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Fri, 06 February 2026

これを機に家計の無駄を見直し! 英国でできる節約術 2026年版

節約術

2026年の英国経済は次第に安定の兆しが見えはじめ、成長は控えめながらも金利負担はやや軽くなる可能性があると、政府の経済予測機関(Office for Budget Responsibility=OBR)の試算は示している。ただし物価は依然高く、生活が劇的に楽になるわけではない。円安の影響も続くため、とりわけ在英日本人は備えが必要だろう。こうした状況では、地域で分け合う工夫や、長く使うためのサステナブルな選択が、家計を支える有効な手段となる。今回も昨年に引き続き、普段の生活で実践できる節約術を集めたので、参考にしていただきたい。
(文: 英国ニュースダイジェスト編集部)

参考: www.bankofengland.co.ukwww.gov.ukwww.theguardian.comwww.moneysavingexpert.com ほか

2026年の英国経済: 落ち着きと高止まりのはざまで

昨年までの英国経済は、インフレの高止まりと金融引き締めが家計や企業に負担をかけ、景気の不安定感を強めていた。しかし2026年は、やや落ち着きを取り戻す年になると予想されている。イングランド銀行(中央銀行)は政策金利を昨年12月時点で3.75%に引き下げており、エコノミストらの見通しでは、2月以降も据え置きが予測されている。住宅ローンや借入金利の負担は徐々に軽減する見込みだ。一方で、電気代や食品の価格は高止まりのままで、家計が劇的に楽になるわけではない。英国の家庭では、電気の使用量1kWhあたりの単価は5.1パーセント上昇した。ガスの単位料金が2024年7月以来初めて6ペンスを下回ったことから、価格上限が全体でわずか0.2%しか上昇しなかったとしても、電気代ははるかに増加することになるので注意が必要だ。また、食品費は3〜4パーセント程度上昇しており、生活コストへの意識は依然として欠かせない。

企業にとっては、輸出コストや原材料費の上昇リスク、通商政策の変化が投資判断に影響を与える可能性がある。米国が示唆した関税や国際貿易摩擦の動向は、特定産業の価格転嫁や利益率に影響を及ぼすが、全体の物価に直ちに跳ね返るわけではない。一方で金融市場の不透明感は、為替や資産価格を通じて間接的に消費者支出や企業活動に影響することがある。

家計への影響は、単なる物価上昇の数字だけでは測れない。円安は日本からの駐在員や留学生、日系企業にとって依然負担となるため、収入、支出、為替を意識した生活設計が重要になる。26年は「支出の増加ペースを緩やかにする工夫」と「長期的視点での節約・資産管理」が、日常の安心と経済的安定につながる年になるといえる。

新しい電気とガスの単位料金

シェアでここまで節約できる

節約というと日々の細かなやりくりを想像しがちだが、近年は発想そのものを転換する動きが見られる。地域の力を使ってモノの無駄を抑える「共有」と、耐久性や効率性を重視して将来のコストを下げる「サステナブル」の取り組みだ。これらは個別の概念に見えて、実際には無駄の削減と生活の安心につながる点で互いに呼応している。環境にも家計にも無理のない、持続可能な節約の姿だ。本ページでは、その実例を二つの視点から整理した。

ポンド

買う前に、「借りる・譲ってもらう」を選択肢に共有することで支出を減らす

1.「持たない」ほうが安いもの

節約目安:年間200〜1000ポンド

電動ドリル、脚立、スチーム・クリーナー、キャンプ用品といった、年に数度しか使わない物のために収納スペースとお金を割くのは非効率。一時的に使いたいものを数ポンドでレンタルできるサービスを利用してはどうだろう。何社かある中では2014年に英国で「モノの図書館」として始まったLibrary of Thingsが特に知られる。「レンタルを主流にし、アマゾンで何かを買うよりも手頃で便利で、社会的に価値のある、地球に優しいものにしたい」という草の根運動から始まり、今では自治体や小売業者などの協力を得て各地に広がる。例えばコードレス芝刈り機やスピーカー(PMシステム)はそれぞれ1日12ポンド。いずれも購入すれば100ポンド以上することを考えれば十分に合理的といえる。オンラインで予約し、セルフサービス・ロッカーで受け取ることができるのも便利だ。

