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Wed, 20 November 2024

知って楽しい建築ウンチク
藍谷鋼一郎

スタッフのつぶやき 17 October 2019 vol.1541

17 October 2019 vol.1541

徒

英国在住の方々は、台風19号下の日本にいるご家族やお友達のことを思って、さぞ落ち着かない数日を過ごされたのではないかと思います。私もLINEやメールを駆使してずっと日本とつながっていました。エアコンの室外機が強風でベランダから飛び込んできて、窓ガラスが割れたらどうしよう、とか、トイレがタンクレスだけど断水になったらどうなるのか、などをリアルタイムで一緒に考えるあまり、自分の部屋の窓がガタッといっただけで驚いて立ち上がってしまう程、サイバー上の日本に滞在していました。自然災害への対処法は昔からあまり変わらないかもしれませんが、無事を確かめる方法が進歩したのは幸いです。(徒)

葛

約2年前でしょうか、日本の女子高生の間で流行った「まじ卍(まんじ)」という言葉。総じて「ヤバい」という意味で使われていましたが、最近久しぶりに卍を目にしました。「画狂老人卍(がきょうろうじんまんじ)」、葛飾北斎が晩年名乗っていた雅号だそうです。先日、長野県の小布施町に行き、北斎がそこで制作した肉筆画を見てきました。作品の中で最も印象深かったのは、岩松院の天井絵「鳳凰図」。鮮やかで美しかったなぁ。北斎はいったん江戸に戻った時期もありましたが、83歳から88歳の間、支援を受けながらこの地で制作に打ち込んでいました。ちなみに江戸から小布施まで片道約240キロあり、80代のじいさんは歩いて旅をしたそうな。健脚まじ卍。(葛)

 

藍谷鋼一郎:九州大学大学院特任准教授、建築家。1968年徳島県生まれ。九州大学卒、バージニア工科大学大学院修了。ボストンのTDG, Skidmore, Owings & Merrill, LLP(SOM)のサンフランシスコ事務所及びロンドン事務所で勤務後、13年ぶりに日本に帰国。写真撮影を趣味とし、世界中の街や建築物を記録し、新聞・雑誌に寄稿している。
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