第3回 英国の自然風景を美しく撮る
~露出の調節 (1)
仕上がりの写真が明るすぎたり暗すぎたりという失敗を防ぐためにも、撮影時には被写体(撮影する対象物)の色に気を使いましょう。簡単に言えば、全体に白っぽい物の割合が多いときには露出補正ダイアル(またはボタン)をプラス側に、逆に黒っぽい割合が多いときにはマイナス側に補正することによって、見た目に近い色に再現されます。プラス、マイナスの加減はカメラによって変わってきますので、段階を変えて2、3枚撮影してみるのもいいかもしれません。どの程度の補正具合が見た目に近いかという試行錯誤を繰り返すうちに、自分のカメラの特性が分かってくると思います。
今回はこの露出機能を応用し、自分のイメージに近い写真作りに挑戦してみましょう。露出の補正は、適度な明るさで写真を仕上げるために重要であるということに加えて、表現方法を変えたいときなどにも非常に役に立ちます。
写真2は、通常の露出からプラス方向に補正しています(このような写真をハイキーな写真と呼びます)。色を明るく補正することによって、全体の雰囲気が柔らかくなったり、透明感が出てきたりします。女性のポートレート撮影でよく使われる補正の方法でもあり、肌をもっと白く、柔らかく見せようと思ったときなどに役立つはずです。
写真1はカメラの自動露出で撮影したものです。写真2ではプラス方向に2/3補正しました。比べてみると、補正した2の写真の方がより葉の透明感が出ていて、日差しの明るさが表現されているのがお分かりいただけると思います。被写体を花やガラスにして透過光を強調したいときなどにも効果が出ます。明るさを変えて2、3枚写真を撮ることは少し面倒かもしれませんが、撮影後に見比べる楽しさも、また写真を撮ることの面白さの一つと言えるでしょう。
(写真1)カメラに表示された適正露出で撮影したもの
(写真2)適正露出からプラス2/3補正したもの。写真1に比べて透明感がより出ています
(写真3)適正露出よりもプラスに補正し、ハイキーな写真(露出オーバーになった写真の呼び方)にすることによって、柔らかい雰囲気を作ることができます。イングランド東部ハンスタントン州の海岸にて
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