ニュースダイジェストのグリーティング・カード
Sun, 06 October 2024
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計画通りに準備してスムーズに引越し
帰国の手引き

日本への本帰国など、英国からの引越しは国内とは勝手が違い、戸惑うことが多いもの。今回は、慣れない海外引越しの際に少しでも役立つような、事前に押さえておきたいポイントや流れをまとめてみた。また、大事な家財を運んでくれる安心の引越し業者や、帰国子女をサポートする塾や学校なども併せてご紹介するので、近々引越しの予定がある方はぜひ役立てていただきたい。(文: 英国ニュースダイジェスト、Point 1〜3 湯原理恵)

モノの要・不要を見極めよう!整理収納アドバイザーによる引越し整理術

家中の荷物が見直せる「引越し」は、片付けの最大のチャンス。本帰国未決定の人にとっても、モノの要・不要を見極め、その適正量を把握することで、暮らしが快適になります。日頃から整理ができていれば、いざ帰国が決定しても引越し作業が格段に楽に。旅行や趣味と、ついついモノが増えがちな英国生活ですが、以下を参考に身の回りを整理し、生活を見直すきっかけにしていただければ幸いです。

湯原 理恵(ゆはら りえ)

整理収納アドバイザー、整理収納教育士。日、独、英と3カ国、計7回の引越しを経験し、本帰国する。現在は、横浜で夫と5歳、2歳の息子達の4人暮らし。骨格スタイルJr アドバイザーの資格を生かして、クローゼット収納など整理収納レッスンを開催(現在レッスンはお休み中)。
https://makeyourownstyle.themedia.jp
Isntagram: @london_daily_life_nejimakidori

3つのポイントでばっちり!
帰国後の暮らしに備えたモノの整理術

Point 1

ゴールの明確化帰国後の暮らしを事前にしっかりイメージする

帰国後どんな暮らしがしたいかを事前に頭の中に描いておくことで、「モノの適正量」が予想できます。例えば、帰国後のキッチンは狭くなるから家事動線を良くしたい。そうすると、動線の邪魔になりそうなモノは極力処分していった方が良い。このようにイメージしていくことで、現在手持ちの棚や食器、キッチン用品などがおのずと厳選されていくのです。

Point 2

作業手順整理は3つのステップで順番に作業

まずは、STEP1でモノを全て出して「見える化」することが大前提。現状のモノの総量を目の当たりにして初めて、整理作業がスタートします。STEP1をとばして、STEP2から始めるのがよくある失敗の原因。モノの総量を認識せずに、場当たり的に分類して梱包すると、引越し後の生活がモノであふれかえってしまうことになります。

また、通常の整理作業においても、整理したい箇所のモノを全出しせずに、一部だけ出して分類しても、すぐにまた元の状態に戻ってしまいます。まず、今自分の持っているモノを全て見えるようにした状態で、モノを要・不要に分け、不要なモノは処分したりリサイクルに出しましょう。自分の居住空間や理想の暮らしに合った「モノの適正量を知ること」が、整理作業の目的です。

整理術

Point 3

選別基準帰国後の家に収まるサイズ?帰国後の用途の有無は?

STEP2でモノを分類する際に、時間とコストをかけてまで、本当に持ち帰りたいものなのかをよく考えましょう。帰国後の収納スペースに収まるか、帰国後の生活で使うかどうかが大きな判断基準です。「いつか使うかも」「とりあえず持って帰ろう」と判断したものは、帰国後意外に使わないことが多いです。本当のお気に入りだけを厳選しましょう。

また、引越し以外の通常の整理においては、以下の図のように感情や使用頻度で要・不要を分類する方法もお勧めです。

整理術


整理術

梱包のみの場合は、遅くても引越し日の1カ月前には着手
引越しのためのモノの梱包

梱包のみの場合は、遅くても引越し日の1カ月前には着手しましょう。

1 使用頻度の低いエリア

物置など、梱包しても生活に支障のない場所からスタート。生活空間が段ボールに占領されないように、日常空間とは別の場所に積み上げていきましょう。

2 本、CD、DVD、趣味関係

日常使用していないモノを中心に。量が多いモノやボリュームがあるモノを早めに梱包しておくと、一気に片付いた印象になり、作業後の達成感も得られます。

3 オフシーズンの衣類、靴、バック

コンテナ・ボックスに詰めたり、ハンガー・ボックスでの移動(引越し会社により対応可)だと、梱包が不要に。オフシーズンのものから着手していきましょう。

4 日用品、ストック類

引越し後まで使わない日用品やストック類。買いだめした、英国限定のお気に入りの日用品やコスメも、このタイミングで詰めておきましょう。※普段使いの日用品は、引越し作業前日か当日にスーツケースへ。

5 書類、文房具類

引越しやインベントリー関連の書類、パスポートやビザ、日本の保険証などは手荷物へ。本帰国後すぐ、航空便の荷解き作業ができるように、ペンやハサミなどは梱包せずにスーツケースに入れておくと便利です。

6 食器類、キッチン・グッズ

引越し日前夜は外食やテイク・アウェイにし、食器・食材を前もって整理しておきましょう。引越し前は、買い物を極力少なくし、生ものや開封済み食材も引越し日までに使い切るようにしましょう。

整理することでこんなに良いことが!
モノの処分に関する豆知識

受け皿の大きいチャリティー・ショップ

チャリティー活動に熱心な人が多いことで知られる英国は、街中のいたるところにチャリティー・ショップがある。ショップのシステムは、無料で寄付されたアイテムをレジ担当のボランティアが販売し、その売り上げが活動資金に充てられるというもの。ショップには洋服から日用品まで、ありとあらゆるものが売られているが、地域によって商品のラインナップが異なるため、意外な店舗で掘り出し物が見つかることもあり、店内はいつも多くの客でにぎわっている。

