ロンドン地下鉄が開業150周年
蒸気機関車が地下鉄路線を走行
ロンドン地下鉄は10日、開業150周年を迎えた。BBCなどが報じた。
150周年を記念して、ロンドン市内では各所で関連行事が開催された。同中心部では13日、開業当時の様子を再現するために、19世紀後半に製造されたモデルを修復した蒸気機関車をロンドンの地下鉄路線内で走行させる催しを実施。走行区間となったケンジントン・オリンピア駅-モーアゲート駅間の各見学ポイントにはカメラを持参した多くの見物客が集まった。
また特別乗車券の購入客とともに、ビロード製の座席が配された記念列車に乗車したジョンソン・ロンドン市長は、その体験を「(ヴィクトリア期における英国の風景をつぶさに描いた小説家として知られる)コナン・ドイルの世界のようだ」と表現。またロンドン地下鉄が「ロンドンを地上で最も偉大な世界的商業都市へと発展させたインフラである」と述べた。
上部が半円となったトンネルの形状から「チューブ」の愛称で親しまれるロンドン地下鉄は、1863年1月10日に開業。「メトロポリタン・レイルウェイ」と名付けられた列車が、パディントン駅-ファリンドン・ストリート駅(当時の駅名)間を走行し、世界初の地下鉄となった。
現在では、延べ年間11億人がロンドン地下鉄を利用(ロンドン交通局調べ)。一方で、地下鉄職員によるストライキに加えて、地上線と同じく年明けの実施が恒例化している運賃の値上げや頻発する遅延などに対してはロンドン市民からの不満が出ている。
13日、地下鉄開業150周年の記念走行を終えて、
モーアゲート駅に到着した蒸気機関車。
開業当時の服装を身にまとった人の姿も見られた
数字で見るロンドン地下鉄
開業年 | 地下鉄網の総距離 | 初乗り運賃 | 2分以上の遅延件数 (1カ月間) |
参照: ロンドン交通局、東京メトロほか