日本に負けないくらい寒い欧州の冬。ならば「食べて体を内側から温めよう」ということで、新年1号目は食べることが大好きなダイジェストの各国編集部が、現地ならではのあったか料理をご紹介します。あったか料理を極めた偉人の物語から、新年のパーティーにぴったりの欧州各地あったかレシピの紹介、そして懐かしき日本各地の鍋一覧まで総ざらい。ホカホカになるまでたっぷりとご堪能ください。(本誌各国編集部)
肉食文化の欧州では、焼いたり、あぶったり、ぐつぐつと煮込んだりして作る料理に関するエピソードに事欠かない。歴史に名を残してきた偉人たちにまつわるものはその中でも最たるものであり、ある者は独自レシピを編纂し、ある者は料理そのものに自身の名を残し、またある者は調理を終えた後、その命を絶った。ここでは、あったか料理を愛したそんな偉人たちの物語を追う。
「大食漢」と呼ばれたイングランド王 |
リチャード2世 (1367~1400) |
英国の「あったか料理を愛する人」代表は、14世紀のイングランドを支配したリチャード2世。彼は下層階級から莫大な税金を徴収する一方、自身は華麗な服装に身を包み道化師と戯れながら、毎晩のように1万人に及ぶゲストを招待して宴を催す、中世における典型的なお祭り好きの王として知られていた。当時英国で一番のグルメでもあった彼は、宮殿内に2000人もの料理人を雇用。後の歴史家からは「キリスト教圏にある王の中では、歴史上一番の大食漢」と呼ばれるほどだった。
そんな彼が最も愛したメニューの1つが、「ハーブとニンニクを使ったハトのシチュー」と題されたあったか料理。205種類に及ぶ王家レシピを彼自身が編纂した英国史上初の料理本には、この料理について以下のような記述がある。「まずはパセリ、タイム、ニンニクをハト肉にまぶす。そして脂分を落としてハト肉をこんがりと焼く。ハト肉をお鍋に移してショウガ、酢と砂糖を混ぜてゆで上げる。ハト肉を取り出し残りの湯にサフランを入れてぐつぐつと煮込み、パン粉をまぶしたら特製スープの出来上がり。ふた切れのトーストされたパンを添えれば、おかず要らずの完璧なスープである」。
ちなみにリチャード2世は1399年、敵対する各地諸侯たちによって構成された反乱軍に捕らえられ、身柄を各地に移され拷問を受けた後に最後は餓死してしま う。「歴史上一番の大食漢」であった王としては、何とも皮肉な運命と言っていいだろう。
あったか料理を残し命を絶った宮廷料理人 |
フランソワ・ヴァテール (1631~1671) |
1671年4月、太陽王ルイ14 世が隆盛を極めるフランス。重職から外された年老いた英雄コンデ大公は、国王に再び取り入ろうとシャンテ ィイ城において後世に伝わる 3日3晩の饗宴を開いた。この時ヴァテールは、料理人としてコンデ公に仕えていた。
フランス代表ヴァテールを一躍有名にしたエピソードが、2日目の料理でヴァテールを天才と絶賛した国王がコンデ公とヴァテールを賭けたトランプ・ゲームだった。ゲームに勝った国王は、彼をヴェルサイユの宮廷料理人として召し抱えることに成功する。しかし、ヴァテールは忠誠を誓ったコンデ大公に我が身を売られたことを深く悲しみ、さらには晩餐のメイン料理であった鶏のローストがテーブル2つ分足りないという予想外の出来事に打ちひしがれることになる。極めつけは宴3日目の朝、晩餐の材料となる魚が届かない。理想としていた完璧な料理を出せないことに絶望し自らの運命を決意、シャンティイ城の自室にて自害して果ててしまう。程なくして魚が届いたことを知らずして……。
彼の最後を飾った宴で出されたあったか料理が、鶏のローストだった。フランスでは一般的に、1Lの水にタイム、セージ、ローズマリー、ベイリーフを入れ水から煮出す。最後に多目の塩を加え、火を止めて十分に冷まし、そのマリネ液に鶏丸ごと1羽とスライスしたニンニクを漬け込むこと1時間。それを180度のオーブンで約1時間焼く。300年前の宴に思いを馳せて味わって見るのも一興か。
写真)映画「ヴァテール」で宮廷料理人ヴァテールを演じたフランスの 俳優ジェラール・ドパルデュー。
あったか料理に名を刻む鉄血宰相 |
オットー・フォン・ビスマルク (1815~1898) |
