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Fri, 20 December 2024
イギリス・ロンドンのイベント紹介

世界各国の作品が観られる、歴史ある映画祭

ロンドン・フィルム・フェスティバル 2020 BFI London Film Festival 7-18 October 2020

時代を象徴する話題の映画を楽しもう
今をときめく俳優や有名監督による珠玉の作品が集まるロンドン・フィルム・フェスティバル。64回目となる今年は、40カ国以上の国から130以上の作品が集まる。一部の作品は、ロンドンだけでなく、地方の映画館でも観られるようになった。今年は、人種をテーマにした作品が例年以上に多く選出された。

今年はオンラインでも見られる
新型コロナウイルスの影響を受けた今年は、観客の安全を考慮し、オンライン上映という異例のスタイルを採用。例年とはチケット制度も異なるため、詳細は公式ウェブサイトでチェックしてほしい。

主な上映会場
BFI Southbankなどロンドン中心地。会場の詳細については、公式ウェブサイトを参照。
www.bfi.org.uk/london-film-festival

映画祭の始まりと終わりを告げる1本

Opening Screenings

黒人コミュニティーと警察の全面戦争
Mangrove

(UK 2020 / 126分) 監督: Steve McQueen
Letitia Wright, Shaun Parkes, Malachi Kirbyほか

1960年代から90年代のロンドン西部ノッティング・ヒルで、黒人系ロンドナーのコミュニティー・センターとしても機能した、カリビアン・レストラン「ザ・マングローブ」。このレストランに執拗な嫌がらせを繰り返した警察に対し、地元の活動家が中心となってデモ抗議を行った結果、警察と衝突し、9人の活動家が不当に逮捕されてしまう。英国における黒人コミュニティーの歴史を語る上で、決して外すことのできない事件を、「それでも夜は明ける」でアカデミー賞作品賞を受賞した映画監督として、 またヴィジュアル・アートなど幅広い分野で才能を発揮するスティーヴ・マックイーンが作品化。逮捕後に行われた55日間にわたる裁判を通じ、黒人同士の強い結束と差別に対する激しい抵抗を描く。レティーシャ・ライトやマラカイ・カービーなど、今をときめく俳優が多く出演する。世界各地でブラック・ライブズ・マター(Black Lives Matter=黒人の命にも意味がある)の抗議活動が活発な今こそ鑑賞したい作品だ。

10月7日(水) BFI Southbank, Barbican, Ciné Lumière, Curzon Mayfair, Curzon Soho, ICA

Closing Night Screenings

海沿いで繰り広げられる切ない恋模様
Ammonite

(UK 2020 / 112分) 監督: Francis Lee
Kate Winslet, Saoirse Ronan, Gemma Jonesほか

実在した化石採集家で古生物学者のメアリー・アニング(1799〜1847年)を題材に、アニングの架空の恋愛模様を描いた異色のドラマ。アニングの恋の相手は、一時期共に化石採集をしていた、実在の友人シャーロット・マーチソン(1788〜1869年)だ。本作は、英南部の海岸沿いにあるアニングの故郷、ライム・レジスを舞台に、化石採集に励むアニングのもとに突如現れたマーチソンとの、秘密の関係を描いたフィクションとなっている。アニング役は「タイタニック」「愛を読むひと」で主演を務めた英国人俳優、ケイト・ウィンスレット。「つぐない」「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」に出演したアイルランド出身のシアーシャ・ローナンがマーチソン役を務める。監督は、デビュー作「ゴッズ・オウン・カントリー」で、美しい風景と繊細な人間心理の描写を高く評価された、フランシス・リー。1840年代の小さな町で生まれた身分違いの恋を、当時の社会情勢を織り交ぜて丁寧に表現する。

10月17日(土) BFI Southbank, Barbican, Ciné Lumière, Curzon Mayfair, Curzon Soho, ICA, Prince Charles Cinema
10月18日(日) BFI Southbank

注目の英国作品

Dare

アイデンティティーとの戦い
Mogul Mowgli

(UK, USA 2020 / 89分) 監督: Bassam Tariq
Riz Ahmed, Alyy Khan, Aiysha Hartほか

英俳優でラッパーのリズ・アーメッドが、パキスタン系英国人ラッパーの苦悩を演じた話題作。米ニューヨークを拠点に活躍するゼッドは、体調不良のため、ツアーを前に英国の実家を訪ねる。しかし待ち受けていたのは、両親からの無言の非難、そして友人たちからの「ココナッツ」(自分の属す人種や文化を裏切ったときに使われる俗語)という冷たい言葉だった。

10月10日(土) BFI Player(18:30), BFI Southbank, Barbican, Curzon Soho
10月13日(火) BFI Southbank, ICA, Prince Charles Cinema

Love

愛は認知症を受け入れられるか
Supernova

(UK 2020 / 93分) 監督: Harry Macqueen
Colin Firth, Stanley Tucci, James Dreyfusほか

20年もの歳月を共にしてきたカップル、サムとタスカー。これからも穏やかな日々が続くと思われた矢先、タスカーの若年性認知症が発覚する。全てを忘れる前に大切な時間を過ごそうと、2人は英国中を旅する計画を立てるが……。コリン・ファースとスタンリー・トゥッチが、揺るがない絆を持ちながら不確定な未来に向かって歩むしかない戸惑いを見事に表現している。

