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Sun, 22 December 2024

英国の
愛しきギャップを
求めて

英国に暮らして20年。いまだに日々のあらゆる場面で「へー」とか「ほー」とか「えー」とか言い続けている気がします。住んでみて初めて英国の文化と人々が、かくも奥深いものと知りました。この連載では、英国での日常におけるびっくりやドッキリ、愛すべき英国人たちの姿をご紹介したいと思います。


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英国でチップは必要?

英国でチップは必要?

冬休みに日本から訪ねてきてくれた友人と、野菜料理で評判のレストランに行きました。最近の英国のトレンドともいえる(?)キムチを使った料理や、リークを使ったウェルシュ・レアビットなど、今人気のタパス風小皿料理はどれもおいしく、英国料理は好まないと言っていた友人にも大満足してもらえました。

支払時に友人が「英国ではチップがいるの?」と聞くので、クレジット・カードを手渡しながら、店員さんに「サービス料は入っている?」と聞いてみました。入店時から笑顔を絶やさず給仕をしてくれていたその店員さんは「12.5%含まれているわ」と、伝票の下の方を指しました。そこで友人には「合計金額に『サービス料』というのが含まれているから、ここではチップは払わなくても大丈夫」と説明しました。

一方で、このように支払い合計金額に「サービス料」が追加されていない場合は、レストランなどでは10~15%くらいをチップにするのが一般的です。あるいは合計が54ポンドであれば、60ポンドというキリのいい金額にして払う、というのもよくあるパターンです。

2020年のリサーチによれば、英国ではレストランで飲食したうち88%の客がチップを支払っています。人々がキャッシュをあまり持ち合わせなくなった近年では、カードリーダーに自分が渡したいチップの金額を足してから支払うやり方も増えていますが、チップは現金で置いていくのを好む人が48%の割合でいるそう。これは、カードで支払ったものが、ちゃんと従業員に分配されるのか明確でないから、というのが理由だとか。

さて、食事のあとパブに行ったとき、また友人に聞かれました。「チップはいるの?」。

パブのカウンターではチップを払わないのが当然と思っていましたが、確かに外国からきた人にとっては、「レストランではチップが必要。そしてパブ・カウンターで飲みものを買うだけならチップはいらないけれど、パブのテーブルで食事をした場合にはチップを払う場合もある」といった区分けは、ややこしく感じるに違いありません。

ほかにも美容院やタクシーではチップが必要だけれど、チェーン系カフェではチップ用の瓶が置かれてあるところがあって、入れるも入れないも自由、といった違いは、チップ文化のない日本人観光客にとっては、慣れるまでに時間がかかりそうです。

この国では、チップを渡し忘れたからといって、あからさまに嫌な顔をされることはありません。でも、感謝の気持ちとともに気持ちよくチップを渡せるのがいいなー、と思いますが、皆さんはどうですか?

 


マクギネス真美マクギネス真美
英国在住のライフコーチ/編集者/ライター。2003年渡英。英国の食、文化、人物、生活などについて多媒体に寄稿。音声メディアVoicyパーソナリティー。英国人の義母に習い英国料理の研究もしている。
mamimcguinness.com
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