ドイツ代表は19世紀に統一ドイツ初代の首相であり、鉄血宰相として世界史の教科書などでもすっかりお馴染みのオットー・フォン・ビスマルク。いかめしい顔付きからはなかなか想像がつきにくいが、かなりの美食家だったようだ。朝夕食はそれぞれ5品のフルコース・メニューで、朝食には卵16個、夕食には生牡蠣を一度に175個も食べ、「軽い」昼食でもキャビアや燻製うなぎをメインに食べていたというから、64歳で体重124キロを超え、医者から厳しいダイエット を申し渡されたというのも無理はなかろう。
その美食ぶりを象徴するかのようにビスマルク・ニシン(Bismarck-Heringe)など500以上の料理にビスマルクの名前が冠されているが、その内の1つにビスマルク・ラグー*(Bismarck-Ragout)がある。角切りにした牛、豚、羊肉をセロリやジャガイモ、タマネギ、キャベツといった野菜や牛の骨髄をタイムなどのハーブや塩コショウで味付けし、約2時間近く煮てアツアツを楽しむシチューは、元来バイエルン州に伝わる典型的な農夫の料理。だがビスマルクが長い闘病生活後にこのシチューを嬉々として平らげたことから、この名前で呼ばれるようになった。
戦争に明け暮れ、ストレスの多い政界に身を置き、美食を重ねつつも83歳まで生きたビスマルク。栄養バランスの取れたこのシチューなくしては、平均寿命50 歳の当時にこのような長命ぶりを発揮することは難しかったかもしれない。
*ラグーとは、数種類の野菜や肉を強い香辛料入りのソースで煮込んだフランス風のシチューのこと
じっくり時間をかけるほどおいしい
オックステイル・シチュー Oxtail Stew
オックステイルとは、その名のとおり牛の尾のこと。以前は雄牛のみを指していましたが、現在は性別を問わず、子牛を含む牛全般の尾肉を意味します。オックステイルは牛肉よりも安く手に入るため、昔は生活に苦しむ人々の胃袋を満たすものでした。しかし最近、コラーゲン(ゼラチン質)や筋肉の繊維質などを多く含むその栄養価の高さや、豊富な脂肪分から抽出される香り高いストックなどが注目され、再び人気のメニューとなっています。調理法としては、肉自体が非常に硬いため、スープやシチューなどのロング&スロークックが最適。英国の長く寒い夜、身体を芯から温めてくれるウインター・ミールの一品です。
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オーブンを170度に温め、オックステイルに軽く塩コショウをふっておく。ダッチ・オーブン(鋳鉄製の鍋)に油を熱し、オックステイルを入れ、肉の全体に焼き色をつける。タマネギの1/4を加え、透明になるまで炒める。 | |
別の鍋にスープ・ストック、赤ワイン、水を温め、これをオックステイルの鍋に加える。塩コショウを加え、中火で周りがぐつぐつとなるまで煮込む。 | |
鍋にしっかりと蓋をして、オーブンに入れる。3時間後、一旦オーブンから取り出し、残りのタマネギ、野菜、レーズン、トマトピューレ、ニンニク、タイム、ローリエを加え、よくかき混ぜてオーブンに戻し、さらに1時間煮込む。 | |
オーブンから取り出し、2、3分おいて、表面に浮いてきたあくを取り除く。 |
旬の味覚を楽しもう
ポットロースト・パートリッジの
サヴォイ・キャベツ添え
Roast Partridge with Cabbage
英国で人気の狩猟鳥のひとつ、パートリッジ(ヤマウズラ)。パートリッジには英国原産のグレイ・レッグと17世紀にフランスから持ち込まれたレッド・レッグの2種類があり、小さいながらも独特の味と香りを持つグレイ・レッグの方が好まれています。脂肪分が少ないので、ロースト(特に若い鳥)、シチューまたは蒸し煮などに最適。一旦炒めてその味と肉質を引き締めてから鍋でローストするので、このレシピはマッシュド・ポテトやゆでポテトが付け合わせとしてよく合います。ただパートリッジ自体はそれほど大きな鳥ではないので、ひとり頭で1羽を用意しましょう。
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オーブンを160度程度に温めておく。鍋にオリーブ・オイルを熱し、パートリッジの表面全体の色が変わるまで炒める。 | |
