今年も世界最大規模の芸術祭の季節がやってきた
エディンバラ・フェスティバルの
日本関連イベント

スコットランドの首都エディンバラで毎年夏に開催されるエディンバラ・フェスティバルの季節が今年も到来。

いくつもの異なるフェスティバルが市内で同時開催されるこのイベントは、観光客だけでなく批評家までも世界中から集まる大規模な芸術祭だ。
参加予定の主な日本の出演アーティスト及び出展作品を紹介する。

エディンバラ国際フェスティバル

今ではいくつもの異なるフェスティバルが集うようになった「エディンバラ・フェスティバル」の本家本元。第二次大戦直後となる1947年に、スコットランド及び英国の文化的生活を豊かにするとの理想を掲げて開始された。約3週間にわたり、エディンバラの市内各地で世界各地から呼び寄せた演劇、音楽、ダンス、コメディーなどの公演を実施。過去には演出家の蜷川幸雄やバイオリニストの五嶋みどりといった日本人アーティストも多数参加している。

Edinburgh International Festival
8月7日（金）～31日（月）
エディンバラ市内各地
Tel: 0131 473 2000
www.eif.co.uk

フリンジ

世界中から各界の一流アーティストを招待するという方針を打ち出すエディンバラ国際フェスティバルとは対照的な地位を占めるのがこのフリンジ。直訳すると「周辺」という意味となる名前が付けられたこのフェスティバルには、申請さえすれば基本的に誰でも参加が可能。つまり、このフェスに出演することで注目を集め、一旗揚げようとする野心旺盛なアーティストが殺到する。英国で既に名の知れているアーティストも多数参加する、掘り出し物がいっぱいのイベント。

Edinburgh Festival Fringe
8月7日（金）～ 31日（日）
エディンバラ市内各地
Tel: 0131 226 0026
www.edfringe.com

桂三輝

カナダ出身の落語家である桂三輝（カツラ・サンシャイン）が、フリンジにて計22日間にわたって公演を行う。大阪芸術大学大学院への留学を経て、上方落語の六代・桂文枝に弟子入りしたという異色の経歴を持つカナダ人落語家は、果たしてスコットランド人及び世界中から集う観光客をどれだけ笑わせることができるのか。昨年のフリンジさらにはロンドン公演で好評を博した彼が、再び英国の舞台で挑戦。フリンジの開幕日前日から最終日前日まで無料公演を敢行する。

Katsura Sunshine
– Let Me Tell You a Story About Japan!
8月6日（木）～ 30日（日）（火は除く）
17:15
無料
Laughing Horse @ Espionage
4 India Buildings, Victoria Street, Edinbrugh EH1 2EX
Tel: 0131 477 7007
tickets.edfringe.com

エディンバラ・アート・フェスティバル

2004年より始まった比較的新しいイベント。昨年は30万人を集め、毎年開催される視覚芸術を扱ったフェスティバルとしては今や英国最大規模のイベントとなった。エディンバラ市内にある美術館や博物館といった関連機関が連携し、7月末から8月末の期間を中心に様々な企画を実施。スコットランド出身者はもちろん、世界中のアーティストによる新旧の作品を展示する。本フェスティバルに名を連ねている展示会の大部分は入場が無料であるのもうれしい。

Edinburgh Art Festival
7月30日（木）～8月30日（日）
エディンバラ市内各地
Tel: 0131 226 6558
www.edinburghartfestival.com

日本の磁器の達人たち

明治を生きた4人の日本人陶芸家の作品を集めた展示会が、今年3月から8月末までスコットランド国立博物館で開催されている。戦前の日本には、宮内省が運営する「帝室技芸員」という顕彰制度を通じて優秀な日本人アーティストたちを保護するという仕組みが存在していた。本展示では、この顕彰制度の対象となった陶芸家に注目。清風与平、宮川香山、伊東陶山、諏訪蘇山の4人が、技術の発展や時代の要請に応じながらつくり続けた作品を集めている。

Masters of Japanese Porcelain
8月30日（日）まで
10:00-17:00
無料
National Museum of Scotland
Chambers Street, Edinburgh EH1 1JF
Tel: 0300 123 6789
www.nms.ac.uk