世界中が注目するサッカーのワールド・カップ本選が、いよいよ6月11日から開始される。サッカーの母国の首都であり、世界中から移民が集まる多国籍都市ロンドンは、その独特の雰囲気を味わうには絶好の場所。大会期間中は、市内の至るところで、各国代表チームのユニフォームを着た応援団を見かけるはずだ。そこで今回紹介するのは、そうした各国代表の応援団が駆けつける、それぞれの国を背負ったロンドンの各国バー。この機会に、サッカーが好きな人はもちろん、お酒に、異文化に興味のある人は出掛けてみては?(本誌編集部)
カナリア軍団が一挙集結
Guanabara
「カナリア軍団」との異名を持つ、ブラジル代表のトレードマークである黄色いシャツに身を包んだ熱狂サポーターが、多数殺到するバー。劇場に隣接した小さな入り口から2階に上がると、市民会館の講堂を彷彿とさせるような奥行きを持つ、だだっ広いレストラン・エリアに到着する。普段はこのスペースがナイトクラブになったり、サンバのレッスンやソウル・ミュージックのライブ会場になったりするのだが、W杯開催中は、もちろんサッカーの中継を実施。中央正面に設置された大スクリーンでの観戦を楽しめる。
月〜土 17:00〜2:30 日17:00〜0:00
入場料金は、曜日やイベントの内容によって異なる
Parker Street WC2 5PW
Covent Garden
Tel: 020 7242 8600
www.guanabara.co.uk
北欧流でクールに盛り上がる
Nordic Bar
グループ・リーグにおいて、日本が最後に対戦することになる強豪デンマーク。ロンドン在住のデンマーク人が、静かにこよなく愛するのがこの「Nordic Bar」だ。ロンドン随一の繁華街であるオックスフォード・ストリートから続いているとは思えないほどの閑静な通りのしかも地下に店を構えている、知る人ぞ知る、まさに隠れ家的な北欧バー。入り口付近には、真夏でももみの木が置かれていて、食べ物も乳製品やサーモンといったお馴染みの北欧メニューが揃う。ここなら北欧流にクールに盛り上がることができるはず。
月〜木12:00〜23:00 金12:00〜0:00 土18:00〜0:00
25 Newman Street W1T 1PN
Oxford Circus
Tel: 020 7631 3174
www.nordicbar.com
前大会王者の拠点は24時間営業
Bar Italia
前大会覇者のイタリア代表の試合を観るなら、このカフェ& バー。ゲイ・カルチャーの発信地ともされるロンドンの繁華街、ソーホー地区の中心に建っている。こじんまりとしたスペースながらも、イタリア国旗で覆われた天井やサイン入りサッカー・ボールが置かれたカウンターなど、雰囲気は十分。またバーやクラブなどのナイト・スポットが点在する眠らない街ソーホーの店であるだけに、24時間にわたって営業しているのもうれしい。サンドウィッチなどのカフェ・メニューから、ワインやウイスキー、おつまみまで揃っている。
24時間営業
22 Frith Street, Soho W1D 4RF
Leicester Square
Tel: 020 7437 4520
www.baritaliasoho.co.uk
スポーツの生中継なら何でも来い
Walkabout
オーストラリア系列パブのチェーン店。コベント・ガーデン駅付近のほかに、ロンドン北部フィンチリー地区や同西部シェパーズ・ブッシュ地区など、ロンドン市内だけで7店舗を展開している。どの店舗でも、大型TVスクリーンによるラグビー、クリケット、F1などといったスポーツ中継が行われていて、W杯は全試合を放送。オーストラリアの大衆的なビール「Foster」を飲みながら、観戦に浸るべし。ちなみにこのスポーツ・バーは、夜になると「YMCA」などのお馴染みのヒットチャートが流れるナイトクラブへと変わる。
*住所が変わりました。詳細はウェブサイトをご参照ください。
月〜木 12:00〜23:00 金・土 12:00〜24:00 日 12:00〜22:30
11 Henrietta Street & 33 Maiden Lane, Covent Garden WC2E 8PY
Covent Garden
Tel: 020 7379 5555
www.walkaboutbars.co.uk
日本の対戦相手は意外な場所に
De Hems
「Amstel」「Lindeboom」などといったオランダ・ビールを出すこのパブが位置する場所は、意外にもロンドンの中華街の入り口。見た目はごく一般的なパブにしか見えないが、メニュー表をのぞけば、小さな揚げ物料理クロケットやオランダ・ソーセージといった、ビールと相性の良いオランダ料理が並んでいることに気付くだろう。さて、「オレンジ軍団」との異名を持つ強豪国オランダは、19日(土)の12時30分から日本代表と対戦。当日、中華街にはオレンジ色のユニフォームを着たファンたちが押し寄せるはず。
月〜土 10:00〜0:00 日 12:00〜22:30
11 Macclesfield Street W1D 5BW
