ニュースダイジェストのグリーティング・カード
Fri, 22 November 2024

日が長く、夜遅くまで出歩けるのが嬉しい英国の夏。前回、特集した地方サマー・フェスティバルに行く時間がない、またはちょっと腰が重いという人もロンドンで開かれるイベントなら気軽に出掛けられるはず。お馴染みの観光名所や公園が豪華なステージと化すロンドンのサマー・フェスは、芸術の街にいることを最も強く感じる瞬間かもしれない。人気アーティストの出演が多いため、チケットが完売してしまうことも。事前にじっくり計画を立てて思い出に残る夏にしよう!(伊澤理江、長田拓也)

万人に最上級の音楽を届け続ける
BBC Proms

ロンドンの短い夏を惜しむ様に、連日続く「プロムス」ことプロムナード・コンサート。その最大の特徴は自由席(プロム)の充実にある。ドレスコード無しで飲食もOK。ロンドンの音楽専用ホール、クイーンズ・ホールの館長を務めていたポール・ニューマン氏が「肩肘張らないコンサートで毎夜、公衆の耳を鍛える」と一念発起し、1895年8月10日に初公演にこぎつけた。それ以来、空襲による移転など紆余曲折を経ながらも毎年開催されている。今年のテーマは「シェークスピアと音楽」。

◆ ◆ オススメ・イベント ◆ ◆

Prom34: Bach Collegium Japan(バッハ・コレギウム・ジャパン)
世界の第一線で活躍する日本のスペシャリスト集団、バッハ・コレギウム・ジャパンを、音楽監督として同集団を率いる鈴木雅明が指揮する。オリジナル楽器のオーケストラと、透明で劇的な表現力が特徴の合唱団が、魅惑的で変化に富んだバッハ作曲の教会カンタータを奏でる。
8月7日(火)22:00~23:15 £5~15。

Prom64: San Francisco Symphony (サンフランシスコ交響楽団)
ピュリッツァー賞受賞の米国西海岸の異端児集団、サンフランシスコ交響楽団を鬼才マイケル・T・トーマスがまとめ上げる。米国を代表するソプラノ歌手デボラ・ヴォイトが、復讐に燃え性に乱れたサロメを演じるのも見どころ。
9月1日(土)18:30~20:35 £5~42。

The Last Night (ザ・ラスト・ナイト)
約2カ月にわたり繰り広げられるプロムス最後の夜、最高の盛り上がりをみせ、ロンドンに夏の終わりを告げるのがザ・ラスト・ナイト。「これぞ英国」という内容でヒューバート・パリーの「エルサレム」英国国歌など愛国的な演目が続く。
9月8日(土)19:30~22:40£5~80。

◆ ◆ その他のオススメ ◆ ◆

The First Night of the Proms (ザ・ファースト・ナイト)
「早く行きたい」という人は初日公演。ウォルトンの序曲「ポーツマス・ポイント」に始まりエルガーのチェロ協奏曲へと続く。
7月13日(金)19:30~21:50£5~34

Prom15: GlyndebourneFestival Opera (グラインドボーン・フェスティバル・オペラ)
グラインドボーン音楽祭の新作、シェークスピア原作のオペラ「マクベス」がプロムスに登場。
7月24日(火)19:00~22:00£5~42

Prom41: BBC Scottish Symphony Orchestra (BBCスコティッシュ交響楽団)
ジャズ・ピアニストのマーカス・ロバーツが、ガーシュウィンの「ラプソディー・イン・ブルー」を即興でミックスする。
8月14日(火)19:30~21:25 £5~25

Prom58: An Evening withMichael Ball (マイケル・ボール)
伝統あるプロムスに初のミュージカル俳優出演ということで物議を醸した注目の一夜。ミュージカル界の第一人者、マイケル・ボールが舞台の人気ナンバーを歌う。
8月27日(月)20:00~22:00£5~25

Prom68: ViennaPhilharmonic Orchestra (ウィーン・フィルハーモニック管弦楽団)
東欧のフォーク・ソングに影響を受けた曲が続く。中東和平への貢献が評価されるダニエル・ダレンボイムのタクトにも注目だ。
9月4日(火)19:30~21:20£5~42

開催日時: 7月13日(金)~9月8日(土)
開催場所: Royal Albert Hall, KensingtonGore, London SW7 2A
料金: 5ポンド~(5ポンド自由席で当日販売。料金は日によって異なる)
チケット購入方法:窓口、電話、郵送、インターネット(www.bbc.co.uk/proms
最寄駅: South Kensington駅か、High Street Kensington駅
Tel: 020 7589 8212 
URL: www.bbc.co.uk/proms