さて、引越しのため整理した過程で出た不要品はここに持っていくと無料で引き取ってくれる。「Oxfam」(オックスファム)を例にとると、引き取りの対象は衣服、靴、バッグや帽子などのアクセサリー、時計を含むジュエリー、骨董品、書籍、CDやレコード、台所用品などの家庭で使うもの、毛布、おもちゃ、使用済み切手を含む外国のお金、カメラなどで、持ち込みができないものは個人が特定できてしまう職場や学校のユニフォームや電化製品など。ただし電化製品は引き取りが可能な店舗も一部あるので、持ち込む前に直接店舗に確認するのが無難だ。特に判断が難しいアイテムがなければ、無料で郵送で寄付することも可能。ラベルはオンラインで印刷できる。

受け皿の大きいチャリティー・ショップ

整理整頓でメンタル・ヘルスを整える

「部屋が整っていると心もスッキリする」という言葉はよく聞かれるが、どうやら信憑性が高いようだ。近年行われた米国人1100人を対象にした調査結果によると、整理されていない部屋にいると、60パーセント近くの人がメンタル・ヘルスの不調を感じ、約70パーセントの人が、幸福度になんらかの悪影響を受けていること、また整理整頓ができない人はできる人に比べて鍵を紛失する可能性が2倍ほど高く、職場にも遅刻しがちであることが分かった。また、このようなメンタル・ヘルスが整ってない状況がしばらく続くと、認知能力が低下し、仕事などの生産性が著しく落ちることが分かった。整理整頓は日常の単なる雑用だと思われがちだが、意外にも人間の生産活動に深く結び付いているのである。

とはいえ整理整頓を完璧に行うには、それなりの労力と時間がかかる。この研究をまとめた「メトロ」紙の記事によると、片付けのヒントとしてPinterestやYouTubeからアイデアをもらいながら、収納箱やシューズ・ラック、引き出し内に入れる仕切りを使用し、理想のイメージに近づけること。また、週に数時間など定期的に断捨離の時間を設けつつ掃除も同時に行うことで、効率よく時間を使うことなどを勧めている。

整理整頓でメンタル・ヘルスを整える

在英中にできる準備を
大切なお子さんの未来を考える

帰国子女を受け入れてくれる学校や日本の大学入試をサポートする学習塾など、お子さんの本帰国を見据えた学習施設が日本、英国に数多く存在する。こうした場を利用する前に考えるべき点を簡潔にまとめてみた。

余裕のあるスケジュール作り

ご家族での英国滞在年数がある程度予測できることもあれば、突然の辞令により数カ月後に本帰国、また仕事の状況から帰国が延期となるなど、全てが想定通りに進む保証がないのが海外駐在。異国の地での生活に慣れる大変さに加え、日々学業に専念するお子さんにとっては、たった1年の違いで受験に向けた準備が大きく変わるので、本人をはじめご両親にとってもストレスに感じることも多いだろう。

余裕のあるスケジュール作り

そんな状況に対し一つの助けになるのが、帰国後の生活を想定した大まかなスケジュール作りだ。「中高一貫校に入学する」「日英のバイリンガルになる」「大学に帰国生入試で入学する」など、帰国後のゴールは年齢によってさまざま。スケジュール作りには、希望の学校に入るために必要な学力や集めなければならない書類、また編入時に必要な条件など親主導によるリサーチや、過去の帰国子女の経験談などをもとに、日本での夢をかなえるための具体的な目標作りをお子さんの意思を反映しながら作るといった、さまざまな要素が必要になる。しかし、これさえあれば、本帰国から逆算した3〜1年前、数カ月前までにできることがおのずと決まってくるはずだ。オンライン上には実に多くの帰国子女に関する情報があるが、あくまでも参考として捉え、必要に応じて各機関に直接問い合わせるなどして、最新の情報をキャッチすることも大切。

英国にいるだけでは英語は上達しない

大人になってから英国に来た人ほど痛感していることかもしれないが、英国に滞在するだけでは英語は上達しない。日英バイリンガルと呼べるレベルになるためには、「話す」「書く」「読む」「聞く」という四つのスキルを上げるための努力と、その環境に身を置く必要がある。

小さなお子さんの場合、渡航年齢や滞在期間、現地校での学びがあるかどうか、友人関係によってその能力の成長は大きく変化する。また、日本語を話すのがままならない状態であれば日本語を忘れないための努力、そしてそれらのサポートも重要になってくる。日本語を日常的に話すことと、正しい日本語を定期的に教わるのには似て非なるもの。また、親が日本語を母国語として正確に教えるには多くの時間を要するので、必要に応じて日本人学校など、外部の助けを借りることも視野に入れてほしい。また、英語の習得が進み、家庭内で二つの言語が飛び交うこともあるが、お子さんは表現しやすい言語を選びがち。「家ではいつも日本語を話す」など、家族全員が参加できるルールを作ることも有効な手段だ。

英国にいるだけでは英語は上達しない

一方で英語を学ぶ環境は、現地にいるほど有利なことはないだろう。幼い子どもたちは、成長と共に社会性を身に付ける過程にいるので、子ども同士の触れ合いから言語を学ぶことができたり、また読書好きのお子さんなら、図書館でいくらでも本を借りたりして英語をツールとして自然に学ばせていくことができる。

いずれにせよ大事なことは「積極性」。英国は多くの国から人が移住しているので、外に出れば英語やほかの国の言語に触れ合うきっかけもたくさんある。帰国後も努力次第で能力を維持することは可能であるものの、言語を日常的に使うほど良い勉強法は他にない。

 

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