ニュースダイジェストのグリーティング・カード
Sat, 12 October 2024
イギリス・ロンドンのイベント紹介

クロスレール(エリザベスライン)建設現場からの
奇妙な出土品

2009年に工事が開始され、今も着々と建設が続く新たな鉄道クロスレール(エリザベス線)。考古学者が調査した結果、40カ所近い建設地から1万あまりの遺物や人骨が発見されたという。今月、その一部を展示するエキシビションが開催される。遠い昔に起きた出来事や、ビクトリア朝のロンドンの暮らしぶりが分かる品など、私たちの足元に埋っていたものが語る歴史に耳を傾けてみよう。 写真:©crossrail/MOLA

Tunnel: The Archaeology of Crossrail
2月10日(金)~9月3日(日)

ロンドンの東部と西部を繋ぐクロスレール建設の様子や、建設現場からの出土品を集めて展示するユニークなエキシビション。考古学好きだけではなく、過去のロンドンの暮らしに興味がある人も楽しめそうだ。

Museum of London Docklands
No1 Warehouse,West India Quay, London E14 4AL
Tel: 020 7001 9844
Canary Wharf駅
10:00-18:00 無料
www.museumoflondon.org.uk

クロスレール

1Paddington Station
パディントン

ブルネル設計の施設跡

19世紀に活躍した英国きってのエンジニア、イザムバード・キングダム・ブルネルが設計した、グレート・ウェスタン鉄道の施設跡が発掘された。エンジン倉庫や作業場、鉄道の転車台などが次々と姿を現し、世界で最も古い英国の鉄道技術の貴重な資料として、これからも研究が進む。

ブルネル設計の施設跡ブルネル設計の施設跡

2Royal Oak
ロイヤル・オーク

トナカイやバイソンの骨

現在はほぼ地下を流れるのみのウェストボーン川。その近くにあったという、6万8000年前の運河の跡からは、先史時代のトナカイやステップ・バイソン、野生の牛などの動物の骨が出土している。これらの動物は、更新世のヨーロッパに多く生息していたものの、マンモスとともに絶滅した。

3Tottenham Court Road Station
トッテナム・コート・ロード

マーマレードやジャムの瓶

ビクトリア朝の食品会社、クロス & ブラックウェルの工場の商品廃棄場として利用されていた場所から、1万3000個あまりのピクルス、ジャム、マーマレードの瓶が見つかった。出土したのは、現在のケチャップの原型と考えられるマッシュルーム・ケチャップのガラス瓶、陶器製の入れ物に入ったマーマレードやジャムなど。

マーマレードやジャムの瓶

4Farringdon Station
19世紀の造船所の鎖なども出土 ファリンドン

黒死病死者の埋葬地?

チャーターハウス・スクエアで2013年に発見された二層になった墓。その一部から25体の人骨が見つかった。同時に出土した陶器から、14世紀半ば以降に黒死病で死んだ人々を埋葬した場所だと判明。付近は今でこそオフィス街だが、当時は「無人の荒野」だったそう。ロンドンで黒死病死者埋葬地としては2カ所目の発見だという。

発掘中の人骨
発掘中の人骨

5リバプール・ストリート
Liverpool Street Station

次々に出土する人骨

共同溝のトンネルを設置するため駅周辺を掘り下げたところ、2013年にローマ時代の頭蓋骨20個が発見されたのを皮切りに、2015年3月には16~17世紀に使用されていたべドラム墓地の跡から3300体の人骨、同8月には1665年のペスト大流行の被害者と思われる42体の人骨というように周辺から次々と人骨が出土した。

発掘現場 人骨

南米産の木を削ったボーリング玉

6ステップニー・グリーン
Stepney Green

木製のボーリング玉

チューダー朝に建てられたマナー・ハウス、ウースター・ハウス跡からは、堀、地下の貯蔵室、壁、井戸など建物の一部分が発掘された。同時に、南米産の木ユソウボクでできたボーリング玉なども出土。ユソウボクは木の密度が高く固いため、チューダー朝期にボーリングやクリケットの道具に好んで使われた。

 

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