緑に包まれて心ゆくまで演劇を
Open Air Theatre Regent's Park

ロンドン市民の憩いの場、リージェンツ・パークの野外劇場で行われ、昨年は14万人という記録的な観客数を動員した毎年恒例の人気イベント。1932年に始まり、常設の野外劇場としては英国で最も古い。シェークスピアの演劇で知られるほか、ミュージカルや子供向け演劇など大人から子供まで楽しめる。今年のシェークスピア劇は、スコットランドが舞台の「マクベス」と妖精と人間のトラブルを愉快に描いた「真夏の夜の夢」。

◆ ◆ オススメ・イベント ◆ ◆

Macbeth (マクベス)
3人の魔女の予言と自分の妻の甘言に心動かされ、スコットランド王ダンカンを暗殺し、王位の座を奪ったマクベスは、その地位を失うまいと次々と犯罪を重ねてしまう。シェークスピア四大悲劇の1つ。
8月16日(木)までの不定期(詳細はウェブサイト参照)20:00~(日によって14:00開始もあり)£8~36。

The Midsummer Concert (ミッドサマー・コンサート)
BBC系のラジオ番組、「The Best of Jazz」の司会を務めるベテラン・ミュージシャン、ハンフリー・リッツテルトン。今年86歳を迎えるトランペット奏者の彼が自慢のジャズ・バンドを引き連れ軽快に演奏する。
6月23日(土)23:00~£19~38※チケットは、この日20:00から行われるシェークスピア劇「真夏の夜の夢」とセット価格でかなりお得(The Midsummer Concertのみの購入は不可)。

◆ ◆ その他のオススメ ◆ ◆

A Midsummer Night's Dream (真夏の夜の夢)
人間と妖精の思いがけない恋のトラブルを描いたシェークスピアの幻想喜劇。
8月17日(金)までの不定期(詳細はウェブサイト参照)20:00~£10~38

Ed Byrne
世界各地で人気のスタンダップ・コメディアン、エド・バーンが話題作「Standing Up & FallingDown」を披露。
6月17日(日)20:00~£16

Fantastic Mr Fox
「チャーリーとチョコレート工場」の作家として知られるロアルド・ダール原作の舞台。
7月31日(火)~8月25日(土)14:30~£12※公演日は不定期(詳細はウェブサイト参照)。

開催日時: 9月15日(土)まで
開催場所: The Regent's ParkLondon NW1 4NR
チケット購入方法: インターネット・公園内のBox Officeでも購入可
最寄駅: Baker Street駅
Tel: 0870 060 1811 
URL: www.openairtheatre.org

都会の喧騒を離れてのんびりと過ごす
Music on a Summer Evening

オードリー・エンド、バトル・アビー、マーブル・ヒルとロンドンにある有名な歴史的建造物の庭3カ所で行われる音楽イベント。優雅なクラシック音楽でフィナーレを飾る最終日には、それぞれの会場で、豪快に花火が打ち上げられる。音楽ドキュメンタリー映画がきっかけで、近年世界的に知られることとなったキューバ出身のミュージシャン、ブエナ・ビスタ・ソーシャル・クラブや英国R&Bを代表する2大シンガー、レマーとビバリー・ナイトの共演は見逃せない!
Tel: 0870 890 0146  
www.picnicconcerts.com

◆ ◆ オススメ・イベント ◆ ◆

The Music of Motown-Dancing inthe Streets
米国自動車工業の中心地、デトロイトを舞台にしたウエスト・エンドの人気ダンス・ショー。 7月7日(土)19:30~£25

BUENA VISTA SOCIAL CLUB TM
キューバ出身のブエナ・ビスタ・ソーシャル・クラブのメンバー4人が奏でるラテン・ミュージック。 7月21日(土)19:30~£29

開催日時: 7月7日(土)~8月5日(土)
開催場所: Audley End House オードリー・エンド・ハウス
Audley End House,Saffron Walden, EssexCB11 4JF
最寄駅: BR Audley End駅(Liverpool Street駅発) 所要時間約1時間。

Party! Battle Abbey
80年代を代表する人気アーティストらが登場し、バトル・アビーがダンス・パーティー会場へと変身。
8月25日(土)19:30~£29

Last Night of the Battle AbbeyProms
オーケストラの演奏と共に、世界的に有名な英国オペラ歌手、レスリー・ガレットがフィナーレを飾る。 8月26日(日)19:30~£24

開催日時: 8月25日(土)、26日(日)
開催場所: Battle Abbeyバトル・アビー
Battle Abbey,Battle,East SussexTN33 0AD
最寄駅: BR Battle駅(Waterloo駅発)。所要時間約1時間15分。