パートリッジを鍋から取り出し、同じ鍋でベーコンを炒める。さらにバター、エシャロット、ニンニク、ニンジン、ローリエを加え、野菜がしんなりするまで中火で炒める。 | |
パートリッジを鍋に戻し、ストック、塩小さじ1、黒コショウをたっぷりと加える。鍋にふたをしてからオーブンに入れ、20~30分煮込む。その間に、 別の鍋に塩を少々入れたお湯を沸騰させ、キャベツ を入れ2~3分ゆで、流水にさらしておく。 | |
オーブンから鍋を出し、パートリッジを鍋から取り出して、温かい場所に置いておく。鍋にキャベツと栗を加え、出汁を1~2回上からかけ、キャベツに完全に火が通るまで5分ほど直火で煮込む。キャベ ツ、野菜を皿に盛り、その上にパートリッジを乗せて出来上がり。 |
ワイン風味豊かな鶏肉料理
コック・オ・ヴァン coq au vin
コック・オ・ヴァンとは直訳すると「雄鶏のワイン」、つまりワイン仕立ての鶏肉料理のこと。赤ワイン(黄ワインの場合もある)とキノコを使っていることが特徴です。料理名の通り肉のコクと獣肉に近い触感がある雄鶏を使うのが理想ですが、入手困難な為、今回雄鶏は肉屋でも手に入るブレス産の鶏を使います。ブレス産の鶏は唯一産地統制(AOC)に従った飼育法を実地しており、十分に屋外で運動させるので筋肉が発達して肉の色ツヤ、風味が絶品です。圧力鍋で調理すると効率が良いのですが、出来上がった後にふたを外して弱火でさらに30分ほど煮込むとソースの味わいが深くなります。付け合わせにはローストしたポテトかパスタが合います。
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まずは材料を下ごしらえ。ニンジン、タマネギ、マッシュルームは食感が残るようザックリと切る。8つに切り分けた鶏肉は塩コショウをかけて小麦粉をまぶす。 | |
細かく刻んだニンニク少々とバターを熱し、小麦粉をまぶした鶏肉の表面を焼き、焦げ目をつける。ローリエの葉も同時に炒めるとなお良い。 | |
ラルドンを刻んだニンニクと一緒にバターで炒め、下ごしらえした材料を合わせて軽く炒める。この時、あくまでも馴染ませる程度に軽く。その後②の鶏肉とローリエを合わせて赤ワイン1Lとワインビネガー20ccを注ぎ、圧力釜では20分、厚手の鍋なら1時間30分じっくりと煮込む。出来上がったら必ず火を止め一度冷ますこと。そうすることで食材の中にソースが滲み込み、うまみが増す。 |
「酸っぱいキャベツ」の煮込み料理
シュークルート Choucroute
シュクルートの語源はドイツ語の「Sürkrüt」から来ており、意味は「酸っぱいキャベツ」。一般に知られるレシピでは白ワインで煮込みますが、酸味が弱くしっかりした味わいに仕上がるビールで煮込む方法を今回は御紹介します。ポイントは豚肉の塩抜きをしっかり行うことと、シンプルな料理だけに素材の持ち味を生かした控えめの味付けにすること。キャベツは本来じっくりと発酵させるのですが、家庭料理では時間がかかりすぎるので、市販の缶詰か、お総菜屋さんで量り売りの物を購入するとお手軽。あとは材料をすべて合わせてコトコト煮るだけ、東フランスの家庭風にジャガイモを一緒に煮付けることで全体に味が染み渡りさらに食が進むこと請け合いです。
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まずはプティ・サレの下準備。豚肉を一昼夜真水に浸して塩抜きする。 | |
缶詰めのシュークルートとローリエ、丁子を刺したタマネギを鍋に空け、ビールを注いで加熱する。 | |
皮をむいたジャガイモとプティ・サレ、ソーセージ、ラルドンを入れる。ふたをして中火で2時間ほど煮て、すべての食材に十分に火が通れば出来上がり。粒マスタードと共にいただく。 |
体の芯から温まるポテト・グラタン
カルトッフェルアウフラウフ Kartoffelauflauf
ドイツ料理と言えば、やっぱりジャガイモとソーセージ。でも実はドイツの1人当たりのじゃがいも消費量は、東欧諸国の半分、英国と比べても6割程度なのです。しかし、季節や庶民の生活に根付いた料理の多様性ということでは、さすがドイツ。夏は酸味の効いたサラダ、冬は風物詩でもある、芋をすって焼くライベクーヘンがあります。付け合わせにしても、ゆでる、炒める、揚げるはもちろん、パンケーキ風、テニスボール大の団子など枚挙にいとまがありません。そして、寒い冬のおすすめメニューが、今回ご紹介するカルトッフェルアウフラウフ。体の芯から温まるホクホクのグラタンです。
