15 May 2014 vol.1411
Cappesante scottate in padella con crema
di cavolfiore stufato e acciughe £10.95
イタリア南部シチリアの料理には、燦々と降り注ぐ太陽を浴びて育ったレモンが使われることが多い。ロンドン中心部の閑静なビジネス街に位置する「ルーチェ・エ・リモーニ」は、「光(ルーチェ」と「レモン(リモーネ)」をその名に冠している通り、シチリア出身のオーナー・シェフ、ファブリツィオ・ザファラナ氏が故郷の味をここロンドンで再現すべくオープンさせたイタリアン・レストランだ。
壁にずらりと並ぶレモンが描かれたイラストと、淡い光を落とし込むシャンデリア。シチリアの自然を彷彿とさせつつ、上品で落ち着いた雰囲気を醸し出すこのお店では、味はもちろん、美も追求した料理の数々をいただける。
シェフの美的感覚が皿というパレットに花開く前菜の数々は、複数をオーダーして味覚と視覚の両方で楽しみたい逸品ぞろい。ホタテのカリフラワー・ソース和えは、絶妙の焼き加減のホタテが滑らかなソースの上に載せられた優しい味の一品。アンチョビの塩気とカリフラワーの食感が生かされた付け合わせがほど良いアクセントになっている。
Fritto misto di mare con maionese alla bottarga £10.50
イタリアンの定番フリット・ミストも、ファブリツィオさんの手にかかれば見た目も味も繊細な料理に。粒子の細かい薄衣を纏った新鮮なイカやエビなどの魚介類は、さっくり軽い食感にジューシーな中身のバランスが秀逸。カラスミの香りが漂うマヨネーズを付ければ、いくらでもするりと胃に収まってしまう。
Linguine al nero di seppia con ragú di triglia e olive £11.50
繊細な美で彩られた前菜の饗宴の後には、もちろんパスタやリゾットを。人気のイカ墨のリングイネは、具材にオリーブを混ぜ込んだレッド・マレットのラグーを使っている点がユニーク。一つひとつの具材がそれぞれの良さを主張しつつも他を引き立てている。
この日の特別メニュー
シェフ自らが毎日市場に通い、新鮮な食材を仕入れているというだけあって、メニューにはない品がお目見えすることもある。この日いただいたのは、スカンピがふんだんに入ったサフラン・リゾット。身の締まったスカンピを、ポルチーニ茸の馥郁(ふくいく)とした香りとトマトの酸味が包み込んだこのメニュー、すべての具材が混然一体となった深みのある味わいが舌に広がる逸品だ。
Semifreddo al pistacccio con gelo di melone £5.95
デザートには、ピスタチオのセミフレッド、シチリア・メロン・ジェリー添えを。細かく砕かれた香ばしいピスタチオの中には、ひんやりとしたクリーム。アイスクリームとも違う、冷たくまろやかなクリームの独特の食感がたまらない。赤い色味が目を引くゼリーは、「メロンなのに赤?」と思われるかもしれないが、シチリアでいう「メロン(melone)」とは、スイカのこと。スイカの爽やかな甘みが凝縮されていて、締めくくりには最適だ。
今回はシーフードを中心としたランチをいただいたが、ウサギやラムのロースト、仔牛のT ボーン・ステーキなど、ボリューミーな肉料理も充実。何度も通ってシチリアの海と山の恵みを味わい尽くそう。
ファブリツィオさんの故郷と食への思いが結晶化した「ルーチェ・エ・リモーニ」。丁寧に愛情をもってつくられた一皿ひとさらを、目で、舌で、ゆっくりじっくり感じたい。
シチリアの太陽とレモンをインテリアで上品に表現
店名 | Luce e Limoni | 大きな地図で見る |
住所 | 91-93 Gray's Inn Road London WC1X 8TX |
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TEL | 020 7242 3382 | |
営業時間 | ランチ: 月~土 12:00-15:00 ディナー: 月~木 18:00-22:00、 金・土 18:00-23:00 |
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最寄り駅 | Russell Square駅 | |
web | http://luceelimoni.com |