第7回 粒になった噴水の水
~シャッター・スピードと絞りの関係 (1)
「シャッター・スピード」と「絞り」は、露出(明るさ)を決める上で非常に重要な、互いに呼応し合う2つの要素です。「絞り」とはレンズが光を通す穴の大きさのことで、f値といわれます。この値は、1.4、2、 2.8、 4、5.6……といった数字で表されますが、数字が大きくなる程、レンズの穴は小さくなっていきます。
試しに両目の間5、6センチ前方に人差し指を立ててみてください。その人差し指にピントを合わしていくと、周りの風景がどんどんぼやけていきませんか。この状態が、「絞りが開いている」状態です。それからどんどん目を細めていってください、周りの景色にも焦点が合ってきませんか。これが「絞りが絞られている」状態です。しかしながら、目を細めていくということは目を閉じていくということですから、少し暗く見えにくい状態になるはずです。レンズにおいてもこれは同じで、絞りが大きく開かれている状態では明るく、小さく絞られていけば暗くなります。そして、絞りが絞られるのに応じて不足した光を取り入れ、補うために、シャッター・スピードは遅くなっていくのです。
今回の撮影では、シャッター・スピードに焦点を絞っています。写真1では、レンズの絞りを開いて明るく設定し、シャッター・スピードを速くしました。水滴の一粒一粒が浮き上がり、水の動きが止まったかのようです。写真2では絞りを絞ることで暗い状態になるため、シャッター・スピードは遅くなります。水の流れは粒から線のように変化しました。写真3では風の強い日に花を撮影。シャッター・スピードを遅くすることで、花に動きを出してみました。
(写真1) キュー・ガーデンにて:
ISO感度100/f値5.6/シャッター・スピード1/500秒
(写真2) ISO感度100/f値32/シャッター・スピード1/15秒
(写真3) ISO感度100/f値32/シャッター・スピード1/4秒
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