Leceister Square
Tel: 020 7437 2494
開催国の応援団が集うのは隠れ人気店
The Bok Bar
この度、晴れてW杯本選の開催国となった南アフリカ。英国の旧植民地だった歴史もあって、南アフリカの移民は現在でも英国に数多く在住している。そのサポーターたちが集まる注目の応援スポットの一つが、大道芸人が路上パフォーマンスを繰り広げるロンドンの観光名所、コベント・ガーデンにある。1階部分は南アフリカの食材スーパーになっていて、地下に下りると大人の雰囲気を醸し出すバーに。数十人も入ればいっぱいになってしまうほどの小さなスペースは、週末ともなればすぐに満杯となる隠れ人気店となっている。
*このお店は閉店しました
月〜土 12:00〜23:00 日 11:00〜22:30
20 Bedford Street WC2E 9HP
Covent Garden
Tel: 020 7379 1734
家庭的レストランとナイトクラブが合体
St. Moritz
アルプスの高原の中に建てられた山小屋を思わせる、木材をふんだんに使った内装が特徴的なレストラン。ロンドンでは最も古い歴史を持つスイス料理店と言われており、チーズ・フォンデュやラクレットといった代表的なチーズ料理の味は、スイス国外では最高とされるほどの絶品。家族経営特有のその温かで落ち着いた雰囲気からは想像もつかないが、実はこの店の地下がナイトクラブで、レゲエやジャズなどのライブ会場として頻繁に利用されている。W杯期間中は、このクラブ・スペースにてスイス戦が放送される予定。
ランチ 月〜金 12:00〜15:00
ディナー、ナイトクラブ 月〜土 18:00〜23:30
161 Wardour Street W1V 3TA
Oxford Circus
Tel: 020 7734 3324
www.stmoritz-restaurant.co.uk
ロンドンでスペインの夏を堪能
Camino Bar & Restaurant
キングス・クロス・セント・パンクラス駅のすぐ横にある小道に入ると、突如として現れる巨大なレストラン。店内は天窓から溢れんばかりの自然光が差し込むレストランと、開放的な野外スペースを持つバー・エリアに分かれている。晴れの日には太陽の光を存分に浴びることができるこの場所で、チョリソ、ピンチョスなどといったタパスや、イベリコ豚を使った名物料理を口にすれば、ロンドンにいながらにしてスペイン気分を味わえること間違いなし。観戦スペースも十分にあるので、W杯期間中は大いに盛り上がるはずだ。
バー 月〜水 12:00〜0:00(木〜土は1:00まで、日は23:00まで)
レストランの営業時間は下記ウェブサイト参照
3 Varnishers Yard, The Regent Quarter N1 9FD
King's Cross St Pancras
Tel: 020 7841 7331
www.camino.uk.com
熱烈ファンのスタッフが待ち構える
Nueva Costa Dorada
ロンドン中心部トッテナム・コート・ロード駅近くの裏道にある、パラグアイ人オーナーが経営するタパス料理店。「私たちが贔屓にするのはパラグアイだけではない。W杯では、スペインも、チリも、メキシコも、スペイン語圏の参加国すべてを応援する」とオーナーのクララさんを始めとするスタッフは口を揃えるが、パラグアイの独立記念日には派手なパーティーを行うことを毎年の行事にするなど、やはり自国への愛着はより強いよう。普段はロンドン随一のフラメンコ・バーとして、深夜遅くまで熱い盛り上がりを見せている。
*このお店は閉店しました
月〜金12:00〜深夜 土17:00〜深夜 日16:00〜0:00
47-55 Hanway Street W1T 1UX
Tottenham Court Road
Tel: 020 7631 5117
www.costadoradarestaurant.co.uk
ラグビー大国の国民が集うパブ
The Southerner
*このお店は閉店しました
本大会で実に28年ぶりのW杯本選出場を決めたニュージーランド代表ファンの拠点は、昔ながらの大衆的な飲み屋が立ち並ぶテンプル駅界隈にある。道路を挟んで、王立裁判所の向かい。中世の歴史をいまだ街の景色に残すようなこの一角に、意外にもニュージーランド国民たち憩いのパブがあった。普段は、ラグビーやネットボールといった同国の国民的スポーツが放映されているTVスクリーンも、大会期間中はサッカーを放映予定。勝敗の如何に関わらず、同国の定番ビール「Speight」を飲み交わす人々が多く集まるはずだ。
月〜土 12:00〜23:00
46 Essex Street, Temple WC2R 3JF
Temple
Tel: 020 7936 2536
真夏のホリデー気分を味わえる
Barrio Central
