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Tue, 19 November 2024

知って楽しい建築ウンチク
藍谷鋼一郎

編集後記 5 Sep 2013 vol.1394

5 September 2013 vol.1394

籠

ロンドン中心部ピカデリー・サーカス駅近くの美術館「ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ」で開催中のリチャード・ロジャース展に行ってきました。かの有名なロイズ・オブ・ロンドンやヒースロー空港のターミナル5などを設計した英国人建築家に関する展覧会です。あれだけの大建築家でも何度もコンペに落選しているんですね。落選した作品の設計図を見ながら、「これだけ精巧に描いたのに叶わなかった夢がいっぱいあるんだな」という思いがふと頭をよぎった瞬間、大混雑の館内で涙をこぼしてしまいました。建築に興味がある方は本誌P20からの「オープン・ハウス・ロンドン」の記事をご覧ください。(籠)

月

本号でご紹介した「オープン・ハウス・ロンドン」。毎年楽しみにしているイベントです。簡単に入れる場所もありますが、なかには5時間くらい行列しなければならない人気スポットも。計画性と気合、そして運が必要とされる2日間です。数年前、ハイテク建築のロイズ本社ビルに行ったときには、2~3時間並んだ揚げ句、スタッフが私の目の前にいた友人まででその日の見学を締め切ろうと手を伸ばしてきたため、必死になって友人にしがみつき、「一緒、いっしょ!」と訴えて、その日の見学のラスト・パーソンになることができました。今回は首相官邸目当てで初の抽選にチャレンジ。当たりますように!(月)

澄

南ウェールズに住む親戚から「日本では絶対住めないような場所に引っ越しました」と連絡をもらい、週末に遊びに行ってきました。家に着くと、目の前には羊の牧場が広がっていて、夕方になると羊がぞろぞろと帰っていく姿が。普通に人も通る道で、時間によっては羊の大群とすれ違うこともあるのだとか。牧場の奥は一面の海で、少し高台にある家の窓から絵に描いたような奇麗な夕日を楽しみ、翌朝には羊たちが牧場に戻ってくる景色を眺めてから、最後に海辺の散歩へ。私にとっては非現実的に感じるほどゆっくりした時間が流れていて、いつかこんな生活をしてみたいなと思わずにはいられませんでした。(澄)

黄

お盆に日本へ一時帰国しました。久々の夏真っ盛り中の帰省だったので、まとわりつく湿気とともに肌に突き刺さるような日差し、こんなに暑かったっけ、日本の夏? と自分の生まれ育った場所を疑うほどの暑さでした。新幹線乗り場に行くと、その日はまさに帰省ラッシュのピークで指定席はもちろん満席、自由席も相当前から並んでおかないと乗り込むことすらできないという状態。でも並ぶには暑すぎる……。英国での「暑い」とはわけが違いました。「蝉の声を聞きながら暑いと言いつつテレビで高校野球を観たい」と思っていたのですが、一時帰国のタイミングとして、お盆は避けるべきだったようです。(黄)

 

藍谷鋼一郎:九州大学大学院特任准教授、建築家。1968年徳島県生まれ。九州大学卒、バージニア工科大学大学院修了。ボストンのTDG, Skidmore, Owings & Merrill, LLP(SOM)のサンフランシスコ事務所及びロンドン事務所で勤務後、13年ぶりに日本に帰国。写真撮影を趣味とし、世界中の街や建築物を記録し、新聞・雑誌に寄稿している。
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