法定代理人によるセイム・デー・サービス

英国内で暮らす外国人からの滞在許可に関する問い合わせなどが現在殺到しているホーム・オフィスへの申請においては、プレミアム・サービスの予約を取ることが非常に難しくなっています。問い合わせてはみたものの、滞在許可期間中には予約を取ることはできないとホーム・オフィスから告げられてしまうことも珍しくありません。

そうした状況においても自身の申請作業を迅速に進めるためには、「法定代理人によるセイム・デー・サービス」の利用を検討しましょう。これは、ホーム・オフィス推奨のOISC公認機関となっている法定代理人を通じて、ホーム・オフィスとの面会の予約を取る仕組みです。これらの法定代理人はホーム・オフィスの予約システムを優先的に利用できるようになっているので、個々の申請者が自身で申請するよりも、迅速にそして確実に面会の予約を取ることができます。

● 国内からのTier4申請についての注意

ただ、法定代理人によるセイム・デー・サービスさえ利用すれば、どのような状況においても即日で滞在許可の決定が下されるというわけではないことに留意する必要があります。例えば欧州経済領域(EEA)以外の国から渡英する学生に発給する滞在許可であるTier4の申請を英国内から行う際には、現在、申請方法を問わずにまずはすべてオンラインにて申請フォームをホーム・オフィスに送信し、その後にそのほかの必要書類を郵送あるいはセイム・デー・サービスを利用して提出することが求められています。申請フォームを記入するためには、事前に「CASナンバー」と呼ばれる、ホーム・オフィスより各大学に対して発行された各学生の識別番号などの必要情報がすべてそろっていなければなりません。そのため、Tier4を申請する場合は仮に法定代理人に委託する場合でも、事前にきちんとした準備を行うことが大変重要になってきます。

既に英国で学業を始められるなどしており、学生ビザの延長を検討されている方は、たとえセイム・デー・サービスの利用を予定している場合でも、できるだけ早めに専門家にご相談ください。

 

小林恭子小林恭子 Ginko Kobayashi
フィナンシャル・タイムズの実力在英ジャーナリスト。読売新聞の英字日刊紙「デイリー・ヨミウリ(現ジャパン・ニュース)」の記者・編集者を経て、2002年に来英。英国を始めとした欧州のメディア事情、政治、経済、社会現象を複数の媒体に寄稿。著書に「英国メディア史」(中央公論新社)、共著に「日本人が知らないウィキリークス」(洋泉社) など。

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