車も同様で、保険、税金、駐車場、メンテナンスを合わせると、所有コストは年間3000~4000ポンド。だがカーシェアなら、使った分だけの支払いで済む。利用頻度が低い家庭では、カーシェアに切り替えるだけで家計への負担が大幅に軽減するケースも多い。従来のレンタカー会社のように特定の場所に車両が保有されているのではなく、個人がマイカーを登録しており、オーナーが使わないときだけ借りられるHiyacarのようなサービスがある。価格は1時間で4ポンド程度。ほかには、車両が地域の専用駐車スペースに分散配置されていて、会員がスマホや会員カードで予約・ロック解除して使うEnterprise Car Clubなどが知られている。こちらは予約できる単位が30分からとフレキシブルなのが魅力だ。また、方角が同じ人たちが1台の車をシェアする相乗りマッチング・サービス、Lift Shareという取り組みもある。

芝刈り機

2. 服や日用品

節約目安:年間200〜400ポンド

子ども服や普段着、読み終えた本、キッチン用品など、まだ十分使えるのに家庭で眠っている物は多い。これらを持ち寄って交換する「スワップ・イベント」は、学校や教会、地域センターで定期的に開催されており、参加費は無料か数ポンド程度が一般的だ。こうしたイベントを利用するのは、特に子育て世帯に効果がある。育ち盛りの子どもがいる場合、コートや靴はワンシーズンでサイズアウトすることもあり、新品でそろえると年間数百ポンドは簡単に消えるだろう。そんな時期はスワップやお下がりを活用すれば、その多くを削減できる。もし自分のワードローブを見直したいときは、コミュニティーや慈善団体などと協力して、サステナブルなファッション・イベントやアクティビティーを提供しているThe big swapでイベント日程をチェックしてみよう。不要な服を交換して新しいアイテムを入手できる。また、自らスワップ・イベントを開催することも可能で、ロンドン西部を基盤としたGet Swishingを通して企画ができる。

オンラインではFreecycleVinted、FacebookのMarketplaceも有効だ。検索してみると実にさまざまなものが出品されており、なかには無料のものもある。「新品を買う前に1度探す」癖をつけるだけで、支出は確実に減るうえ、廃棄削減にも貢献できる。

3. 食費は「レスキュー食品」を味方に

節約目安:年間300〜600ポンド

家計簿をつけると分かるが、食費は物価だけでなく外食や買い方の違いで毎月の出費が大きく増減する項目だ。フードロスに取り組む代表的なアプリToo Good To Goを使って食費を見直すのもアイデアの一つ。閉店前のスーパーやカフェ、ベーカリーが売れ残りを格安販売する仕組みで、3〜 4ポンドのToo Good To Goバッグにパンや総菜が大量に入ることもある。利用者の中には、週200ポンドも食費にかけていたが、アプリと少額スーパー購入を組み合わせて、いつのまにか週100ポンドまで節約できたという例も。

一方で、OLIOは近隣住民同士で食品や日用品を譲り合う無料アプリで、家庭の余り物はユーザー投稿、企業の余剰食品はボランティアが回収して配布される。フードロスの削減と地域コミュニティーのつながり強化を目的に、2015年に英国で始まった。シェアできるアイテムは食品だけではなく、日用品の貸し借りや、自家製の料理の提供などにも広がっている。

環境団体Hubbubが支援するCommunity Fridge(コミュニティー冷蔵庫)は、誰でも自由に食品を持ち帰れる仕組みとしてロンドンを中心に英国700カ所に設置されており、多くの拠点がコミュニティー・ミールや料理のワークショップなど、活動の幅を広げつつある。

4. 時間とスキルを交換

節約目安:年間500〜1000ポンド

Timebanking UKが広めるタイムバンクは、金銭をやり取りすることなくスキルを交換する方法だ。1時間の活動が1クレジットとして記録され、他のサービスと交換できる。例えば、庭の手入れを1時間手伝えば、別の日に語学レッスンや買い物代行を受けられる仕組みで、現金を使わずに生活を回す一つの方法として、地域コミュニティーで導入が進んでいる。掃除や修理、子守りなどを市場価格に換算すると1時間あたり15〜 20ポンド程度の価値があるが、それ以上に、楽しく、プレッシャーを感じることなく、気軽に人々が互いに支え合い、それぞれの長所を引き出す方法で、自然に節約につながっていくと考えられる。

時間とスキルを交換

環境配慮と出費削減を両立させるサステナブルな節約

5. 省エネ対策は最優先事項

節約目安:年間200〜400ポンド

LED電球への交換、待機電力のカット、窓やドアの隙間風を防ぐドラフト・ストッパーや断熱シートの設置といった地味で基本的な対策だけでも光熱費は着実に下がる。非営利チャリティーの省エネ支援機関Energy Saving Trustでは、企業や個人に向けて具体的な節約法や補助制度を紹介しており、無料で情報を得られる。光熱費は一度削減できれば効果が毎月続く「積み上げ型」の節約なので、面倒がらず進めておこう。また、政府は今年1月に「暖かい家計画」(Warm Homes Plan)を発表し、住宅の省エネ・光熱費削減を大規模に進める計画を示している。

