ニュースダイジェストのグリーティング・カード
Fri, 22 November 2024

異文化相互理解を深めるための ビジネス文化塾

日本人と英国人が、一つの職場で働く際の問題点とその解決方法を指南する

グレアム・ロレンス グレアム・ロレンス Graeme Lawrence 30年間の日系企業勤務、異文化コンサルタントを経て、現在社内通訳者・翻訳者。静岡県立大学国際関係学部卒。2019年のSOASビジネス日本語スピーチ・コンテスト優勝。
www.graemelawrence.com

第11回 日本人はストレートすぎる??

英国人の同僚あるいは部下と話をした後、「思い通りにいかなかったな」と感じたことはありませんか。本コラムでは以前にも効果的なコミュニケーションについては触れていますが、今回は英国人に依頼したり、フィードバックをしたりするときなどの話し方に焦点を当てたいと思います。

肯定的・否定的な内容に関わらず、日本人のビジネス・パーソンが英語で何かを頼む、またはコメントするとき、言い方が、①曖昧すぎる、または、②ストレートすぎる、のどちらか、と指摘されることがあります。英国人がどうしてそう思っているかについて考えてみましょう。

まずは話し方が「曖昧すぎる」場合。日本人が伝えたいメッセージが思い通りに英国人に届かない理由の一つに、「以心伝心」を前提とした間接的な言い方だと、真の意味が伝わらないということがあります。日系企業で働いていると、そういう場面をよく目にします。とはいえ、間接的な話し方は日本人独特なものではなく、時と場合によっては英国人もすることです。また、仕事の場で「英国人の話し方が回りくどくて、意味が分からない」と溜息をつく日本人もいます(特に英国人と米国人を比較するときに、この意見が顕著に現れます)。

英国人も日本人と同じように本音を率直に言わないことがあるので曖昧な言い方をする必要性やメリットは理解できます。ただ英国人的な曖昧な表現の仕方は日本人的な言い回しとは相違があります。日本語を直訳したような表現方法では相手に真意が伝わらないので、ビジネスにおける会話では避けた方が無難です。日本人が英語で遠回しな話し方をすると、会話の目的がずれて途中で意思疎通ができなくなり、いわゆる「Lost in Translation」になってしまいがちです。特に「日本人は説明が少ない」と感じる英国人がいますので、日本人は説明を200パーセントするつもりで対応すると良いと思います。これが社員や会社の目標設定の場合なら、指標を含め、部下が目指すべきゴールをはっきりと示すべきです。

では、逆に英国人が日本人の話し方がストレートすぎると感じる場合ではどうでしょうか。英語力のレベルも関係しますが、「海外の人々は必ず自分の意見を率直に言うので、日本人も自分の意向を強く言わないと、相手にされない!」とメディアや本で言われていることも影響すると思います。日本人が「私も現地の人に負けないよう、ストレートに話さなければ」と思い込み、英国人からすれば必要以上にBlunt(率直な)な喋り方をしてしまうからではないかと思います。

では、どうすれば英国人を不愉快にさせない依頼の仕方やフィードバックができるでしょうか。まずは、「You」で始める発言は攻撃的に取られかねませんので、できるだけ避けた方が良いと思います。例えば、部下が遅刻した場合には、ただ「You are late」ではなく、「I have noticed that you are late」と言った方が、会話の出だしが良いです。(「I couldn't help noticing that ---」ならなお良い)同じように、「always」や「never」などの言葉は避け、「you tend to/tend not to ---」のようなより柔らかい表現が良いですね。面倒くさいと思われるかもしれませんが、言動を少し変えれば、周りの英国人との人間関係はきっとよくなります!

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