10月11日(日) BFI Player(20:30), BFI Southbank, Barbican, Ciné Lumière, Curzon Soho
10月12日(月) BFI Southbank, Curzon Mayfair
10月14日(水) BFI Southbank
10月18日(日) Prince Charles Cinema

人権に焦点を当てた作品

Debate

エア・ジョーダンとマーケティング
One Man and His Shoes

(UK 2020 / 83分) 監督: Yemi Bamiro
David Falk, Jemele Hill, David Sternほか

バスケットボールの神様、マイケル・ジョーダンとナイキのコラボ商品「エア・ジョーダン」。このシューズに象徴されるジョーダンの社会的、商業的な人気と、ブラック・カルチャーの商品化、またその裏にある10億ドル規模のマーケティング戦略に迫るドキュメンタリーだ。一つのブランドが、米国人の消費主義とセレブへの執着心を利用し、若者文化へ介入した経緯を探る。

10月13日(火) BFI Player(18:30)

Debate

メキシコ国境付近の闇
Identifying Features (Sin Señas Particulares)

(Mexico, Spain 2020 / 97分) 監督: Fernanda Valadez
Mercedes Hernández, David Illescas, Juan Jesús Varelaほか

メキシコ中部グアナフアトに住むマグダレーナは、より良い生活のため、息子へヘスとその親友リゴを米アリゾナへ送り出す。しかしリゴは到着前に遺体として発見され、へヘスは消息不明になる。法律も秩序もないメキシコの国境地帯で一体何が起こったのか、マグダレーナは独自のルートでへヘスを探しに行く。近年激化する国境付近で起こる悲劇を取り上げた作品。

10月15日(木) BFI Player(20:30)

世界発の観るべき作品

Laugh

9年ぶりとなる待望の新作
Kajillionaire

(USA 2020 / 105分) 監督: Miranda July
Evan Rachel Wood, Gina Rodriguez, Richard Jenkinsほか

作家や映画監督、パフォーマンス・アーティストとしてマルチに活躍する、ミランダ・ジュライ監督の長編作品。強盗を企てる両親が、計画を遂行するために、面識のない女性、メラニーを突然連れてくる。娘のオールド・ドリオは、この不思議な出会いによって、新たな感情が芽生えたことに気付く。米ロサンゼルスを舞台にした不思議な世界観と、色彩豊かなグラフィックを堪能したい。

10月7日(水) BFI Player(21:00)

Journey

実際にあり得るかも? 芸能人の休日の過ごし方
A Day-Off of Kasumi Arimura (Arimura Kasumi No Satsukyu)

Destroyer
(Japan 2020 / 42分) 監督: 是枝裕和
有村架純、風吹ジュン、満島真之介ほか

日本人俳優、有村架純の撮休(撮影の合間に訪れた突然の休み)をテーマに、数人の監督がイメージを膨らませて撮影した全8話のオムニバス・ドラマ。今回は、是枝裕和氏が監督した第1話のみが上映される。有村は撮休を使い、久しぶりに母親に会いに行くことにする。是枝監督が描く、ゆったりとした時間のなかで交わされる、家族の温かなやりとりに注目。

10月10日(土) BFI Player(13:00)

Dare

スリリングでパンクな世界観
Siberia

(Italy, Germany, Mexico 2020 / 92分) 監督: Abel Ferrara
Willem Dafoe, Dounia Sichov, Simon McBurneyほか

「永遠の門 ゴッホの見た未来」のゴッホ役が記憶に新しい俳優、ウィレム・デフォーと、米国の鬼才アべル・フェラーラ監督が、2019年の映画「トマーソ」に続きタッグを組んだ実験的な作品。デフォー演じるクリントは、山腹の荒れ果てたバーで、さまざまなタイプの怪しい客と接触するうちに、眠っていた記憶が呼び起こされる。演出家でもあるサイモン・マクバーニーも出演。

10月10日(土) BFI Player(20:30)

Create

1990年代を彷彿させるロード・ムービー
Striding Into the Wind

Destroyer
(People's Republic of China 2020 / 130分) 監督: Wei Shujun
Zhou You, Zheng Yingchen, Wang Xiaomuほか

「オン ザ ボーダー」でカンヌ国際映画祭の短編部門審査員特別賞を受賞した、北京生まれの映画監督、ウェイ・シューチュンが描くロード・ムービー。映画学校の卒業年を迎えたサウンド・レコーディストのクンが、モンゴル行きを夢見ながら、古びたジープで北京をドライブする。監督自身の経験を基にした、1990年代後半の北京の空気が感じられる作品だ。

10月16日(金) BFI Player(18:30)

チケット入手方法

オンライン
公式ウェブサイトから直接申し込む
https://whatson.bfi.org.uk/lff/Online/default.asp
電話
Tel: 020 7928 3232 (Box Office)
※ 6日までは毎日11:30~20:30、開催期間中は10:30~21:00
チケット再販売 / スタンドバイ・チケット
売り切れなどで購入できなかった場合にも、当日少数のチケットが販売される。予約はBox Officeへ電話を。

チケット料金

スタンダード・チケット
映画館: £14
BFI Player: £12
割引料金
16〜25歳: £5(当日券。一部の作品のみ適用)
学生 / 高齢者など: £12
(身分証明書必須。平日マチネと土・日の正午前のみ)
 

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