これは光熱費が家計を圧迫する状態(fuel poverty)を減らし、全世帯の光熱費を下げることを目的とした大規模な計画だ。これにより2030年までに賃貸住宅の最低効率基準に到達させるため、家主は省エネ・断熱措置などの改善を求められる方向性が示されている。賃貸世帯自身が大きな費用負担を負うことなく住環境の改善が進む可能性もある。

LED電球への交換

6. 家電は「修理して使う」

節約目安:年間200〜600ポンド

大型家電は「壊れたら買い換える」前に、修理を検討すると費用対効果が高いことがある。修理で延命できれば、1台あたり数100ポンドの節約につながることも。修理費は £150〜£200 が一般的だが、機種や故障内容によっては新品購入と同等の費用になる場合もあるため、メーカーや地域の修理サービスに確認しておくと安心。

 

また、Repair Caféや、2013年にロンドンで設立された非営利団体Restart Projectが開催する修理イベントでは、壊れた家電や電子機器を無料または寄付ベースで直してもらえるので、こうした修理イベントを活用すれば、出費はさらに抑えられる。どちらも、壊れたら捨てるのではなく、昔ながらの「直して使う」文化を広める活動している団体だ。Repair Caféのサイト内には、自分で直すための説明ページも用意されており、ラップトップやコーヒーマシンといった一見難しそうなものの修理にも挑戦できるようになっている。また、Restart Projectでは、英国全土でも600以上という修理店ネットワークと連携し、ロンドン北部では50パーセント・オフになる取り組みも行っている。さらに、メーカーに「修理しやすい設計」を求めたり、部品販売の義務化を政府に提言するなど、長期的な視点での取り組みも進めている。

家電修理

7. 自分で育てる

節約目安:年間200~300ポンド

家庭菜園というとコミュニティー菜園のアロットメントを思い浮かべがちだが、人気が高くスペースが空くのに何年も待たなくてはいけないのが現状。だが実はベランダの鉢植えだけでも十分節約になる。英国ではハーブやサラダ葉物が1パック1ポンド以上と割高なため、自宅で育てれば年間200〜300ポンドの差が出ることも珍しくない。さらに再生栽培や室内ハーブを組み合わせれば、食費の1カ月分に相当する節約も現実的だ。

  • ベランダ・鉢植え菜園
    単価が高く、少量ずつ使うものを選ぶ。 バジル、パクチー、パセリ、ミント、ルッコラ、ベビーリーフ、スプリング・オニオン、唐辛子、チェリー・トマトなど
  • キッチン再生栽培
    買った野菜の根や切れ端を再利用する方法。 スプリング・オニオンの根、レタスの芯、セロリ、にんにく、じゃがいも(芽が出たもの)、ハーブの挿し木など
  • 窓辺・室内ハーブ栽培
    ミント、パセリ、チャイブ、タイム、ローズマリーなど

こうした「育てる」取り組みは、買う量を減らすだけでなく、食材を無駄にしないという意味でも共有やサステナブルの考え方と響き合っている。生活に無理なく取り入れられ、節約の流れに自然と組み込める方法だ。

家庭菜園

ライフステージ別! わが家に合った節約アプリ&サービス

節約法は年齢や家族構成によって異なる。学生や単身者は日々の買い物や交通費の管理が中心になるだろうし、子育て世帯では食費や教育費が大きな割合を占める。シニア世帯は光熱費や医療費の負担が増えがちだ。ここでは、それぞれのライフステージに合わせて、取り入れやすく、家計管理や支出削減に直結するアプリをご紹介。自分の状況に合ったツールを使うことで、毎日の節約がぐっと実感しやすくなるのではないだろうか。

単身者/学生

外食やレディーミールが増えがちな一人暮らしは、食費管理が鍵となる。週末に作り置きを行い、平日の出費を抑えるだけで支出は大きく変わる。交通はバス定期や自転車を活用し、サブスクリプション契約は必要最小限に。

1. Olio(食品・日用品の無料シェア)

アプリに投稿された近隣の人や提携店舗の余剰食品を、無料でシェアできる。冷蔵庫の中身に左右されやすい一人暮らしの食費削減に直結。
https://olioapp.com

2. Too Good To Go(レスキュー食品)

提携しているパン屋、カフェ、レストラン、スーパーなどの余剰・売れ残り食品を格安で購入できる。
www.toogoodtogo.com

3. Splitwise / Tricount(割り勘管理)

友人やフラットメイトとの共同購入、家賃割り勘に便利な共有支出管理アプリ。計算ミスによる「無駄支出」も防ぐ。基本機能は銀行口座への紐づけは不要。
www.splitwise.com
https://tricount.com