Lemar and Beverley Knight
新世代の英国R&Bを代表する2人、レマーとビバリー・ナイトがロンドン初共演。 8月11日(土)19:30~£28

The Four Seasons and Fireworks
若手バイオリニスト、クロエ・ハンスリップが、オケをバックにビバルディーの「四季」を演奏。 8月12日(日)19:30~£22.50`

開催日時: 8月11日(土)~8月26日(日)
開催場所: Marble Hill House マーブル・ヒル・ハウス
26 Marble Hill House, Richmond Road,Twickenham TW1
最寄駅: BR Richmond駅(WaterlooまたはVauxhall駅発)。
所要時間約20分。

国際色豊かな芸術の祭典
City of London Festival

1962年に始まり、セントポール大聖堂やバービカン劇場などロンドン各地を会場として、音楽コンサート、美術展、映画上映など多様な催しが行われる芸術祭。新旧の融合や国際色が豊かなことでも有名。今年はフランスをメイン・テーマにしており、フランスを代表するアーティストたちが一堂に会する。南アフリカ出身のコーラス・グループ、ソウェト・ゴスペル・クワイヤや奴隷制廃止200年の記念イベントとして、ジャズの権威ジュリアン・ジョセフの手掛けた新作オペラ「Bridgetower」などが行われる。

◆ ◆ オススメ・イベント ◆ ◆

French Connections -A Tasting Of Fine Wines and Music
良質の仏ワインと音楽で贅沢な一時をVintner's Hall
6月25日(月)19:30~£75 最寄駅: Mansion House駅

開催日時: 6月22日(金)~7月17日(火)
チケット購入方法: 予約: オンラインで。完売していないイベントに関しては、開演1時間前から会場にて当日券を購入できる。
コンタクト: www.colf.org

Sweto Gospel Choir
大好評に応えて再び同フェスティバルに出演。美しいコーラスが聖堂に響き渡る。
St Paul's Cathedral 7月3日(火)20:00~£10~30 最寄駅: St Paul駅

Bridgetower
天才バイオリニスト、ジョージ・ブリッジタワーの生涯を描くオペラ。
LSO St Luke's 7月6日(金)19:30~£10~25 最寄駅: Old Street駅。

900年の歴史に思いを馳せる
The Tower Music Festival

世界中から観光客を集めるロンドン塔で、2005年にスタートしたイベント。ロンドンを外敵から守る要塞として11世紀に建設され、のちに監獄や処刑場としても使われた歴史深いロンドン塔をぐるりと囲んだ高い壁の下で、オペラやポップ・ミュージックを始め、モデルによるファッション・ショーなど充実した公演が予定されている。偉大なロック歌手エルヴィス・コステロや癒しの歌声として知られるキャサリン・ジェンキンスが出演。

◆ ◆ オススメ・イベント ◆ ◆

A NIGHT IN FASHION
スーパーモデルが最新ファッションを披露。
6月28日(木)18:00~ £50~150

GISPY KINGS
ヘビメタル、フラメンコ、ポップの融合。
6月29日(金)18:00~£35~55

BRYAN FERRY
ブライアン・フェリーの個性的なサウンドと柔らかな歌声が心に響く。
7月2日(月)、7月3日(火)18:00~£45~75。

KATHERINE JENKINS
幅広いレパートリーが魅力の華麗な歌姫。
7月5日(木)18:00~£35~55

ELVIS COSTELLO with the AllenToussaint Band & Horns featureingSteve Nieve
ジャンルにとらわれない、豊かな才能を持つミュージシャン、エルヴィス・コステロが登場。
7月7日(土)18:00~ £45

開催日時:6月28日(木)~7月14日(土)
開催場所: The Tower of London, London EC3N 4AB
チケット購入方法: 0870 169 687(ticketmaster)
最寄駅: South Kensington駅か、High Street Kensington駅
URL: www.towermusicfestival.co.uk

宮殿を前に優雅な時間を過ごす
Hampton Court Festival

16世紀と17世紀の2度にわたって改装が行われたため、チューダー様式とバロック様式が融合したデザインが魅力のハンプトン・コート・パレス。かつては王族が住んだ荘厳な宮殿を前に、野外劇場で聴く音楽は格別だ。英ポップ界を代表するトム・ジョン、オペラ歌手のホセ・カレーラスなど豪華ラインナップ。セレブ・シェフ、ゴードン・ラムゼイによるディナー・コース(£225~。コンサート・チケットほか特典を含む。要予約Tel: 020 82335122)を楽しむこともできる。