大型デパートや大手アパレル販売店が建ち並ぶオックスフォード・サーカス駅付近には少し不似合いとさえ感じられる安らぎスポットが、このバー。外装は何の変哲もない店だが、中に入って、自然光が注ぎ込む天窓と、原色とボーダーのデザインをふんだんに使った内装を目にすれば、すっかりトロピカル気分に浸ってしまう。飲み物も、ラム酒をベースとしたカクテルを始め、南米、中米のドリンクを提供。ロンドン特有の曇り空の下でも、常夏気分を味わえる。W杯開催中は、地下のスペースを使ってテレビ放映する予定。
月〜土 12:00〜1:00
6 Poland Street W1F 8PS
Oxford Circus
Tel: 020 3230 1002
www.barriocentral.com
ビールのテーマパークで美味しく観戦
Bavarian Beerhouse
ビールの本場、ドイツ南部バイエルンにあるビアハウスをイメージして作られたという本格派。店内に入れば、バイエルン地方の衣装を着たウェイストレスのお姉さんが巨大なジョッキに並々と注がれた地ビールを持って出迎えてくれ、まさにドイツ・ビールのテーマパークといった趣となっている。バイエルン名物の大きな白ソーセージや、日本のトンカツによく似たシュニッツェルといったメニューも用意されているので、サッカー観戦と合わせれば、ビールが美味しく飲めること間違いなし。タワー・ヒル駅近くにも支店がある。
月〜木 12:00〜23:00 金12:00〜1:00 土13:00〜1:00 日12:00〜21:00
190 City Road EC1V 2QH
Old Street
Tel: 0844 330 2005
www.bavarian-beerhouse.com
フランス | Le Bouchon 7–9 Battersea Rise SW11 1HG Clapham Junction *このお店は閉店しました |
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ポルトガル | Bar Estrela 111 South Lambeth Road, Lambeth SW8 1UZ Stockwell |
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スロバキア | Czech & Slovak Club 74 West End Lane, West Hampstead NW6 2LX West Hampstead www.czechandslovakclub.co.uk |
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カメルーン | The Victoria chez Tah Ndi 451 Queensbridge Road, Dalston E8 3BA London Fields |
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セルビア | Paya & Horse 181 Battersea Park Road SW11 4LB Battersea Park |
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ガーナ | The Gold Coast 40 Acre Lane SW2 5SP Brixton *このお店は閉店しました |
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米国 | Hard Rock Cafe London 150 Old Park Lane W1K 1QZ Hyde Park Corner |
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ナイジェリア | Obalende Suya 523 Kingsland Road E8 4AR Dalston Kingsland *このお店は閉店しました |
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韓国 | Fountain Pub 120 Malden Road, New Malden KT3 6DD New Molden |
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ギリシャ | Byzantium Café 31 Moscow Road W2 4AH Bayswater |
W杯開催中は、国内のあらゆるパブで試合のテレビ中継が放映される。とりわけイングランド戦はどのパブでも混雑が予想されるため、入場料を徴収したり、事前にチケットの購入を求める店も多くある。またプレミア・リーグ覇者チェルシーのホーム・スタジアムであるスタンフォード・ブリッジ(www.chelseafc.com)や、大型劇場のハマースミス・アポロ(venues.meanfiddler.com/apollo)などの施設では、巨大スクリーンによるパブリック・ビューイングを開催。さらに日本戦に関しては、ジャパン・ソサエティー(www.japansociety.org.uk)などが同様のイベントを企画している。