4. Council Tax discount(住宅税)

単身者はカウンシル・タックスが25パーセント引きになる。学生とシェアしている社会人の場合も、学生はもともと免除されているので、単身者扱いとなりディスカウントを受けられる。
www.gov.uk/apply-for-council-tax-discount

5. Trainline / Citymapper(運賃比較)

移動コストを節約したいなら、アプリを使って最安運賃を検索。上記のほかにTrainPal、Split My Fare、TrainTickets.com などもある。単身者の移動費は積み上がりやすいので、こうしたツールの活用で毎月の出費をぐっと抑えられる。
www.thetrainline.com
https://citymapper.com

運賃比較

カップル/共働き

まとめ買いと共同調理で食費を効率化できる。光熱費や保険、携帯電話は家族プランへ一本化すると割安になるケースが多い。カーシェアを取り入れれば自家用車を持たずに済み、固定費削減効果は大きい

1. Octopus Energy(柔軟な電気代プラン)

スマートメーター利用者に、利用時間帯で料金が変わるスマートプランを複数用意しており、電力消費を割安な時間に移すことで節約がしやすい設計になっている。在宅時間が限られる共働きのカップルや、夜間に電力需要が偏る人は、こうしたプランの恩恵を受けやすい。
https://octopus.energy

2. Emma(家計管理)

複数口座やクレジットカードを一括管理。2人の収支が一目で分かり、予算、貯蓄、サブスク管理が共通の目標にしやすくなる。また、支出傾向を客観的に把握することで、無駄遣いを減らし、共通の節約行動につなげやすいのが大きなメリットだ。
https://emma-app.com

3. Hiyacar / Enterprise Car Club(カーシェア)

自家用車を持たずに必要なときだけ利用可能。車の維持費(税・保険・駐車場・修理費)を劇的に削減できる。
www.hiyacar.co.uk
www.enterprisecarclub.co.uk

ファミリー

1. Freegle / YoungPlanet / Littleswaps(子ども用品)

子ども関連の出費はスワップやお下がりの活用で削減。子ども用品専用のアプリも多く、無償に特化したYoung Planet、地域のスワップスポットや配送機能のついたLittleswapsなど便利なものが多い。
www.ilovefreegle.org
www.youngplanet.com
www.littleswaps.com

2. Hoop / Club Hub UK /Day Out With The Kids(子ども向けイベント)

子ども向けの活動やイベントを自宅周辺から検索できるアプリ。地域や年齢などでフィルターして見つけられるため、季節のワークショップや地域イベント探しに便利。Club Hub UKは乳幼児からティーンまでと幅広くクラブや休日キャンプ、キッズ・イベント を探せる。Day Out With The Kidsは博物館やミュージアムなどのキッズ・フリー・リストも掲載。
https://hoop.co.uk
https://clubhubuk.co.uk
www.dayoutwiththekids.co.uk

子供向け

60歳以上

シニア割引や公共サービスの優待制度を積極的に利用したい。割引や補助は対象年齢、所得条件、居住地によって異なるため、公式サイトでの確認が必須。

1. 60+ London Oyster Photocard / Freedom Pass / Senior Railcard / Senior Coachcard(交通費)

60+ London Oyster Photocardはバス・地下鉄・DLR・オーバーグラウンドなどが無料になり、ロンドン在住で60~65歳以上なら誰でも申請可能。66歳からはFreedom Passになるが、サービスは同じ。Senior RailcardとSenior Coachcardは全国の鉄道と長距離バスが使える。オフピーク時に限るなどの制限はあるものの、最大1/3まで割引となる。
https://tfl.gov.uk/fares/free-and-discounted-travel
www.thetrainline.com
www.nationalexpress.com

2. NHS prescriptions / NHS sight tests(医療・生活サービス)

イングランドでは60歳以上の場合、処方薬や視力検査が無料。申請などは必要ない。ただ、眼の健康診断自体は無料でも、補助具(眼鏡・コンタクトレンズ)や、眼疾患の精密検査や治療、専門医による診察は別途費用が掛かる。
https://check-for-help-paying-nhs-costs.nhsbsa.nhs.uk

3. National Trust / English Heritage(レジャー・文化施設)

ナショナル・トラストとイングリッシュ・ヘリテージの会費や入場料が割引。ナショナル・トラストの年会費は、3年間以上継続して会員の60歳以上なら25パーセント割引、イングリッシュ・ヘリテージの場合は約15パーセント引き。レールパスも割引(上記参照)されていることから、気軽に観光ができそうだ。
www.nationaltrust.org.uk
www.english-heritage.org.uk


 

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