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まずは下準備。オーブンを200度に温め、耐熱皿にバターを塗り、底にチーズを少量敷く。ニンニクはつぶしておく。写真のようなニンニクおろし器がない場合は、細かく刻むか、スライスにしてもよい。 | |
皮をむき、3ミリ厚に切ったジャガイモを並べる。ジャガイモの各層に、つぶしたニンニクとチーズをちらす。 | |
ジャガイモを並べ終わったら(3~4段)、一番上に残りのチーズとベーコン・ビッツを乗せる。そして、牛乳と生クリームと塩コショウを混ぜたものを上からひたひたになるようかけ、オーブンへ。 | |
待つこと約45分。溶けたチーズに焼き色がついたら表面をアルミホイルで覆い、さらに20分で出来上がり。熱いうちに食卓へ。 |
隠して食べた水餃子
マウルタッシェン Maultaschen
南西部シュワーベン地方の料理でこんな言い伝えがあります。「昔々、戦争が続き、食べるものも着るものもない厳しい冬。修道院の猟師が幸運にも森で1匹の野獣を仕留めました。これは神様からの贈り物に違いない。猟師は喜びました。しかし、折しも断食の季節。カーニバルの後から復活祭までの40日間、ドイツでは粗食に努め、ご馳走を食べてはいけないことになっています。どうしたものかと悩んだ猟師は、小麦粉の生地の中に肉を隠して食べることを思いつきました……」ドイツのスーパーではレトルトでも売っているけれど、手作りの味は格別。寒くて外で遊べない子供たちとわいわい言いながら作ると楽しい料理です。ひき肉の代わりに、細かく刻んだほうれん草を入れたり、余りものを活用したりしてもおいしく出来上がります。
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まず生地作り。卵、酢、塩、水を混ぜ合わせ、小麦粉を加えてこねる。まとまったらラップでふたをし、30分寝かせておく。 | |
その間にフィリングの準備を。タマネギ、マッシュルーム、ランドイェーガーはみじん切りにし、タマネギとマッシュルームはバターで炒める。冷めたら残りの材料を加えてよくこね合わせる。 | |
生地を薄く伸ばし、お椀などで丸く型抜きする。12×12cmくらいの四角に切り分けてもOK。中央にフィリングを乗せ、半分にたたむ。合わせ目は水をつけて閉じ、フォークでしっかり押さえつける。 | |
湯を沸かし、ブイヨンを溶いたものの中に、③で出来たマウルタッシェンを入れて10分間ゆでる。器に盛り、仕上げにパセリを散らして出来上がり。 |
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「お鍋を食べる 日本人が好き」
クレイグ・ウィットニーさん (ロンドン在住)
まだ日本で英語教師として働き出したばかりで、すべての出来事を新鮮で刺激的に感じていた頃に、英語学校のスタッフ一同揃っての鍋パーティーが開催されたんです。その時に日本の鍋料理を初体験したのですが、とても寒い季節に子供のように皆一緒になって、しかもあんなに楽しそうに料理を食べる日本人ってなんて素敵なんだろうって思ったんですよね。
「鍋の親善大使を しています」
ゼビア・セルナンデスさん (ロンドン在住)
日本の鍋料理については、日本に行く前に旅行ガイドブックで勉強しました。日本に着いて間もなくして、知り合いの家で念願のちゃんこ鍋を初めて食べたのです。あんなに社交的な料理ってなかなかないですよね。英国に戻ってからは、鍋の親善大使となって、日本には「NABE」という身も心も温まる、冬のシチューがあるんだって宣伝しているんです。
「猫舌の私には不利」
ヴォルフガンク・ズルゲスさん
(デュッセルドルフ在住)
