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Fri, 20 December 2024

メイド・イン・ブリテン Made in Britain 英国ブランドの物語

#44 使うほど味が出るウォッチキャップ

The Watchcap Navy Corduroy

ヤーマス・オイルスキンズ / ザ・ウォッチキャップ・ネービー・コーデュロイ
Yarmouth Oilskins / The Watchcap Navy Corduroy

£70
https://yarmouthoilskins.com

英国の魚料理といえば、フィッシュ&チップスが1番に挙げられるだろう。タラ(Cod)やコダラ(Haddock)など、カラッと揚げられたサクサクの衣に白身魚のフワフワの食感は英国人のソウル・フードであるだけでなく、1度英国に来ることがあればマストで食べたい料理の一つだ。このほかにも現在の英国ではさまざまな魚が食べられているが、数十年前までニシン(Herring)が主要の魚として食べられていたことはあまり知られていない。

英東部ノーフォークのグレート・ヤーマス(Great Yarmouth)はかつてニシン産業で大いに栄えた街。ここを拠点に11〜14世紀にかけて、国内にニシンが広まり、国王から農民まで親しんだという。当時の英国の燻製技術は、ニシンがより多く食されたオランダなどの近隣諸国よりはるかに優れており、やがてニシンは英国の貿易における重要な輸出品となっていった。20世紀には燻製に加え塩漬けニシンも加工するようになり、ドイツやロシアへの輸出品としてグレート・ヤーマスのニシン産業はさらに発展した。しかし、度重なる世界大戦の影響で漁業における新たな規制が生まれ、次第にニシン産業は衰退の道をたどることとなる。

今回は、かつてニシンで英国人の食卓を支えたグレート・ヤーマス発の丈夫な衣類ブランド、ヤーマス・オイルスキンズを紹介したい。1898年創業の同社は、時代に合わせたデザインを取り入れながらも、ほとんどの商品を当時の製法、同じ工場で現在まで作り続けている。商品のコンセプトは「長持ちすること」。お抱えの職人が最高品質で作り上げた同社の商品はとにかく丈夫で、使えば使うほど味が出て愛着が湧く仕様なのが特徴だ。

ジャケットやスモックなど数々のアイテムがあるが、このウォッチキャップは実用性、デザイン性に優れた看板商品の一つ。コットン100パーセントの丈夫な仕様で、断熱性に優れており、激しい風雨から頭を守れるようぴったりとフィットする。アジャスターが付いているので、サイズ調整ができるところも良い。また、汚れた際は簡単に洗うことができると同時に、風合いも増すという二重にうれしいアイテムだ。時間をかけて使い込み、セルフ・ヴィンテージとしてじっくり育てていきたい。

 

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