ガガの前にガガありき 御年64、フラフープで祝ジュビリー
今月、エリザベス女王即位60周年記念式典の一環として催された「ダイヤモンド・ジュビリー・コンサート」で、ポール・マッカートニーやシャーリー・バッシー、エルトン・ジョン、スティービー・ワンダーらベテラン勢に交じって出演した歌手シェリル・コール(28)と、彼女のマネージャーでありブラック・アイド・ピーズの要、ウィル・アイ・アム(37)。なんともはや、前者はゲイリー・バーロウ(41)とのバラードで、調子っぱずれの蚊の鳴くような声というかノイズを出すわ、後者は後者で声量全くなし、ヘタなカラオケを聴かされているようで聴いてるこっちがいたたまれなくなるわ……。「Xファクター」に「ボイス」と、2人ともよくこれでテレビのオーディション番組の審査員を務められたもんだ。
それにひきかえ、大御所グレース・ジョーンズのド迫力パフォーマンスといったら! 頭に真っ赤なヘラ型の被りものを着け、腿の付け根からむき出しの脚をオイルでピッカピカにさせた彼女が、フラフープしながら(!!!!)、 揺るぎない音程の野太い声でファンキーな80年代ヒット曲「スレイヴ・トゥ・ザ・リズム」を、まさにリズムの奴隷になったごとく披露。なぜフラフープ? の疑問はこの際不要。しかし、これで還暦すぎた64歳。タダのキワモノと思っていたら、タダものではなかった。
ジャマイカで生まれ、16歳で家族ともども、米国に移住。ファッション・モデルとして活躍し、アンディ・ウォーホルの描く肖像画にもなったジョーンズ。歌手業に進出し、また、女優として映画「007 美しき獲物たち」などにも出演。すべてが規格外に長い類まれなる肉体美と奇抜なファッションからくるインパクトは、ジェンダーを超越したアンドロギュノス的魅力を持つ。かつてレディー・ガガを「自分のモノマネ」と批判したのも納得、ビフォア・ガガに強力ガガがいた!!