ガスコンロを使って室内で火を使うことについて安全性の面で気になったこともありましたが、暖房設備が整っていない日本の冬に体を温めるには鍋料理が一番ですね。色々な具材が入っている栄養満点のこの料理は、日本文化が誇るものの1つではないでしょうか。ただ私は猫舌なので、冷ましている間に他の人に大好きな具(すき焼きの肉)をどんどん取られてしまうのが悔しいです。
「準備が簡単だかららくちん」
イングリット・シューレンベルクさん
(ヘンネフ在住)
主婦にとって鍋料理の良いところは、具材を切って並べておくだけという簡単な準備だけで済むという点ですね。きっと皆で料理を作りながら食べるところに鍋料理の楽しさがあるからでしょう。あとはそれぞれの家庭に「鍋奉行」がいて、味付けから、どのタイミングで食べるのかまで仕切ってくれるという点も面白い。西洋では滅多に見られない食文化だと思います。
「家族で鍋をつついた思い出」
オリビエ・ドランさん (パリ在住)
僕は母親が日本人なので、日本食はフレンチ以上になじみ深い食物です。中でもやはり、冬になるといつも思い出すのが日本の鍋料理。一番印象に残っているのは、すき焼きとしゃぶしゃぶですね。すき焼きは豪華な鍋料理だし、家族一緒に鍋を囲んでつっついた思い出があります。しゃぶしゃぶはフランスにはないポン酢やごまだれを使って食べたのが印象に残っています。
「おでんだけは特別」
マリ・エスピタリエさん (パリ在住)
私は日本食が大好きで、梅干し、梅酒、そして鍋料理に目がありません。何度か夫と一緒に日本に行っていますし、フランスでもたまに日本食を食べに行きます。数ある日本の鍋料理の中でも一番思い出に残っているのはおでんですね。他にも様々な鍋料理を食べましたが、日本にしかない食材で作られているおでんは特別。非常に新鮮な食体験として記憶しています。
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おでん ご存じ冬定番の煮物料理。室町時代に出現した田楽と呼ばれる食物が原型で、この「田楽」の「でん」に「お」が付けられて「おでん」との呼称が定着した。関西では「関東炊き」ともいう。 |
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しゃぶしゃぶ 中国大陸で元々は羊肉を使った料理だったが、日本人向けに牛肉をつかうようになり現在の形になった。ちなみに、「しゃぶしゃぶ」という名称は1952年に大阪の「スエヒロ」が命名した物。 |
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常夜鍋 昆布と日本酒が入った出汁がおいしい鍋料理。毎晩続けて食べても飽きない、という意味を込めてこの名がつけられた。 写真提供: www.mizkan.co.jp |
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すきやき すき焼きの語源は、鍋の代わりに農具の鋤(すき)の金属部分の上を火にかけ、肴や豆腐を焼いて食べたことに端を発しているという。後に現代のような鍋物に姿を変えた。 |
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ちゃんこ鍋 明治時代に考案された、大相撲の力士が食べる鍋料理。特定の味付けはないが、味噌仕立てや塩などが定番。最近はカレーやキムチ味なども人気らしい。 写真提供: www.nagatanien.co.jp |
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水炊き 昆布や鶏などの出し汁を入れた鍋で野菜や魚介類、豆腐などを煮こんだ鍋物。ぽん酢やたれにつけて食べるのが常。締めはごはんやうどんを入れて、最後の一滴まで味わい尽くす。写真提供: kitchenhime.blog21.fc2.com |
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寄せ鍋 出し汁に野菜や魚介類など様々な具材を入 れて煮込む。地方ごと、家庭ごとに味付け や材料が異なり、自由な発想で味のハーモ ニーを楽しむことができる。写真提供: www.amitatsu.jp |
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