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Sun, 22 December 2024

Chaplin / チャーリー

映画の舞台裏を捜査する!特捜シネマ刑事
第30回

Chaplin(1992 /英・米・仏・伊)
チャーリー

「喜劇王」の異名を持ち、今も世界中で数多の人々に愛されているチャーリー・チャップリンの生涯を描いた伝記映画。

今週のロケ地

監督 Richard Attenborough
出演 Robert Downey Jr., Moira Kelly, Anthony Hopkinsほか
ロケ地 セント・パンクラス・チェンバーズ
アクセス ナショナル・レール、セント・パンクラス駅に隣接

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  • 先週の「サスペンスの神様」に続きまして、今週は英国が生んだもう一人の天才であり、バスター・キートン、ハロルド・ロイドと並んで「世界の喜劇王」と称されるチャーリー・チャップリンの映画です。
  • と言いましてもこちら、チャップリンが製作した映画ではなく、「ガンジー」や「遠い夜明け」などを手掛けた英国の監督リチャード・アッテンボローが、チャップリンの人生を追った伝記映画ですね。
  • うん、しかし正直に言って、偉大なる喜劇王の、波瀾万丈の人生を2時間強でまとめ上げるのがいかに大変か、というのを思い知らされるよな。
  • 本作は1964年に発表された世界的ベストセラー「チャップリン自伝」などを基に製作されているんですが、まずこの自伝も、実は裏の真相があまり語られていないと言われているんですよね。例えば、当時38歳だったチャップリンを心労で白髪にさせたという2人目の妻、リタ・グレイとの離婚訴訟について全く触れていなかったり……。
  • まあ、真実というのはあくまでも主観だったりするからねえ。第一、中途半端に語るより、一切語らないほうが、逆に多くを物語っているようにも思えるけどな。
  • ともあれ、そんなわけで本作は残念ながら映画としては大成功とは言い難い仕上がりなのですが、チャップリンに扮した主演のロバート・ダウニーJr.は見事な演技を披露しておりまして、その年の英国アカデミー賞で主演男優賞を受賞しています。
  • キャストも豪華ですよね。ダイアン・レイン、ミラ・ジョヴォビッチなど、錚々(そうそう)たる顔ぶれでチャップリンの華やかな女性遍歴を再現しています。
  • なかでもチャップリンが生涯心に留めていたという初恋の人ヘティと、最後の妻ウーナの二役をモイラ・ケリーが演じています。そのヘティと初めて食事に出掛けるもレストランで足蹴にされ、仕方なくコベ ント・ガーデン・マーケットの屋台で飲むシーンがありますが、あそこはSmithfieldの肉市場で撮られてますね。
  • そう言えば、チャップリンの長女で女優のジェラルディンが、本作でチャップリンの母親、つまり本人にとっての祖母の役を演じてるんだよな。彼女は顔つきがチャップリンによく似てるね。
  • 本作は、その母親が舞台でブーイングを浴び、少年チャップリンが母親に代わって歌と踊りを披露するシーンから始まりますが、こちらは東ロンドン、ホワイトチャペ ルにある世界最古のミュージック・ホールの一つ「Wilton's」が使われています。そしてその後、酔っぱらいの演技で大喝采を 浴びる舞台のシーンは、ハックニーにある「Hackney Empire」で撮影されています。
  • お母さんとのシーンは、どれも見ていて胸が痛くなってしまうなあ、しかし。
  • まだ少年の面影を残すチャップリンが、お母さんを精神病棟へと送り出す姿が悲痛ですよね……。チャップリンの実の娘が母親を演じているだけに、真に迫るものがあります。ちなみにこのシーンは、セント・パンクラス駅に併設の「St.Pancras Chambers」で撮影されていますね。
  • その後、舞台は米国に移りますが、後に凱旋帰国したチャップリンが英国民に拍手喝采で迎えられるシーンも、セント・パンクラス駅で撮られています。史実ではウォータールー駅だったらしいですけどね。

デカ長、物申す
映画の出来云々はさておき、波瀾の幼年期を過ごしたチャップリンが喜劇役者となる過程で、直感的に自分のスタイルを見つけ出していく場面に感動をおぼえたよ。ちなみに最初は「Charlie」というタイトルだったらしい。言うまでもなくチャップリンの身近な人が使っていた愛称だが、映画界では「Chaplin」の名で通っていたため後者になったそうだ。でも邦題は「チャーリー」なんだよね……。このあたり、ちと解釈の違いがあるような気がしてならないんだが。

 

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