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Fri, 20 December 2024

今すぐ英国を撮りに行こう
英国での思い出をより美しく残すための、ちょっとしたコツをご紹介します。

第7回 粒になった噴水の水
~シャッター・スピードと絞りの関係 (1)

「シャッター・スピード」と「絞り」は、露出(明るさ)を決める上で非常に重要な、互いに呼応し合う2つの要素です。「絞り」とはレンズが光を通す穴の大きさのことで、f値といわれます。この値は、1.4、2、 2.8、 4、5.6……といった数字で表されますが、数字が大きくなる程、レンズの穴は小さくなっていきます。

試しに両目の間5、6センチ前方に人差し指を立ててみてください。その人差し指にピントを合わしていくと、周りの風景がどんどんぼやけていきませんか。この状態が、「絞りが開いている」状態です。それからどんどん目を細めていってください、周りの景色にも焦点が合ってきませんか。これが「絞りが絞られている」状態です。しかしながら、目を細めていくということは目を閉じていくということですから、少し暗く見えにくい状態になるはずです。レンズにおいてもこれは同じで、絞りが大きく開かれている状態では明るく、小さく絞られていけば暗くなります。そして、絞りが絞られるのに応じて不足した光を取り入れ、補うために、シャッター・スピードは遅くなっていくのです。

今回の撮影では、シャッター・スピードに焦点を絞っています。写真1では、レンズの絞りを開いて明るく設定し、シャッター・スピードを速くしました。水滴の一粒一粒が浮き上がり、水の動きが止まったかのようです。写真2では絞りを絞ることで暗い状態になるため、シャッター・スピードは遅くなります。水の流れは粒から線のように変化しました。写真3では風の強い日に花を撮影。シャッター・スピードを遅くすることで、花に動きを出してみました。


(写真1) キュー・ガーデンにて:
ISO感度100/f値5.6/シャッター・スピード1/500秒


(写真2) ISO感度100/f値32/シャッター・スピード1/15秒


(写真3) ISO感度100/f値32/シャッター・スピード1/4秒


 

前川 紀子: 滋賀県出身、1998年よりフリーランスに。以後フード専門カメラマンとして食の専門誌やレシピ本を中心に仕事をする。2007年に渡英、08年よりロンドン在住。
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