第45回 クリアになるライン
〜「ピクセル(画素)」と「解像度」を知る~
今回は、デジタル画像を扱う際に耳にすることの多い、「ピクセル(画素)」と「解像度」についてご説明しましょう。
デジタル・カメラのメニューにある「撮影サイズ」に使われる単位は、「ピクセル」と呼ばれ、この数が多いほど「解像度」が高く、プリントした場合に精度の高い仕上がりが期待できます。
解像度には「dpi」という単位が使われますが、これは「dots per inch」の略で、つまり1インチ角の中に、どれだけの点があるかを示します(「ppi(pixel per inch)」とも呼ばれます)。
例に挙げた写真1は、70dpiとかなり低解像度の写真です。その一部を拡大してみると(写真2)、画像がぼやけているのが明確です。実はデジタル画像は、それぞれに異なる色の小さな四角形の粒によって構成されています。この単体を「ピクセル」と呼び、70dpiの写真の場合、1インチ角の中に70個のピクセルが存在するのです。解像度が高くなれば(写真3)、1インチ角内のピクセル数が増えることにより単体の大きさが小さくなりますので、ピクセルの境界線が滑らかになり、被写体を形作るラインはクリアになります(写真4)。
プリントをする際には、一般的に300dpi以上の解像度が適していると言われています。前回(本コラム第44回)、例えば六つ切り(8×10インチ)サイズのプリントを作りたいときは、2400×3000ピクセルという撮影サイズが必要だとお話ししましたが、これはつまり、「写真の縦の長さ×解像度」×「写真の横の長さ×解像度」が必要だということです(「8インチ×300dpi」×「10インチ×300dpi」=2400×3000ピクセル)。そして逆に、撮影サイズからその解像度を知りたい場合には、縦・横のピクセル数を、希望するプリント・サイズの縦・横のインチ数で割ればいいのです。
若干細かい作業ですが、失敗することなく美しいプリントを作成するために、ぜひトライしてみてください。
(写真1)
解像度70dpiの画像
(写真2)
写真1の一部を拡大したもの。ピクセルが大きいため、
画像が荒い
(写真3)
プリントに適した解像度350dpiの画像
(写真4)
写真3の一部を拡大したもの。写真2に比べラインは滑らかで、
色のグラデーションが豊かになる
< 前 | 次 > |
---|