英各地で戦没者追悼記念関連行事が開催
ロンドン塔を赤いヒナゲシの造花が彩る
11日、赤いヒナゲシの造花が敷き詰められたロンドン塔
英各地で9日、第一次大戦で戦死を遂げた英兵を追悼する関連行事が行われた。BBCなどが報じた。
第一次大戦の休戦日に最も近い日曜日「リメンバランス・サンデー」となったこの日、ロンドン中心部ホワイトホールにある戦没者追悼施設セノタフの周辺には、朝早くから多くの見学者が詰めかけた。第一次大戦の休戦が成立した時間となる午前11時には、式典への出席者や見学者たちが2分間の黙祷。その後、エリザベス女王に続いて、女王の夫であるフィリップ殿下、チャールズ皇太子、ウィリアム王子、キャメロン首相などがセノタフに献花した。ウィリアム王子の弟に当たるヘンリー王子は、アフガニスタン駐留終了後も同地に留まり訓練を実施している英兵らとともに、現地で開催された関連行事に出席した。
大戦で戦死を遂げた英兵を象徴する88万8246本の赤いヒナゲシ(ポピー)の造花を植えるイベントが行われていたロンドン塔の前にも、数千人の見学者が集った。過酷な自然環境の中でも花を咲かせるヒナゲシが、第一次大戦によって荒廃した欧州の大地に咲き誇ったことから、英国では戦死を遂げた英兵を象徴するものとして認識されている。
実際に第一次大戦が終結した日となる11日にも、各地で関連行事が開催された。英国在郷軍人会の働き掛けにより、1995年からは英国では11日と同日に最も近い日曜日の両日午前11時に黙祷を捧げることが習わしとなっている。
ロンドンの主な第一次大戦関連施設
戦没者追悼施設セノタフ
(ホワイトホール)
第一次大戦の終結を受けて設立された記念碑。1920年に現在のものに再建された
無名戦士の墓(ウェストミンスター寺院)
第一次大戦で戦死を遂げた後、身元が判明しなかった兵士のための墓
王立砲兵隊記念碑(ハイド・パーク・コーナー)
第一次大戦で戦死を遂げた王立砲兵隊の兵士たちに敬意を捧げるために造られた記念碑
帝国戦争博物館(ランべス・ノース)
第一次大戦から現在に至るまでに英国と英連邦諸国が関わった戦争に関する展示を開催