第202回
英国企業は、どのような場合に連結財務諸表を作成する必要があるか
多くの日本企業グループは、英国において持株会社や子会社の構成により事業を展開しています。その際によく問題となるのが、英国の親会社が連結財務諸表を作成する必要があるかという点です。これは、グループの規模、構成、所有関係に加えて免除規定が適用されるかどうかで決まります。
― どのような場合に連結財務諸表が必要ですか。
一般的に、会計年度末時点で親会社に該当する英国企業は、連結財務諸表を作成しなければなりません。企業が、議決権や取締役の選任権限、または支配的影響力などを通じて、ほかの事業体を支配していれば、その企業は親会社となります。海外子会社も通常、英国子会社と同様に扱われます。
― 免除規定について教えてください。
セクション21に従い、引当金として会計処理します。引当金は、以下の要件を満たす場合に認識されます。
主な免除規定として、小規模グループ免除、および上位の親会社が英国企業または英国外企業の場合の中間親会社に関する免除規定があります。
親会社が小規模グループを統括し、英国の小規模会社制度の適用対象となる場合、免除を受けられる場合があります。2025年4月6日以降に始まる会計年度においては、一般的に、グループが売上高1500万ポンド、総資産750万ポンド、平均従業員数50人という三つの基準のうち、二つ以上を超えない場合、小規模グループに該当します。
ただし、英国上場企業、銀行、投資事業会社、信用機関、保険会社など、特定の規制対象企業や公益性の高い企業を含むグループは、小規模グループ免除は利用できません。
英国の中間持株会社も多くの場合免除を受けられます。2006年英国会社法の第400条では、より大きな英国親会社が作成する連結財務諸表に、中間親会社とその子会社が含まれている場合、その中間親会社は免除を受けられます。
免除を利用する企業は子会社でなければならず、上位の親会社が英国で設立されている必要があり、そのグループが上位の親会社の連結財務諸表に含まれていなければなりません。その連結財務諸表が公開され、適切に提出されている必要があります。また、免除の対象となる企業自体の財務諸表にも必要な開示が含まれていなければなりません。
― 英国の中間持株会社の親会社が英国外にある場合はどうなりますか。
第401条により、より大きな海外のグループが作成する監査済みの連結財務諸表に含まれる英国の中間親会社については、免除が認められる場合があります。その英国企業は通常、100パーセント所有されているか、または少数株主が免除に同意している必要があります。また上位の親会社は、英国の要件と同等と認められる会計要件に基づき、グループ全体を対象とする連結財務諸表を作成しなければなりません。そこには英国企業とその子会社が含まれている必要があります。
― 日本の親会社が検討すべき、実務上のポイントは何ですか。
日本の親会社は、まず英国法人が親会社に該当するかを確認する必要があります。単純な持株構造であっても、連結義務が発生する可能性があるためです。また、グループ規模も継続的に確認する必要があります。事業拡大や買収、組織再編が、免除の適用状況に影響を与える可能性があるため、注意が必要です。
*この記事は一般的な情報を提供する目的で作成されています。更なる情報をお求めの場合は、別途下記までご相談ください。
ジョン・フィッシャー監査・会計 パートナー Ernst & Young、野村證券を経て現職へ。高度な会計技術に加え、ビジネス日本語も得意とする。社内のみならず日系顧客からも高い信頼を寄せられている。日本語スピーチコンテストでは2年連続入賞。



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