英国の
愛しきギャップを
求めて

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英国人はDIY大好き!?

「今日、どこまで進んだか見てみたい?」

土曜日の夜に家に戻ってきた私に向かって夫が言いました。きっと、その日に頑張ったDIYの成果を見せたいんだろうな、とすぐに察しがつきました。

DIYとは「Do It Yourself」の略で、紅茶好き、ガーデニング好きと並んで、英国の人たちはDIY好きでも知られています。「うん、見せて」と夫に答えると、夫はライブラリー兼夫の仕事場のドアを開けて私を招き入れ、暖炉がある側の壁を指差しました。

「B&Qに行ってマッチする色を買ってきて塗ったんだよ」と自慢げに見せてくれたのは、昨日まで釘がささっていた後の穴がふさがれて、ペンキが塗り直された見違えるようにきれいになった壁。「すごいねー、ウェルダン!」大きな声で私が言うと、夫は満足そうに微笑んでいます。

B&Qというのは、英国在住の方なら一度は行ったことがあるはず（?）の、大型DIYショップ。日本でいえばホームセンターというイメージですが、ここにはペンキや金づちなどの大工道具はもちろんのこと、ドア、トイレ、お風呂、木材、砂など、家づくりに関わるものなら、大抵のものはそろうという場所です。1969年創業以来、英国とアイルランドに300以上の店舗を持つといいますから、それだけでも英国の人たちがいかにDIYに精を出しているかが分かります。

ちなみに、1683〜85年に出版されたジョゼフ・モクソンという人物が書いた「メカニック・エクササイズ」（Mechanick Exercises）という本が、現代のDIYマニュアルの大元といわれています。それを考えると、英国でのDIYの歴史は300年以上と、相当に長いということになります。

第二次世界大戦時には「自分で食料を育てる」（Grow Your Own Food）などを含め、家庭でできる限りのことはまかなうのが推奨されたことも、DIY気質を後押ししたのかもしれません。

また、近年でいえば、パンデミックで家にいる時間が増えたこと、物価の高騰なども人々のDIY活動推進に影響しているともいわれます。それ以外にも、ガーデニングと同様に、出来上がったときの満足感、メンタルへの好影響も人気の理由に挙げられるとか。

でも、何より信憑性が高いのは、「英国ではプロに頼んでも、スケジュールがどんどんずれたり、仕上がりがいい加減だったりすることが少なくなく、それなら自分でやった方がいい」という気持ちからというもの。

さてあなたは、いったいどの理由が英国人たちをこれほどまでにDIYに駆り立てているのだと思いますか?