伝記
Keats: A Brief Life in Nine Poems and One Epitaph
著者:ルカスタ· ミラー
「若くして死んだ感受性の強い悲劇の詩人」という、神話のようなイメージが先行しがちなジョン· キーツの本来の姿を、最も人気の高い9篇の詩とその詳細な制作背景からひもといていく伝記。
著者のルカスタ· ミラーは、キーツの短くも独自の物語に彩られた一生を下敷きに、どのようにキーツが詩を作り、なぜそれが今も独創性を保持し、世代を超えて私たちに語りかけるのかを丁寧に説明していく。当時の保守的な時代の風潮にあって、いかにキーツがリベラルな気質を保ち、生の一瞬一瞬を喜び慈しんだ人間であるかなど、作品だけではなくキーツ本人の魅力が十分に語られた1冊だ。
ルカスタ· ミラーは「インディペンデント」紙、「ガーディアン」紙、「エコノミスト」誌などの文芸セクションを担当するジャーナリストで、作家でもある。近著には19世紀の英詩人レティシア· エリザベス· ランドンを描いた「L.E.L.: The Lost Life and Mysterious Death of theFemale Byron」がある。