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Sat, 21 December 2024

知って楽しい建築ウンチク
藍谷鋼一郎

編集後記 19 Sep 2013 vol.1395

19 September 2013 vol.1395

籠

クロアチアはフバル島まで行ってきました。年平均の日照時間が長いことから地元の観光局では「欧州で一番光の当たる場所」と宣伝しているこの島には、美しい海岸がたくさん。海辺での日光浴と読書に集中していたその他大勢の観光客を尻目に、波がほとんどなく、しかもかなり遠浅の海岸で思う存分泳いできました。クロアチアン・ブルーに染まった水面が、金色の太陽を天の川のごとく連なる無数の小粒に反射させる海。この絶景を切り裂くかのように、クロール、平泳ぎ、バタフライとやりたい放題です。頭がひんやりして、外の世界の音を遮断させてしまう背泳ぎが一番気持ち良かった。(籠)

月

今から約7年前、ミュージカル「ビリー・エリオット」で主役のビリーを演じた中国系英国人の男の子、マシュー・クーン君に取材しました。当時、12歳。ちっちゃな体でウェスト・エンドの大舞台を引っ張る姿に心打たれましたが、その彼がバレエ・スクールを卒業し、ノーザン・バレエ団に入団。先日、晴れてプロとしての第一歩を踏みました。私の肩くらいしかなかった小柄な彼がいまや私を見下ろすほどに。その成長ぶりに驚かされ、月日の流れの早さを痛感し、彼がこれだけの変化を遂げる間、私は少しでも前に進めたのだろうかと自問してしまいました。何歳になっても、成長し続けていければ素敵ですね。(月)

眠

今年は、数年ぶりに夏らしい夏を満喫できて大満足ではありましたが、季節の移ろいに切なくなるヒマもなく、いきなり夏終了で気温は急降下、昨夜ついに暖房をつけてしまいました。今度は、だんだん早くなる日暮れに寂しさを覚えながらも、日に日に深まる秋を楽しみたいものですね。日本のような馬が肥えそうな秋の味覚はあまり期待できませんが、先日行ったマーケットには、地元で収穫されたおいしそうなリンゴやキノコが既に並んでいました。本号ではロンドン市内から気軽に行ける紅葉スポットを取り上げていますので、突然冬がやって来る前に、ぜひ美しい秋の風景を見に行ってみてください。(眠)

狸

2020年東京五輪開催が決定し、フェイスブックやツイッターでは各々の思いや7年後に向けた意気込みなどが駆けめぐりました。昨夏、ロンドンはオリンピック一色で、街中が関連広告で埋め尽くされ、交通機関の標識が変わり、さぞ大規模な計画が必要だったのだろうなと感じたことを思い出します。デザイナーという職業柄、注目したのはやはりそれらのデザイン。見た目の良さだけでなくユーザビリティーを考えて世界中の人に分かりやすく伝えなければなりません。人生で二度オリンピックを現地で体験できるかもしれない幸運に恵まれた私。何らかの形で運営に関わることを目標にしたいと思います!(狸)

 

藍谷鋼一郎:九州大学大学院特任准教授、建築家。1968年徳島県生まれ。九州大学卒、バージニア工科大学大学院修了。ボストンのTDG, Skidmore, Owings & Merrill, LLP(SOM)のサンフランシスコ事務所及びロンドン事務所で勤務後、13年ぶりに日本に帰国。写真撮影を趣味とし、世界中の街や建築物を記録し、新聞・雑誌に寄稿している。
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