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Sun, 24 November 2024

英国の
愛しきギャップを
求めて

英国に暮らして20年。いまだに日々のあらゆる場面で「へー」とか「ほー」とか「えー」とか言い続けている気がします。住んでみて初めて英国の文化と人々が、かくも奥深いものと知りました。この連載では、英国での日常におけるびっくりやドッキリ、愛すべき英国人たちの姿をご紹介したいと思います。


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病気のときに食べるのは?

病気のときに食べるのは?

2023年の幕開け、皆さん、いかがお過ごしでしょうか?

さて、前号で告白(!)しましたが、私もとうとう新型コロナウイルスに感染。かなり長期間にわたって、体調がいまひとつという師走を過ごしておりました。

日本に住んでいたころは、体調を崩すとおかゆや雑炊を食べたり、スポーツ飲料を飲むことにしていました。幼少期は、療養期間中にはなぜかイチゴを買ってもらえて、それがうれしかったのを覚えています。

英国で初めて体調をひどく崩して食欲がなかったとき、下宿先のランドレディーRに勧められたのがチキン・スープでした。多分市販のものだったと思うのですが、具合が悪いのに、油が浮いたチキン入りのスープを飲む気にはなれず、Rには申し訳ないけれど、ほんの二口ほど飲んだだけでした。

結婚してから、夫が珍しくひどい風邪をひいて、かなり咳込んでいたとき、「英国で病気のときに食べる特別なものはあるの?」と質問しました。夫は特に知らないというので、「前にRにチキン・スープを作ってもらったことがあるし、インターネットで調べたら、やっぱりチキン・スープのことが出ていたけど」と伝えたのですが、夫は子ども時代にチキン・スープを作ってもらった記憶はないと言います。結局、そのとき食べることに問題がなかった夫は私と同じパスタを平らげ、英国の病人食を作ることはありませんでした。

あらためて、英国の人々が病気のときに何を食べるのかを調べる必要にかられたのは、双子の子どもが相次いでノロウイルスにかかったとき。無理をして食べさせてはいけないのは分かるものの、嘔吐に下痢を繰り返す子どもたちが心配で、GPのドクターに確認。もらったアドバイスは「食べられるようになったらドライ・トーストをあげてください」でした。ドライ・トーストというのは、バターやジャムを付けないただトーストしただけの食パンのこと。病人にそんなパサパサしたものを食べさせるの?と思ったのですが、ドクターによれば、消化が良くて栄養価が高いので、これを勧めるのだそう。義母にも確認すると、幼いころの夫がお腹を壊したときにはドライ・トーストを食べさせていた、と言われ、そのときは双子にも全粒粉パンのトーストを少しずつ食べさせたのを思い出します。

以前、英国で入院したときには、毎日マカロニ・チーズやカレーなどが登場して、普段の家庭メニューと変わらなかったのを覚えています。もしかしたら英国には、チキン・スープとドライ・トースト以外に特別な病人用食事はないのでしょうか。よかったら、皆さんの英国での病人食経験をお聞かせください。

 
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マクギネス真美マクギネス真美
英国在住のライフコーチ/編集者/ライター。2003年渡英。英国の食、文化、人物、生活などについて多媒体に寄稿。音声メディアVoicyパーソナリティー。英国人の義母に習い英国料理の研究もしている。
mamimcguinness.com
過去のコラム:英国の口福を探して
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