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Sun, 22 December 2024

英国の
愛しきギャップを
求めて

英国に暮らして20年。いまだに日々のあらゆる場面で「へー」とか「ほー」とか「えー」とか言い続けている気がします。住んでみて初めて英国の文化と人々が、かくも奥深いものと知りました。この連載では、英国での日常におけるびっくりやドッキリ、愛すべき英国人たちの姿をご紹介したいと思います。


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サンドイッチに生タマネギ?

サンドイッチに生タマネギ?

英国に住むようになって語学学校に通い出すと実感したのが、「やっぱり英国の人たちはランチにはサンドイッチを食べるんだ!」という事実でした。もちろん、日本のコンビニで売っているようなおにぎりを英国で食べられるとは期待していませんでした。それにしても、スーパーの陳列棚にずらりと並んだサンドイッチを見て、「あぁ、私は英国に住んでいるんだなぁ」と、なんだか感慨深かったのを思い出します。

パンに具を挟むという食べ方は、世界各地でずいぶん古くからあったといわれますが、「サンドイッチ」という呼び方は、18世紀後半に英国の第四代サンドイッチ伯爵であるジョン・モンタギューに由来するといわれています。というのも、伯爵はカード・ゲームが大好きで、ゲームを中断せずに食事をできないものか? と考え、パンに具を挟んだものを作らせ、ゲーム中にそれをつまんでいたので、この名前が付いたといいます。この説の真偽のほどは定かではありませんが、この呼び方は日本でもカタカナ英語で定着しているほどですから、ネーミングとしては大成功なのだといえるでしょう。


さて、私が感心したのは、英国にはサンドイッチ専門のお店が各地にあって、パンの種類、具材を好きなようにカスタマイズして、自分好みのオリジナル・サンドイッチを作ってもらえることでした。まずは食パンの白かブラウンか、あるいはブレッド・ロールと呼ばれる英国風ロールパンやバゲットなどからパンを選びます。それに、定番のローストビーフ、ハムやチーズはもちろんのこと、英国らしいコロネーション・チキンなどの具に野菜を合わせたり、ピクルスなどを付け加えることもできます。また、以前、コラム「英国の口福を探して」でご紹介したような、チップス(フライドポテト)やクリスプス(ポテトチップス)を挟んだサンドイッチなど、日本人の私たちの想像の域を超えたフィリングも存在します!

中でも私が英国に住んで19年目にして初めて食べたサンドイッチはとにかく衝撃的でした。それはなんと、生のタマネギを挟んだものだったのです。一緒にチェダー・チーズも挟んであったのですが、合気道の先生のお宅でそれが出てきたとき、思わず身を乗り出してしまいました。そして、もちろん試食してみましたよ。お味ですか? 生タマネギの辛さとチーズの塩加減がひきたてあって、かつ歯ざわりはサキサキとしていて、ほんの一口、と思っていたのが、あっという間に完食してしまいました。つまり、なかなかいけるお味でした。ただ、英国舌が育ってしまった私の味覚なので、読者の皆さまが試すときには自己責任にてお願いします。

 


マクギネス真美マクギネス真美
英国在住のライフコーチ/編集者/ライター。2003年渡英。英国の食、文化、人物、生活などについて多媒体に寄稿。音声メディアVoicyパーソナリティー。英国人の義母に習い英国料理の研究もしている。
mamimcguinness.com
過去のコラム:英国の口福を探して
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