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Tue, 19 November 2024

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第18回 際立ってくる花の表情
~「接写」について

今回は、「接写撮影」についてお話してみましょう。コンパクト・カメラには、撮影モードの一つに、チューリップの絵などが描かれた「接写モード」というものがあります。これは花や昆虫などの小さいものを撮影する際、被写体に相当接近してもピントが合うよう設定されている機能です。しかし一眼レフ・カメラの場合、接写撮影に適した「マクロ・レンズ」を使用しなければ、被写体に接近して撮影することはできません。レンズは、構造上の理由で被写体に近付ける距離が決まっており、それ以上に接近するとピントが合わなくなるのです。

写真1は標準レンズで撮影していますが、このレンズではこれ以上近付いて撮影することができません。しかしマクロ・レンズに交換すると、ぐっと被写体に近付くことができます(写真2)。マクロ・レンズを使用することで花の表面の質感を捉えることができ、普段生活している時には見えてこない「ミクロな世界」を表現することができます。写真3は、背景を黒くした応用編です。背景色を変えるだけで、同じ被写体でも随分と表情が変わってこないでしょうか。

花に寄ってくるチョウやミツバチ、テントウムシなどをクローズ・アップしたり、朝露がついた花びらなどを細かなディティールまで写真に収めたりする時などに、マクロ・レンズはとても重宝します。


(写真1) 50mmの標準レンズ使用/f値16
ピントが合うのはこの距離が限界
(写真2) 55mmのマクロ・レンズ使用/f値16
写真1に比べて、被写体にかなり接近できる。近付くことによって、質感が際立ってくる


(写真3) 55mmのマクロ・レンズ使用/f値16
背景を黒くし、被写体の色を際立たせた例。
背景の色を変えるだけで、同じ被写体でも随分とその表情が変わってくる


 

前川 紀子: 滋賀県出身、1998年よりフリーランスに。以後フード専門カメラマンとして食の専門誌やレシピ本を中心に仕事をする。2007年に渡英、08年よりロンドン在住。
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