◆ ◆ オススメ・イベント ◆ ◆

Jose Carrearas with GuestGiorgia Fumati
情熱的な歌唱で知られる三大テノールの1人、ホセ・カレーラスの歌声に酔いしれる。6月5日(火)19:30~£75~95。

Classics & Fireworks
アンドリュー・ロイド・ウェバーの弟、ジュリアンが優しいチェロの音色を奏でる。
6月9日(土)19:15~£39.50~42.50。

Tom Jones
トム・ジョーンズがポップ、ジャズ、テクノ、幅広い才能を発揮する。
6月18日(月)、19日(火)、20日(水)21:00~£49.50~75。

開催日時: 6月5日(火)~6月23日(土)
開催場所: Hampton Court Palace, East Molesey KT8 9AU
チケット購入方法: 0870 890 0147(See TICKETS)ほか
最寄駅: Hampton Court駅(Waterloo駅発)。所要時間約30分。
URL: www.hamptoncourtfestival.com

陽気なダンスで市民の心が一つに!
Notting Hill Carnival

欧州最大のストリート・イベントで、1964年から毎年8月最終週に開催されている。元々は、50年代に起こった人種暴動をきっかけに、カリブ系移民の人種差別克服と市民の融和を目的に始まった地元のお祭だった。それが年々拡大し、いまや内外から200万人を動員し、ブラジルのリオに次ぎ、世界で2番目に大きいカーニバルに成長した。見どころはなんといってもド派手な衣装と軽快なダンス。2日目のカーニバル・マンデーに雰囲気は絶頂に達する。

開催日時: 8月26日(日)、27日(月)11:00~21:00 参加無料
*日程変更の可能性あり。7月末又は8月上旬に確定。
開催場所: Notting Hill界隈(Ladbroke Groveなど)
最寄駅: South Kensington駅か、High Street Kensington駅
Tel: 020 7727 0072 
URL: www.nottinghillcarnival.org.uk

夏のロンドンの街をアートで彩る!
The Mayor's ThamesFestival

今年で10周年と比較的新しい催しだが、ロンドン最大規模の野外アート・イベントに急成長、昨年は66万5000人が訪れた。英国の首都ロンドンと、その起源となったテムズ川を賛美するのが趣旨だ。両岸にありとあらゆる芸術が散りばめられ、子供から大人、カップルから家族連れまで楽しめるイベントが目白押し。鮮やかなコスチュームのダンサーによるナイト・カーニバルでクライマックスを迎える。

開催日時: 9月15日(土)、16日(日)12:00~22:00 参加無料
開催場所: Westminster BridgeとTower Bridge間のテムズ川沿岸
最寄駅: Waterloo駅、Monument駅など
Tel: 020 7928 8998 
URL: www.thamesfestival.org

今年初登場のフェスティバル
London Literature Festival

著名な作家のみならず、彫刻家、詩人、ミュージシャンなどを招き年間を通じてイベント行っているサウス・バンク・センターが、中でも特に好評なものを選りすぐり、今年初めて行うサマー・フェスティバル。ほとんどのイベントが8ポンド前後とお得な価格が嬉しい。ノーベル平和賞受賞者のウォーレ・ショインカのトーク・ショーほか、「ガーディアン」紙でよく作品を目にする風刺画家マーティン・ローソンやイラストレーターのローレン・チャイルドの子供向けイベントなどがお勧め。

◆ ◆ オススメ・イベント ◆ ◆

Lauren Child
イラストレーターのローレン・チャイルドが、かわいらしいキャラクターを生み出す秘訣を紹介。
Queen Elizabeth Hall 6月30日(土)19:30~£7

Martin Rowson: Satireand Offence
政治風刺画家、マーティン・ローソンが風刺画の可能性と限界について語る。
Purcel Room 7月3日(木)19:45~£8.50。

Wole Soyinka
アフリカ人初のノーベル賞受賞者、ウォーレ・ショインカが「文明」をテーマに語る。
Queen Elizabeth House 7月7日(土)19:30~£9

開催日時: 6月29日(金)~7月12日(木)
開催場所: South Bank Centre, Belvedere Road, London SE1 8XX
チケット購入方法: インターネット www.southbankcentre.co.uk
最寄駅: Waterloo駅
 

この記事を気に入っていただけたら、ぜひ任意の金額でサポートをお願いします。

*本文および情報欄の情報は、掲載当時の情報です。

24時間365日、安心のサービス ロンドン医療センター Dr 伊藤クリニック, 020 7637 5560, 96 Harley Street Sakura Dental 日系に強い会計事務所 グリーンバック・アラン

JRpass totton-tote-bag